1万円→6000万円の謎解き
上記のブログの内容が非常に解りやすいので、まるごと転載させて頂きます。
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「1万円で業者に売却したかんぽの宿が、6000万円で転売された」という話の謎解きをします。
前回エントリで紹介した報告書(6ページ)によれば、平成18年度のバルクセール(一括売却)は178物件、鑑定評価額は114億円に対して売却額は115億円でした。
178件で合計114億円相当の物件を、ひとまとめにして115億円で売った、ということですね。
例の、1万円で売られたとされる施設の公社側の評価額は、実は3700万円でした。もちろんバルクですから、この施設がいくらで売れた、というものはありません。
でも、売る側も買う側も、一応それぞれの価格をはじき出して記帳しなければ行けません。
売った側は、この物件の売値を
3700万÷114億×115億=3732万円
と、計算するしかありません。
でも、買う側は買う側の論理でひとつひとつを評価し、全体の合計を出しています。
この物件の場合、立地や設備等を考慮して、買う側の評価はゼロだったが、さすがに0円で帳簿に記すことはできないので、1万円という名目にしたということでしょう。
実際にこういうケースの場合、平成16年度の売却時は、買った側は1万円と記帳し、売った側は3732万円と記帳していたそうです。
ところが、平成17年度の売却後に、買った業者へのヒアリングで、こうしたちぐはぐに気づいたのです。そこで、平成18年度は個別の「お買い上げ金額」に合わせて郵政公社も記帳した、というわけです。
(その中には当然、〝評価額より高い価格で売れた物件〟も含まれるわけです)
3700万と6000万の差額なら、「売却当時にさほどの利用価値を認める人が現れるとは思ってもみなかった」と言う程度のことでしょう。それが、以上のような事情で、「1万→6000万」という、センセーショナルな数字となったのです。
1万円が6000万円というのは、まさに落札業者にとっては棚ぼただったはずです。しかし、実際には1万円という価格はどこにも根拠がないのです。(強いて言えば、「売れる見込み無し」という程度)
でも、買いたい人が見れば3700万円周辺が妥当でしょうし、実際転売を受けた業者にしてみれば6000万円でも妥当だったんです。3700万円という評価額も大幅に減損処理されたあとの金額のはずですから、同じ土地を買って同じ建物を建てることを考えれば、6000万円は安かったはずです。
ですから、この事例が報道されたとき、3700万円という評価額がいち早く伝わっていればさほどの混乱はなかったはずです。
どうしてこの経緯をすぐに明らかにしなかったのか・・・
明かしてしまうと、16年度との整合性が無いことをつつかれるので、それを恐れたのかも知れません。あるいは、政治的な圧力があったのか?
こういうことを追求するのがジャーナリズムだと思うのですが、我が国には健全なジャーナリズムが育っていないということかも知れません。
上記のブログの内容が非常に解りやすいので、まるごと転載させて頂きます。
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「1万円で業者に売却したかんぽの宿が、6000万円で転売された」という話の謎解きをします。
前回エントリで紹介した報告書(6ページ)によれば、平成18年度のバルクセール(一括売却)は178物件、鑑定評価額は114億円に対して売却額は115億円でした。
178件で合計114億円相当の物件を、ひとまとめにして115億円で売った、ということですね。
例の、1万円で売られたとされる施設の公社側の評価額は、実は3700万円でした。もちろんバルクですから、この施設がいくらで売れた、というものはありません。
でも、売る側も買う側も、一応それぞれの価格をはじき出して記帳しなければ行けません。
売った側は、この物件の売値を
3700万÷114億×115億=3732万円
と、計算するしかありません。
でも、買う側は買う側の論理でひとつひとつを評価し、全体の合計を出しています。
この物件の場合、立地や設備等を考慮して、買う側の評価はゼロだったが、さすがに0円で帳簿に記すことはできないので、1万円という名目にしたということでしょう。
実際にこういうケースの場合、平成16年度の売却時は、買った側は1万円と記帳し、売った側は3732万円と記帳していたそうです。
ところが、平成17年度の売却後に、買った業者へのヒアリングで、こうしたちぐはぐに気づいたのです。そこで、平成18年度は個別の「お買い上げ金額」に合わせて郵政公社も記帳した、というわけです。
(その中には当然、〝評価額より高い価格で売れた物件〟も含まれるわけです)
3700万と6000万の差額なら、「売却当時にさほどの利用価値を認める人が現れるとは思ってもみなかった」と言う程度のことでしょう。それが、以上のような事情で、「1万→6000万」という、センセーショナルな数字となったのです。
1万円が6000万円というのは、まさに落札業者にとっては棚ぼただったはずです。しかし、実際には1万円という価格はどこにも根拠がないのです。(強いて言えば、「売れる見込み無し」という程度)
でも、買いたい人が見れば3700万円周辺が妥当でしょうし、実際転売を受けた業者にしてみれば6000万円でも妥当だったんです。3700万円という評価額も大幅に減損処理されたあとの金額のはずですから、同じ土地を買って同じ建物を建てることを考えれば、6000万円は安かったはずです。
ですから、この事例が報道されたとき、3700万円という評価額がいち早く伝わっていればさほどの混乱はなかったはずです。
どうしてこの経緯をすぐに明らかにしなかったのか・・・
明かしてしまうと、16年度との整合性が無いことをつつかれるので、それを恐れたのかも知れません。あるいは、政治的な圧力があったのか?
こういうことを追求するのがジャーナリズムだと思うのですが、我が国には健全なジャーナリズムが育っていないということかも知れません。
コメント有難うございます。
私も、引用元ブログの管理人さん(故郷求めてさん)には、「よくぞいってくれた!」という思いです。
>「1万円で買ったものを60百万円で転売しぼろ儲け」というセンセーショナルなプロパガンダに辟易としていたので、
同感です。
特にTVメディアが、これだけヒステリックにこういう論調を繰り返し流せば、誤解する人が多数出てくるのも当然ですよね。
>ことの経緯は郵政会社の「第三者委員会」の議事録に掲載されています。
御教示有難うございます。
後で探して見ます。
ネットは偏向していない一時ソースに当たれるので便利ですね。