台湾紀行

12月13日～15日、2泊3日で台湾を旅行した。
何でこの忙しい時期にわざわざというスタッフの声をよそに、司馬遼太郎の
台湾紀行を熟読し、一つを除いては準備万端の出発だった。
　そもそもなぜ台湾かというと、昨年同様に、ソプラノ歌手のコンサートに
行くためだ。ただそれだけのことなのだ。しかし昨年、生まれて始めての海
外一人旅のロンドンを体験して、言い尽くせない体験をしたことが今回の旅
行につながっている。頼りになるのは自分だけなのに、言葉もろくに話せな
い。しかし、それでも話さなければ路頭に迷ってしまう。自分を困らせるこ
とで、それを克服して少し自分に自信ができた。もっと若いうちに経験して
おけば良かったとつくづく感じた。でも、今からでも遅くはない。それが、
毎年の一人旅につながっているように思う。

セントレアをＡＭ１０時ごろ出発。


台湾までは約３時間。桃園空港に昼ごろ到着し、そこからはバスで桃園駅ま
で移動した。片言の日本語を話してくれる人がいて助かった。バス代30NT$


台湾には、日本の新幹線が導入され、台北から高雄まで一直線に結ばれてい
る。今回は、台南中心の旅のため、新幹線で高雄まで移動。1330NT$


車内は当然日本の新幹線そのもの。不思議なもので、それだけで安心する。


高雄の駅に着いた。もう薄暗くなってきた。ここから宿までが問題である。
一切下調べなしだ。こわもて風のおっちゃんが日本人と分かってか、近づい
てきた。ホテルまで連れて行ってやるという。250NT$でどうだ。と、中国語
で言っているみたいだ。よく考えたら日本円で700円くらい。決して高くない
のだが、どうも⓪を1桁7000円と間違えた。とんでもないと断って、駅のサー
ビスセンターに行った。
高雄の新光三越がある通りの商店街。なんせバイクがやたら走っている。


サービスセンターの女性が片言で日本語を話してくれる。どうやらホテルの
近くまで、ＭＲＴという地下鉄が走っているらしい。助かった。早速その
ホームに向かう。そこでも確認しようと、サービスカウンターで尋ねると、英語しか通じなかった。半分理解できたので切符を買いに行く。そこでもた
じろいだ。切符が出てこないと思ったら・・


コインである。これで出入りするのだ。よく考えてみれば、リサイクルにつ
ながっている。切符1枚でも紙は紙。これは日本でも導入するべきだ。
ちなみに料金は、30NT$。安い。つぎの写真は見にくいかも知れないが、罰金
が書いてある。飲食やタバコなどを禁止いているのだ。だから車内はとても
清潔感がありしかもゆったりしている。罰金は1500NT$。だれもしないはず。


中央公園下車。気持ちの良い公園を抜けてあと少しでホテルである。


途中、観光地と、古い町並みの狭間の景色が印象に残った。


宿泊したアンバサダーホテル(国賓大飯店）6,000円くらいだったと思う。
非常にゆったりとした部屋で、ホテルも高級感があった。もちろん日本で予
約した。ここで、最初に言った、その一つを説明したい。体調が最悪だっ
たのだ。体調といっても咳きだけである。止まらないのだ。昨日ようやく思
いついたのが、胃腸の警告だ。早く断食をすればよかったのだ。チェックイ
ンした時間はＰＭ6時を回っていた。素食どころではない。寝よう。


翌朝は、だいぶ咳が落ち着いていた。やはり知らず知らずのうちに胃腸が疲
れていたのだ。どうりで最近、自分の口臭が気になったことがあった。こう
やって症状が慢性化し、終には麻痺してしまうのである。気をつけなければ
いけない。朝のバイキング。いや～。昔だったら腹いっぱい食べているだろ
うな。美味しそうな料理ばかりがずらーっと並んでいる。そのすみに素食の
コーナーがあった。お粥と漬物類、これだけにしておこう。

お粥は甘かったな。砂糖が入っているみたいだった。


愛河が、ホテルの前を流れている。本当は、そのあたりの散策をしようと
思っていたが、あまりいい景色ではないのだ。川の異臭もする。そこで、
台南に移動することにした。高雄から汽車で台南へ向かった。


