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Gショック成功の要因

2017-07-12 14:06:59 | お話
🌸Gショック 成功の要因🌸


来年、発売35周年を迎える腕時計「Gショック」は今年累計で1億個を超えるだろうと言われています。

開発のきっかけは、会社で人とすれ違いざまに時計が床に落ち、壊れたことでした。

高校の入学祝いに買ってもらった時計。

ショックでしたけれど、精密機械は落とせば壊れるのが常識と思っていましたので、

目の前で実体験できた感動の方が、実は大きかったのです。


たった1行

「落としても壊れない丈夫な時計」

とうたっただけの新技術・新商品提案書を会社に出すと、

なんと、開発にGOが出た。

最初は、ゴムが4カ所についていればOKだろうと、非常に簡単に考えていました。

しかし、3階の窓から落下実験するうちに、どんどんゴムが大きくなりソフトボール大に。

提案は50%できないと思いました。

心臓部を衝撃から5段階で吸収する構造を開発、劇的に小さくなりましたが、

今度はモグラたたき現象に陥りました。

電子部品が1個だけ壊れ、強くすると別の1個が壊れることの繰り返し。

解決策を1週間考え続け、出なければもう諦めようと決めた最後の日曜日。

公園でまりつきしていた女の子がいて、

ボールの中にパッケージされた電子部品が浮かんでいるのが見えた。

宙づりに近い状態をつくればいいんだ。

頭の電球がピカーッと光り、できると確信に変わった瞬間でした。

そんな中から生まれてきたGショックが、ここまでロングセラーになったのには、3つの要素があると考えています。

1つは、いつもの時代にも通じるコンセプト。

これは耐衝撃性、つまり丈夫であることです。

今、若い人には企画を立てるとき、「いいテーマが出てくるまで資料は作らなくていい」
と言っています。

いいか悪いかは一言で言ってもらえればわかる。

経験上、10文字以内がベストです。

例えば食品なら、「新鮮でうまい」。

ガラス業界なら、「強くて割れれない」。

ぜい肉をそぎ落とすと普遍家のテーマになる可能性が高まります。

見るからに美しい資料ででも10文字以内で言えなければ、本質が見えてこない。

10文字が変わればアウトプットも全く違ってきます。

次に、会社にあるコア技術関連のテーマが出てくるまで掘り下げる。

「新瞬間冷却で新鮮でうまい」という具合。

開発課題が明確になる。

目安は25文字以内です。

そこで目の前のアイデアを愛しすぎないことに注意しなくてはいけません。

1つのテーマが出ると、それに自己陶酔し、ほかのことが考えられなくなるからです。


2つ目の要素は、常に商品が新鮮であること。

Gショックは「丈夫である」を実現するためメタルケースを全部プラスチックで覆いました。

非常識だと言われましたが、結果的には斬新なスタイルと色を生み出せました。

そこに新技術も取り入れ、認知されてきました。


もう一つが、ファンづくり。

2002年にファッションウォッチとしてのブームが終わり、大きな落ち込みを経験します。

Gショックの本質、世界観を伝えようと始めたのが、SHOCK THE WORLDツアーでした。

私はそこで開発ストーリーを直接お話しするようになりました。

必ず母国語で。

失敗や苦労、夢、ネバー・ギブアップ。

心に響けばファンになっていただけると信じています。


(「日経MJ」2017.7.10 カシオ計算機 伊部菊雄さんより)