晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 「アウシュヴィッツの図書係」 その4 10/8

2016-10-08 | 雨読

2016.10.8(土)曇り 
 もうひとつ偶然が重なった。先に書いた文中に障害者殺害の件があったが、実は一体何のことか分からなかった。その事件の真相を知らせるドキュメントがEテレであったのだ。
 ETV特集 それはホロコーストの“リハーサル”だった
明らかになる障害者の虐殺の真相 ナチスが利用した「衛生思想」現代への警鐘とは
という衝撃的な特集だった。
 ナチスが台頭するより以前に、ドイツの精神病院や障害者施設で秘密裏に障害者(ママ)が殺されていたのである。それは一種の優生思想が元になっていたようだが、ナチスの時代になるとより拡大され、20万人の障害者などが殺害された。そこには非生産者とされたてんかんやノイローゼ、うつ病の患者も含まれたというから凄まじい。結局は宗教者等の反対運動に押されて中止を余儀なくされるのだが、ヒトラーはその矛先をユダヤ人に向けることとなる。恐ろしいことはこの障害者虐殺の際に収容所、ガス室、屍体焼却場の設備が確立されており、そのままユダヤ人虐殺に使用されたということだ。この番組が「ヒトラーの娘たち」を意識していたか否かは解らないが、虐殺に直接手を下した看護婦にインタビューした文書が残っている。「わたしは悪いことはしたことがない、誠実に職務を遂行した」という旨の答をしていた。罪の意識とか反省の姿勢は微塵もない。これは徹底的なプロパガンダによるものと結論づけているが、「ヒトラーの娘たち」では彼女たちに強烈な批判を向けているようだ。戦争という巨大な狂気の下で末端の女性たちがどのような心理や思想で生き抜いたのか、とにかく「ヒトラーの娘たち」を読んでみなければという気持である。

【今日のじょん】6日にニューももが来じょん、もうすぐ4ヶ月だって、来るたびに少しずつ成長してるのがわかるのよね。

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