ロシアの人って無表情だったり、とても厳しい顔つきだったりするけれど、
知っている相手にはとても親切で明るくて優しい。
2度目のロシア訪問は、そういう何気ない発見がいくつもあった。
細かい話は追々ご紹介するとして。
何よりもまず、今年のモスクワは暖かかった。
「ワタシノ オタンジョウビ、イツモ フユ デス、ユキ フリマス」
一生懸命憶えてくれた日本語で、そう言って苦笑いしてみせたナターシャさんは、
モスクワ大学で日本文化の歴史について教鞭を執る先生。
ロシア語が全然わからないニッポン人4人をホテルに送りながら、
今日が自分の誕生日なのだと話してくれた。
いつもは雪のバースディ・パーティーなのに、と。
この日の最高気温は7℃。
雪が降るどころか、薄日が射す時間帯すらあった。
一年前のちょうど同じくらいの日に赤の広場やクレムリンを歩いたときは、
昼間の気温がマイナス8℃。
ダイヤモンドダストが目の前にちらついて、
いっときもじっとしていられずに、背中を丸めて地団駄を踏んでしまうほど寒かった。
なんだかちょっと拍子抜けの、暖かめのモスクワで、
師匠と、娘先生と、尺八のコバヤシ先生と、社中の先輩方4人と。
てんやわんやの公演旅行生活のはじまり、はじまり~。
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