阿佐ヶ谷 Gangster

阿佐ヶ谷駅南口の一番街どん詰まりあたりの左にある小〜さな建て物の二階にあったブルース・バー。現在はチェッカー・ボードという店名になっている。
当時は建て物が古くて右に傾いているのが一目瞭然で、日に日に右隣との隙間が狭まっていき訪れるたびに正面に貼り付けてあるレンガが耐えきれずに落ちていた。
オーナーは福島県出身のジョニー。「ジョニーだけど↑」と語尾の上がるネイティヴな喋りかたが個性の一部となって、仲間内でのモノマネが流行っていた。
で、このTシャツはこの店が二十数年前に作ったオリジナル。
ハイタイド・ハリスが「中国で安く作れるから」と請け負ったのだが商品が到着してみると「なんだ生地がコットンと違う！」とジョニーさんがガッカリし、ハイタイドはとなりで悪びれた様子もなくゴニョゴニョと言っていた覚えがある。
確かに人工繊維で毛玉出来るし趣ゼロで貰ったか買ったのか忘れたが殆ど着なかったものの、ウーンと年数が経って色が掠れてくるといい雰囲気だ。
二カ月ほどジョニーさんがジャマイカ、シカゴへ旅に出て代わりに店番をしたことがある。
深夜、甲本ヒロトくんや知り合いのミュージシャンが来て一緒に呑んだくれたりして営業とはほど遠い店番だった。
東京でライブを始めたのは此処の店からだったような？
その後、建物は新築となりジョニーさんは福島市へ戻り「なまず亭」をはじめる。





エルパイン氏からの投稿写真。
（ライヴ写真はモリダイラ楽器発行の機関紙「ハーモニカレビュー」1994年24号から）