はづきちさんのはまりもの

まだあったので日記帳になりました

L4U発売まで半月切ったよ記念SS (特別SS)

2008-02-12 02:55:17 | SS 番外編
「ファン代表プロデューサー…ですか?」
「うむ」
突然出たその言葉は
確かに喉から手が出るほど欲しかったもの
しかし、ここでこんな形で話題に出るなんて夢にも思ってなかった

さて状況を確認しよう
俺、目の前には偉い人
状況確認終わり
…全然わけがわからないな
俺のお仕事は事務、経理その他色々雑用見習い
まあ、ありたいていに言えば下っ端
こうなったのにも色々あって
勤めていた会社が倒産
アパートを追い出され
失意と空腹のまま倒れたところを今の勤め先の…その…うん、代表に救われた
この方の好意で俺は住み込みで働かせてもらってる
食事と寝場所そして仕事まで頂けたのだ
足を向けて寝られないぐらい感謝をしている
代表に言わせれば
「この世界、義を忘れたら俺達は単なる屑だからな」だそうだ
なんと男らしいのだろう

ただ
少しだけ
不安と言うか心配事があるとすれば
ここが「萩原組」という
…俗に言う道を極めるお仕事って事かもしれない

さて、眼前にいるのは「代表」もとい「組長」
ここで一番偉いお方だ
助けてもらった恩があるのだが、正直未だに怖い
その深い人生から得たと思われる威厳や威圧感は物凄い
睨んだだけで鳥が落ちると言われる眼光
デ○ルアイなら殺人光線だ
「えっと…組長?今なんて…?」
「なんだ、聞こえなかったのか」
ギロリと睨まれる
いや、普通にこちらに目線を送っただけなんだろうが
後ろをのんきに歩いてた犬が倒れた気がした
「お前に雪歩のファン代表Pになって来いと言ったんだ」
「…お嬢さんの?」

萩原雪歩
765プロ所属のアイドルでその高いビュジュアルと
女の子らしいキャラクターから若年層を中心にファンが多い
そして…萩原組の一人娘でもある

「今度、あいつの所属している765プロでイベントがあるらしい」
「はぁ…」
それは知ってる
765プロのアイドルが選出されたファン代表プロデューサーの
プロデュースの元、コンサートを行ってくれる
自分が選んだ歌を自分が選んだ衣装で歌ってくれると言うファンにはたまらないイベント
確か「ライブフォーユー」とか言ってたっけ
「そこでファンから選出されたとか言う奴がだな」
「はい」
あ、敵意が出てきてる
「雪歩を勝手に着せ替えたり、好きな言葉を言わせたりするらしい…」
バキッ!!
持っていた杖が折れた、組長の握力だけで
空も曇ってきた
ゴゴゴゴゴという音は雷雲の音なのか
それとも眼前にいるこのお方が発する擬音なのか
プルプル震えてるし…
とにかく凄く怖い
「な、なんで私なんですか!?」
慌てて聞き返す
というかそんな敵意の溢れる相手にどうして自分を任命するのか
もしかして俺の存在が凄く迷惑がられていたのだろうか
指名してから消すとか…
ターゲッティング!?
背筋から冷たい汗が流れた
「理由は2つある」
「2つ?」
「まずは、お前はいたって普通の男だからだ」
「…」
確かに俺は並人間だ
身長、並、顔、並、財産、極貧
こんな職場にいると言うのに全然強面でもない
いるのは偶然な上に雑用係だし
「うちの他の物だと少々目立つからな…お前が適任だ」
想像してみる
黒服角刈りサングラスの男が
お嬢さんに「可愛く!」とか「激しく!」とか指導している絵が出てきた
「ダンス審査員!興味もろたぁぁぁー!!」
BAD!BAD!BAD!
「Yo…今日は…ここまでだ…な…」
うん、これは無い

「そしてお前は雪歩と面識が無いはずだ」
「…はぁ」
確かに俺がここに着てから3ヶ月
お嬢さんの姿をこの家で見たことはほぼ無い
俺みたいな下っ端は家の中枢まで行く事はないし
お嬢さんは少し臆病らしくて俺達の前には姿をあまり見せないと
出入りの用意をしていた先輩が教えてくれた事がある
なおこの先輩
いま病院で生死の境をさ迷っている
「一見普通に見えて、組の人間で、雪歩と面識が無い…どうだ!完璧じゃないか!」
「なにがです?」
「変な事…できないだろ!、なっ!」
がっちり肩を捕まれた
うわぁぁぁ、目が怖い、凄く怖い
「で、でもなれと言われてなれるもんでもないんじゃないですか!?」
ファンの人数分の1の確立
選出は対象のCDを買ってその中の葉書で抽選となる
だからこそ今回のイベントが大きな話題、そして収益になるのだろう
企画者側の意向だってあるはずだ
今から全員総出で葉書を書いても当たらなければそれでパーだろう
そもそも職業欄に俺達は何と書けばいいんだ?
疑問を顔に出した俺に更にアップで語りかけてくる組長
「安心しろ、絶対なれる」
だから怖いって
「いや、でも…」
「萩原組の力…見くびってるのか?」
ギロリ
なんか色々理解したような気もしたが忘れる事にした
とりあえず離れて欲しい