台南の駅。車1台にバイク5台の割合で、絶え間なく走っている。排気ガスが
臭い。歩道は、店の軒先と化している。野菜は切っているわ、食事をしてい
るわ、バイクは乗り上げてくるわ。すごい。車も堂々と塞いでいる。

これはまだましなほう。この車の前をバイクが走っていたので撮ったのだが
写っていなかった。残念！

剣橋飯店に無事チェックイン！。ここでも日本語のできる受付の人だった。
だいたい駅から１０分ほど、親切にまだお昼だというのにチェックインでき
た。折角だから、昼ご飯くらいはおすすめの店に行きたい。ベジーでチェッ
クした店を受付の女性に聞いたら、どうも住所が違うらしい。正確な場所を
地図に書いてもらい、歩いて目的地に向かった。日月禅食というお店、歩い
て探すこと1時間。ようやく番地を発見したが、そこは空き家になっていた。
がっくりして食べ物屋を探す。今日も食べるなということかもしれない。
そう思いながらホテルへの帰り道、花川という店を発見。日本語に惹かれて
店に入った。片言日本語の話せる女性が接客してくれた。焼そばとみそ汁を
頼んだのだが、これが美味かった。体調が良ければ夜も来たいと思った。
寿司や煮付、酒は久保田なども置いてある。こんなにいい味を出せる店だか
ら、他の料理も何をかいわんやである。３人のスタッフが日本語を勉強して
いるというので、食事しながら会話をした。



　台湾では、ご年配の方は日本語を話せると聞いていたが、今回の旅でお目
にかかることはなかった。それより若い人の勉強意欲にすごい刺激を受けた。
物怖じすることなく話しかけてくるし、こちらが尋ねると、英語か日本語で
返してくる。彼らは母国語でも中国語、台湾語があり、それに加え英語や日
本語を学んでいるのである。この力が、この台湾の経済を底上げしているの
だろう。これからは内弁慶で威張っていることが通用しない世の中になる。
それほど世界は身近になってしまったのだ。それに気づくためには外に出る
ことだ。井の中の蛙ではどうしようもない。

食後に、近くの観光スポットを散策


そうとう歩き回ったので、台南市内はだいぶ網羅した。それに、印象に残っ
た映像が目に焼きついたので、それはお便りでご案内したいと思う。


タクシーで今回の目的地へ向かう。約20分で130NT$。安いなあ。

コンサートが終わってホテルに着いたのは10時をまわっていた。夕食を食べ
ずに寝る。胃を休ませているせいか、体調はだんだん回復、咳はほとんど出
なくなっていた。

３日目の朝。台南散策の思いを断ち切って台北に向かう。だいたい分かって
いたが、見ておきたかった。台南から台北へ新幹線で向かう。1350NT$。
１０時ちょうどに到着。駅が広い。やはり別格だ。


新宿のような高層ビルが建ち並ぶ。ここにきて小雨がぱらついてきた。仕方なくMRTで移動する。１０１タワーの最上階に行ってみよう。地下鉄を降りた
ら、雨が強くなってきた。仕方なくバスに乗る。ここに落とし穴があった。バスの運ちゃんに行き先を尋ねると、１０１も通るという。
しかし、値段が50NT$だった。
今までに比べると高い。不審に思ったが乗り込んでしまったのが失敗だった。
バスはビルと反対方向に走り出したのだ。川を超え、対岸に向かっている。
頭にきて文句を言うが、知らぬ存ぜぬ。信号で止まったところで、無理やり
下ろさせた。大きな交差点の横断歩道の真ん中で、車は走ってくるので、
真ん中で待機。車の間を縫ってようやく反対車線にたどり着き、タクシーを
見つけて難を逃れた。１０１タワーの最上階からの写真がこれ↓

苦労した割にはさえないものとなった。

台北は、もう完成された都市になっている。すこし離れた場所に行ったほう
が面白かっただろう。あまりにも時間がなさすぎた。
ここから桃園空港までも、かなり距離がある。本来ならバスで行けたのだろ
う。しかし、自信がないため桃園駅まで戻り、バスで空港まで向かうという
行きと同じコースをとった。搭乗まで1時間前だった。

台湾の旅は、確かに素食の旅となった。ほとんど口にしなかったと言って良
い。調子が悪いときは食べないこと。動物達が教えてくれている通りである。

次の機会は、台南にもう一度言って見たい。
ひとまず、報告を終わります。気づいたことがあれば書き足します。