キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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「ミリオンダラー・ホテル」

2007年03月29日 | 映画
(ネタバレあり)

U2のボノが原案・音楽・制作。
ヴィム・ヴェンダース監督。

惜しい!
この映画、もっともっと登場人物の孤独―イジーの孤独、トムトムの孤独、そしてエロイーズの孤独―を深く掘り下げれば、私が人生で好きな映画10傑に入ったかも・・・。

映像と映画の世界観は物凄く好きです。
もちろん音楽も。

特に冒頭とラスト。
黎明のブルーに染まる、ミリオンダラー・ホテルの屋上で、ホテルのネオン管を支える鉄骨越しにトムトムが空を見上げるシーンは胸が痛くなるほど好きです。

人生からドロップアウトしたホテルの住人たちとは、対極の側にいたと思ったスキナー捜査官が、一番トムトムの理解者であったというのにはグッときました。
彼こそが実は、本物のフリークスでありストレンジャーだったんですよね。

そしてイジーを殺した真犯人は本当に意外な人物でした。

本作のミラ・ジョヴォヴィッチは本当に美しい。
住人の一人が彼女を「処女マリア」と呼ぶんですが、ホントそんな感じです。

救世軍の古着の山から引っ張り出してきたようなセーターを着て、素人が切ったようなジャキジャキのショートカット。
いつもタバコをふかして本ばかり読んでる無愛想な娼婦の役なんですが、それでも妖精のように美しいです。
可憐で儚げで。

私が今まで見たミラ出演作の中で、この「ミリオンダラー・ホテル」のエロイーズこそがもっとも美しく魅力的なミラ・ジョヴォヴィッチを見せてくれてるかも。

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