しかし…
俺は組長にも先輩達にも隠してる事が一つある
その隠し事
そのためにこの話は絶対に断らなければならない
「あのですね、くみちょ…」
「大体俺はあのファンと言う奴等が好かん!」
先手を取られた
しかもこれはかなり怒ってるご様子だ
顔がみるみる赤くなっていく組長
「なんだ、飛んだり跳ねたりしやがって!人の娘をゆきぴょんとか呼んで大声で連呼だと!」
…うわーまずい
「いいか!お前がファン代表になって!雪歩を無事にイベント終了まで導くのだ!!」
凄く興奮していらっしゃる
これは目の前にファンなど現れたら一瞬で海に沈めてしまいそうだ
だからこそ…
「いや…だからですね、組長!それは無理なんで…」
「お、おとうさん?」
可憐で一輪の百合の様な声が聞こえた
それが地獄へのカウントダウンの始まりのスイッチでもあったのだが

「ゆ、雪歩!?なんでここに?」
「お、お散歩を…」
お嬢さんが下を俯いて答えている
やはり洒落にならない可愛さだ
野に咲く可憐な花のよう
生でこの距離で見るとまた…
この世の見納めには贅沢すぎるかもしれない
「そのだな、えっと」
肘で俺に「早くどっかに行け」との合図、多分
確かに組長の計画の重要な素材に俺とお嬢さんは「未遭遇」というのがあった
その計画からするとこの遭遇はまずいのだろう
俺だって死にたくない
こそこそとお嬢さんの視界から消えようとする
今、消えればお嬢さんは覚えてはいないはずだ
というより覚えていないでくれ
ください
頼むから
そんな俺の願いもむなしくお嬢さんは
思い出したように声をかけてくださった
「えっと…その…お久しぶりですぅ」
「はい…お久しぶりです」
よりによってこの挨拶
「雪歩?こいつと知り合いなのか?」
「え、えっと、かなり常連で熱心なファンの方で…」
バレタ
「いつも熱心に飛んだり跳ねたりしてくれるから、覚えてたんですよ」
父親である組長の背から少し顔を出して語りかけてくれる
その姿は実に可愛い
こんなゆきぴょんのプライベートスマイルを見れた今日は
ラッキーディであり、最後の幸運でもあるのだろう
「いつも大きな声で励ましてくれたり…あ、ありがとうございますぅ」
「どういたしまして…ゆきぴょん」
半分泣きながら答える
肩に乗せられた組長の手は
獲物をつかむ鷹の爪よりも、引き裂く虎の爪よりも
ずっとずっと凶悪な感じがして
肩にグイグイめり込んで来た

俺…どうなっちゃうんだろう?


続かない












完全番外
L4U発売もうすぐ記念SSです
まあ本当は黒服全員で「ゆきほちゃーん!!」とかやらせるSSでしたが
なぜかこんなのに
F代表の事考えてたらこんな事になりました
お父さんの影響で
「お前ら全員今日から雪歩のファンじゃぁぁぁぁぁ!!!」(本宮風)
「な、なんだってー!!!」(MMR風)
…正直この辺り設定出てないのに
勝手にその道のお仕事とかやってる家にしてしまいました
格闘道場かこれぐらいしか該当しない気もするけど
お弟子さんとか寝床に毒蛇とか
普通ではないお仕事だと思うのですよ
プラチナアルバムの1枚絵とか


さてL4Uが楽しみで楽しみでたまりません
店頭PVすげえぇぇぇぇ!!
白いバトンリーダーっぽい新衣装とか
あれ多分1000ゲイツすると見たね
まあでも!
3本予約のうち1本の里親も決まったし
よかったよかった(財布の金を数えながら)


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kiki)
2011-07-26 03:59:39
こんな時間なのに、SSの後半 声を出して笑ってしまった。
ありがとう。

コメントを投稿