樹の海

萩原聖人、井川遥、池内博之、津田寛治、塩見省三、小嶺麗奈、田中要次、余貴美子、大杉蓮出演。瀧本智行監督作品。

自殺の名所としても知られる富士山麓の青木ヶ原樹海を舞台に、様々な理由でこの森に足を踏み入れ、それぞれに生と死の境に直面する人々を、少しずつ交錯する４つのエピソードで綴った群像ドラマ。監督は助監を経て本作で初メガホンとなった瀧本智行。2004年の東京国際映画祭で日本映画・ある視点部門の作品賞・特別賞を受賞。
　エピソード１――暴力団にハメられ樹海に遺棄された朝倉（萩原聖人）。一命を取り留めた彼は森を彷徨う中で、自殺しようとしている中年男・田中に出会う…。エピソード２――悪徳金融のタツヤ（池内博之）は、夜逃げした顧客の北村今日子が自殺しようと入った樹海で足を怪我したと連絡を受け、現場へ助けに向かうが…。エピソード３――サラリーマンの山田（津田寛治）は、探偵の三枝（塩見省三）から樹海で自殺したという若い女と自分が一緒に写った写真を見せられるが…。エピソード４――映子（井川遥）は、かつてストーカー行為をした相手と再会するが、彼が何も覚えていないことにショックを受け、樹海へ向かう…。（allcinema onlineより）

今回は解説もつけてみました。
公開当時はあまり話題にならなかったですね。でも私はシナリオを読んで興味を持っていました。が、劇場に行こうかどうしようか考えているうちに上映が終了してしまいました（苦笑）。DVDもずっと予約してたのが、やっと来たという感じです。
自殺なんかするな！という意見の押し付けの映画ではなく、どちらかというと淡々とストーリーが展開してました。でも観終わった後にどこか希望が見えるのがいいですね。

萩原聖人くんと池内くんはほぼ一人芝居みたいな感じでした。萩原くんのエピソードでは、ラスト泣いてしまいました。自殺しようとした人が「止めないでくれ～」と叫んでいる声は、「止めてくれ～」と言っているように私には聞こえました・・・。
井川遥さんのエピソードでは、痴漢にあった女子高生を助けるオジサンを大杉蓮さんが好演してました。この人間関係が希薄になっている世の中で、時々、グッとくるようないいオジサンがいたりするんですよね。
私が一番いいなと思ったのは津田寛治さんのエピソード。一番何気ないストーリーで居酒屋での会話だけなのに、じんわり来ました。塩見省三さんが、話をしている最中に、閉店間際だからと店員に支払いを催促された時、「人の生き死にの話をしてるんだ！」と怒鳴るシーン良かったです。「北の国から」（どのエピソードか忘れた）で、ラーメン屋でほたる、純、父さんの3人が閉店間際に食べている時に、純がまだ食べかけのラーメンを下げようとした店員に向かって父さんが「子どもがまだ食べてるんだ！」と叫んだシーンを思い出しました。（すいません、マニアックで・笑）あのシーンぼろ泣きしたんですよ～・・・。

萩原くんは、自殺しちゃった人＝死体に話し掛けたりしてるので、あまり気分のいいものではないし（苦笑）、地味な映画ですけど、興味がある方は観てみて下さい。