Dancing on the B-Road

サッカー中心だけどスポーツ全般。クルマやバイクも。好奇心の向くがままにツレヅレに、を目標にしております。

もうちょっと小さな“86”を。

2013-11-24 21:04:15 | クルマ生活版日々雑記
市場環境から言えば,かなりの冒険だった。


 であれば,出てきてくれただけでも感謝,という側面は確かにあります。ありますが,です。この市場環境を小さくしてしまったのは誰か。ほかならぬ,メーカさんたちではなかったかな,と思うのですね。バイクと同じ構図です。


 だって,商品をそろえても売れないですし,ほかに売れ筋があるから,そちらに注力しないといけないですし。レーサーレプリカのブームが終わって,ネイキッドが新たな主力になった,そんな時期に,各メーカが持っていたホンネは恐らく,こんなものだったのではないでしょうか。このときは,「ネイキッド」という鉱脈をカワサキが見つけ出したのがきっかけです。この路線を,他社も追随した。追随するだけでなく,ラインアップがネイキッドに過度に集中してしまった。結果として,業界全体が個性を失ってしまったのです。


 それでも,「玄関口」が確保されていればまだいい。
 オフロードでもオンロードでも,おサイフの軽い若いひとたちがちょっと頑張れば変える,そんな商品が用意されていたならば。


 しかし,玄関口までもが小さくなっていたのだから,コトは深刻です。
 同じ轍を踏まないために,クルマは何ができるか。


 やはり,もっと小さな排気量,もっと小さなクルマで,“86”のようなスポーツ性を感じるクルマを,となるのではないでしょうか。今回は,ちょっとオッチャンが思うエントリー・スポーツについて書いてみよう,と思います。


 86。面白いクルマだな,と思います。
 なかなかいいではないか,とも。


 でも,ちょっと大きいかな,という印象もあります。
 もうひとつ。AE86の後継であるとのことですが,であれば,もうちょっと価格的に身近であってほしかったな,と思います。RCは政策的に200万円を切る価格設定となっていますが,現代にあってはマスト,といえるエアコンが装備できないなど,実際には選択することが難しいモデルになってしまっています(シンプルさが個人的には魅力的ですが,より魅力的に仕立ててみよう,と想定してみると,結局G以上を選んでいるのと変わらなくなるのですよね。)。


 ここまで無理しないで,自然に仕立てられる大きさで,86のようなコンセプトを持ったクルマは成立しないのかな,と思うのです。当然,FRでなくても構わない,と思っています。たとえば,トヨタで言えばスターレットであったり,グループ会社であるダイハツで見ればシャレードであったり。営業車,という印象も強いクルマでしょうが,反面でラリーの主戦兵器であった,そんなクルマです。FRが持つ操縦性とは違うけれど,FFでもスポーツできる,そんなクルマがあってもいいのかな,と思うわけです。
 もちろん,スターレットのご先祖さまをたどれば,FRであります。私の世代に近い,最後のFRは確かKP61だったと記憶しています。このKP61のようにFRで仕立ててくれれば,それに越したことはありません。偉大なる先輩,ロードスターのような,あの大きさのFRはいまでも魅力的に思っているひとは多いのではないか,と思うのです。


 富士重工とのタッグで冒険に踏み切ったトヨタ。再び富士重工とタッグ,でもいいですし,今回はダイハツとというのも面白いかも知れません。いずれにせよ,もう一段の冒険に踏み込んでみてほしい,と思っています。

FT-86オープンコンセプト。

2013-11-21 19:56:32 | クルマ生活版日々雑記
速いだけが,スポーツではない。


 どれだけスムーズに,快適にワインディングを駆け抜けられるか。忙しくギアチェンジをするでもなく,ステアリングを操作するでもなく。すべてをスムーズに繋ぎ合わせながら,いつもの峠道を楽しむ。


 フィジカルなスポーツ,というよりもチェス的なスポーツもありですよ,と「形」で示すならば,これでしょうね。





 トヨタが富士重工と共同開発したスポーツ・モデル,“86”のオープンコンセプトであります。すでにこのコンセプトモデルはジュネーブショーに出展されておりまして,そのときはホワイトを基調とする個体でありました。


 今回,発表されたのは赤を基調とする個体でありますが,なかなか魅力的だな,と思います。この86,トヨタが意識しただろう“AE86”とは違って,ハッチバック・ボディを採用してはいません。トランクを装備しているわけです。そのために,オープン・ボディ化にあたっての違和感が少なくなっているのではないかな,と見ています。また,今回はキャンバストップの状態も公開されていますが,トップをかけた状態のデザインもなかなかに魅力的です。オシャレなオープン・スポーツだな,と。


 では,インテリアはどうだろう,と見てみるに。


 やはり,ベースモデルと同じく,パネル部分の処理がひとつの課題かな,と思います。モディファイを想定して,あえてシンプルな仕立てにしている,RCに到ってはパネルそのものを装着していないことを思えば,オープンの華やかな雰囲気にどうシンプルさを組み合わせるか,というのは結構なハードルだったかな,と思うのですが,個人的には「ゼータクなシンプルさ」を見せてくれてもいいかな,と思います。
 たとえば,本格的なドライ・カーボン製のパネルを装備するとか,パディングを施したスウェードであるとか。


 と,さらなるリクエストをお願いしたい部分もありますが,基本的には生産化を強く期待したいクルマです。

2005年のパラレル・ワールド。

2013-11-12 19:20:06 | レーシング版雑記
アウディであり,ペスカローロであり。


 そして,童夢であり。そんなコンテンダーたちの陰に隠れて,興味深いエントラントがいました。今回は,レーシングな話を書いていこう,と思います。


 さて。2005年のル・マン,その最終成績が35位(133周・DNF)であったマシンは,UKに本拠を置く“ロールセンター・レーシング”が持ち込んだマシンです。このパッケージを説明していきましょう。


 このときに使われたシャシーは,ダラーラSP1です。もともと,クライスラーがLMP1マシンを仕立てたときのシャシーです。ですので,このマシンを設計するときには,ダラーラだけでなくオレカも技術協力をしているはずです。このシャシーに搭載されたエンジンが,今回のお話の中心であります。


 日産エンジン,だったのです。英語版のウィキを読んでみると,このマシンに搭載されていたのはVQターボとのことです。


 2005年シーズン,日産はJGTCを戦うマシンをR34型GT-RからZ33型へと変更してから2シーズン目,であります。それまでのエンジン,VQ30型ターボから,VK45型への転換期にあたるはずです。実績あるエンジンを単純に保管庫へ,というのではなく,さらなる活躍の舞台を模索する。そこで,スポーツカー・レーシングでの可能性をチェックする,という発想が出てきたのではないか,と推理します。
 この時期のスポーツカー・レーシングは,アメリカが主戦場となっていました。ALMSが大きな舞台になっていたわけです。そして,ル・マン24時間を意識して,VQ30が持っている可能性を見る,と。この役割を担っていたのは,どうやらミハエル・クルム選手だったようです。ル・マンのエントリー・リストにもその名前を見つけることができますが,恐らく実戦で使えるのかどうか,クルム選手からのフィードバックを日産が見ていたのでしょう。


 結果として,2006シーズンからVQエンジンがカスタマー・チームに供給されるというアナウンスはありませんでした。このようなアナウンスは,VKエンジンのLMP2チームへの供給,という話まで待たなくてはいけませんでした。
 いまとなっては,何が作用してVQ供給という決定に到らなかったのか,外野としては想像のしようもありません。ありませんが,少なくとも「耐久レース」の舞台に戻りたい,という思いは持ち続けられていたのだろう,ということは感じ取れます。ZEOD RCは,革新的なフォルムを持っているマシンです。このマシンをもとに,LMP1マシンが出てくる日も,決して遠い将来の話ではないのではないか,と思うのです。

広島、井端選手獲得へ動くか。

2013-11-09 20:20:44 | スポーツ版雑記
ベテランばかり,というのもバランスが悪いけれど。


 若手だけ,というのもやはり,バランスが悪いように思います。
 若手に中堅,そしてベテラン勢。このバランスが,チームの強さにつながってくるように思います。その意味で,FAで抜ける印象ばかりが強かったチームにあって,確かに検討の価値ある話かな,と思います。


 【広島】中日退団の井端獲得へ興味示す(日刊スポーツ) - goo ニュースという記事をもとに書いていこう,と思います。


 さて。落合GMは,戦力として計算していない選手に金額を提示することはない,と明言していましたから,恐らく井端選手に対しても金額提示はあった(来季の戦力構想には入っている)と思われます。しかしながら,その金額提示が相当程度のダウン提示だった,と。スポーツ・メディアさんが報じている数字が正しければ88%減額,であります。必要としている,とは言いながら,実際には必要としているのかどうか,疑問に思ってしまったとしても,不思議のない減額率とは言えるでしょう。


 反面で,球団の置かれた状態を思えば,これまでのような年俸水準が維持しにくくなっているのも確かなようです。成績面での不振が観客動員に影を落とし,観客動員数の低迷は営業成績へと響いてきます。これまでと同じ収入水準ではないのに,人件費だけがこれまで通り,というわけにはいかない。何よりも,成績がふるわないのに,これまでと同じ年俸で契約を更改する,ということができるわけもない。これもまた,筋の通っている話です。


 お互いの筋が,交わらなかった。


 そういうことかな,と理解していますが,ベテラン選手の経験を必要とする球団にあっては,興味深い選手が入ってきてくれるかも知れない,という話でもありましょう。で,広島が検討をしているとか。
 広島は,FA権行使によって実力ある選手が抜けてしまって,なかなかその戦力的な穴を埋めきれなかった,という印象があります。それでも今季,CSへと駒を進めることができました。ここからさらに上位を,そしてレギュラー・シーズンでより高い位置を,となれば,経験豊かな選手の存在は大きな要素になってくるかな,と思います。


 今回は広島が獲得検討,という話ですが,他球団にも似たような動きがある,かも知れません。

ブラックキャブ的コンセプト。

2013-11-06 17:02:48 | クルマ生活版日々雑記
すでに,ミニバンが市民権を獲得しているのだから。


 ミニバン「的な」タクシーが出てきても不思議はないな,と。
 ただ,落ち着いた雰囲気であることが求められるでしょうね。
 街の景色になるクルマですから,あまり浮き上がったようなデザインではいけない。また,ホテルの正面玄関に乗り付けても,それほどの違和感を感じさせないデザインでないといけない。


 となると,ブラックキャブ的なデザインがひとつの解になる,ようです。であれば,なぜもっと早い段階でこの形に踏み切れなかったのかな,という疑問が浮かびます。彼らはすでに,絶好のベースモデルを市場に投入していたから,です。


 今回は,こちらの記事をもとに,トヨタのコンセプト・モデルについて書いていこう,と思います。





 さて。いつものようにデザイン面から書いていきますと。


 ブラックキャブ的なデザイン処理だな,と直感的に思いますが,よく眺めてみると,かつてのFFモデル,ラウム的なフォルムを持っているようにも感じます。ラウムのフォルムをもとに,ラゲッジ・ルームの広さ(と,恐らくはLPG用のボンベを搭載するスペース)を確保するべく,ちょっとノッチバック的なデザイン処理を施すことで,落ち着いた雰囲気を与えようとしたのではないか,と思います。
 実を言うと,ラウムを見たときに,これからのタクシーはこんな形になるのかな,と思ったところがありまして,トヨタのひとたちも似たようなことを考えておられたのかも知れません。
 フロント・セクションの雰囲気は現行のコンフォート,というよりはクラウン的,シングルフレーム・グリルを思わせるデザインを採用しています。ライト・ハウジングやリアビュー・ミラーを見ると,ちょっとコスメな要素も感じますが,基本的には「市販化」を相当現実的に意識したコンセプトではないでしょうか。


 このコンセプト,ブラックキャブとは違ってスライドドアを採用しています。次期ブラックキャブ(の可能性がある,と書くべきでしょうか。)にして,次期イエローキャブでもあるNV200と共通する部分です。開口部を広く取れることは,不特定多数の方(といいますか,これからは高齢の方が利用される機会も増えてくると思われます。)が後席を利用されるタクシーにあって,優位性があるかな,と思います。


 さてさて。機能面だけで言えば,恐らくNV200が優位性を持つ部分も多いのではないか,と思います。思いますが,NV200が街の景色になる,と考えると,少なからず違和感を持たれるかな,と思うところもあります。そんな部分を,トヨタはしっかりと意識しているように思うわけですね。
 コンフォートのような,正調セダンもいいな,と思うのですが,このコンセプトもいいな,と。できるならば,併売していただきたいな,と思うところです。

日本シリーズ(2013シーズン版)。

2013-11-04 19:47:40 | スポーツ版雑記
誰か,脚本家がいるとして。


 ここまでの脚本が書けるか,となると難しいですよね。ジャイアンツ目線で見れば,第6戦で田中投手の無敗記録をストップさせたことで,チームとしてのコンディション,そして流れを取り戻したのかな,とと思うところもありました。けれど,実際には完全に流れを引き寄せきれないままにシーズンを経過してしまった,というのがフェアかも知れません。


 イーグルスが制した,日本選手権を振り返ってみよう,と思います。


 イーグルスのホームゲームが,第1戦と第2戦,そして第6戦と第7戦であります。対するジャイアンツは,第3戦からの3試合をホームで戦います。このホームゲームを確保する前提で考えると,ジャイアンツは1試合をどこかでブレークしないといけないし,イーグルスがジャイアンツにプレッシャーを掛けるためには東京での3試合で優位に立つことが必要です。


 この2つの要素が,不思議に両立していたのがこのシリーズだったわけです。第1戦,ジャイアンツはイーグルスのホームゲームをブレークすることに成功します。しますが,どうもイーグルスは序盤の2試合を1-1で乗り切れればいい,という戦略を立てていたようです。実際,エースである田中投手を登板させたのは第2戦,でした。登板間隔を合わせて考えると,東京での3試合,そのうちの1試合を最低でもブレークして仙台に戻り,田中投手にもういちど登板を,というプランだったようです。


 このプランを,しっかりと描き出せていたように思うわけです。第2戦はイーグルスが取って,1-1で東京に乗り込みます。東京での3試合はDH制が使えない,セントラルの競技規則が適用される(攻撃を,実質8人で考える必要が出てくる)のですが,この3試合のうち2試合をブレークしてみせたのはイーグルスだったわけです。


 最初に3試合を取り,選手権に王手をかけたのはイーグルスで,第6戦を田中投手に預けて一気に駆け抜ける。第5戦を経過した時点で見ると,ほぼイーグルスの狙い通りだった,ように思います。思いますが,ジャイアンツは田中投手を打ち崩し,シリーズの帰趨を第7戦へと持ち込みます。


 さて。ジャイアンツからすれば,コンディションが何とも整わないシリーズだったのではないでしょうか。攻撃面で見ると,打線がコンディションを取り戻せない状態が続いてしまったし,守備面で言えば先発陣の不調が大きく影を落としてしまっていたように思います。対して,イーグルスは投手陣が不安視されていたように思うのですが,実際にはシリーズのリズムをつくっていたのは投手陣だったように感じます。田中選手に則本選手,彼らに加えて美馬選手がしっかりと機能してくれていた。彼らをうまく使ったことで,シリーズを戦う計算が成り立ったのだろう,と思うのです。


 個人的には,どちらがマイ・チームというわけではなかったのですが,それでもすごく引き込まれるものがある,魅力的なシリーズだったな,と思います。

新型オデッセイ。

2013-11-01 19:55:10 | クルマ生活版日々雑記
個人的に,得意なカテゴリではありませんが。


 ピープル・ムーバーとしての機能を突き詰めると,このようなディメンションになるだろうな,と感じます。それにしても,かなりのインパクトがある姿です。





 今回は,こちらの記事をもとに,新型オデッセイについて書いていこう,と思います。


 この新型オデッセイ,スライド・ドアを採用しています。これまでは,どこかミニバン的であり,でもステーションワゴンとしての位置付けもある,ピープル・ムーバーとして独特の立ち位置を維持していたように思うのですが,今回のモデルは明確にミニバンとしての立ち位置にシフトしてきたな,と思います。エリシオンの要素を落とし込んだ,とも言えるでしょうか。


 そんな部分が,デザイン面にも表現されているように思います。


 フロント・セクションで言うと,ライト・ハウジングとグリルの位置関係には先代との共通性が感じられます。グリルを取り出してみると,かなりの存在感が与えられています。恐らく,ライバル車種を意識して,強い存在感を与えようとしているのではないか,と思います。
 視点をサイドに移してみると,屋根の高さやリアに続く造形などの部分でエリシオンのイメージが落とし込まれているように思います。オデッセイが持っていた個性的な要素と,エリシオンが持っていた正統派ミニバンとしての機能的な要素を,うまく掛け合わせているように思うわけです。


 そして,エンジニアリング面での個性が,やはり低いフロアではないかな,と思います。サイドからのオフィシャル・フォトを見ると,マフラーやガソリン・タンク,あるいはサブフレームなどの「突起」が見当たりません。フロアを低める「だけ」ならば簡単ですが,それでは最低地上高に決定的な問題を生じることになりかねません。ちょっとした段差にマフラーなどを引っ掛ける,その可能性が高くなってしまうはずです。


 車体の安定性を考えるならば,重心位置は低めたいわけです。
 居住性を意識するならば,室内高はできるだけ確保したくもあるわけです。
 矛盾する要素を両立させるために,ホンダはフロアを低めるための技術的な工夫を編み出してきたわけです。ガソリン・タンクの形状,搭載位置などを見直すこと、マフラーなどの設計を見直すことでフロアを低めることができた。この低いフロアは,このクルマにとっての大きな武器だろう,と思います。


 ミニバン,というよりはフツーのセダンに近いサスペンション構成だった先代までと比較してしまうと,ミニバンに「なってしまった」,という印象を持たれるひともおられるか,と思いますが,重心位置が低められている効果は,サスペンション形式にかかわらず,物理的なメリットを与えてくれているのではないか,と見ています。


 ミニバンとしてのオデッセイ。まだ見慣れないな,というのが実感ですが,反面でかなりホンダは気合いを入れてきたな,とも感じます。