Harmonia

こころとからだのバランスを・・・yoga&color&more・・・

そろそろ覚悟を

2007-11-30 23:58:07 | バスケットボール(青学バスケ部)

立ち上がり直後の打ち合い。

いい試合になりそうだと思った。

「いい試合」。つまりは、真っ向勝負。お互い自分たちの持ち味を出し合う、ストレートな打ち合い。

  

早稲田は根本をスタメンに抜擢し、荒尾のマークにつけた。

そして、いつも各校のセンターとゴール下で争ってきた近森がマークするのは、広瀬。

ドライブを得意とする広瀬相手なら、近森のファウルトラブルを恐れずに済む。

その点で、早稲田はやりやすかっただろう。

だけど。

 

青学を相手に真っ向勝負を挑んでも、今の早稲田では勝てない。

青学と真っ向勝負をするには、今の早稲田は、穴がありすぎる。

 

青学87-66早稲田。

 

青学サイドとしては、かなり不満の残る終わり方だったろう。

終始15点近いリードを保っていたにもかかわらず、スタメン全員をベンチに下げたのはラスト1分になってからだし、試合が終わった後はすぐにストレッチせず、シュート練習をさせていた。

前半45-27という展開からすると、30点近く差をつけて終わらせたかったに違いない。

 

実際、3Qの入りがよくなかった。

これは、中央戦も同じ。

後半の出鼻をくじかれると、流れは一気に相手のものになってしまう。

3回同じことを繰り返しても、女神は微笑んでくれるのか。

   

とりあえずMOM。渡邉、そして小林。

Man Of Matchだから、普通ひとりなんだけど、今日はMen Of Match。

そもそも、通常のMOMとは違った意味合いでの選出。

  

理由のひとつめ。

ここまでの3試合、試合に出た1・2年生が皆、非常にいい働きをしていた。アレクにしても橋本にしても、途中から出てチームに活力を吹き込んでいた。

1・2年生の力があったから、ここまでコマを進めてこられたといってもいいかもしれない。

とりわけスタメンのふたりはチームを支え、牽引していた。

   

おとなしい上級生に代わって、声を出しているのが渡邉。

それはPGというポジション柄もあるだろうが、スターター5人の中で、最もエネルギーを感じる。そして、一番緊張感を感じる。常に集中を切らさないようにしている。

高校時代はどちらかというとシューターだったらしいけど、大学では高速ガードとして脱皮しつつある。

鈴木ノブも速かったけど、渡邉の速攻はそれ以上にスピーディーだ。ドライブで切り裂く力もある。

PGとしては、輝き始めたばかり。だけど、きっともっと輝く選手になる。

  

残り2試合、どこと対戦しても、渡邉がマッチアップする相手は、大学バスケ界屈指のプレイヤー。

でも、渡邉なら臆せず堂々と渡り合うだろう。

渡邉らしく、強気でリードしていってほしい。

  

そして小林。

もしかしたら、今もっとも代えの利かない選手かもしれない。

よく走る。動く。攻守の切替えでは真っ先にフロントコートに走るし、速攻も走るし、ペイントエリアの外からリバウンドに飛び込む。ルーズも飛び込む。

いわば攻守の先駆け的存在。(なのでエンドから渡邉がボールを入れる相手は大抵広瀬だったりする。たまにはボールもらいにいってあげようよ~^-^;)

縁の下の力持ち。2年生がここまで献身的にチームを支えられるのかと、驚かされる。いるといないとでは、安定感・安心感が違う。

リーグの優秀選手賞、当然だろう。

  

渡邉が引っ張り、小林が支えている。

ふたりの存在はとても大きい。

なので、今日までの3試合における貢献度と、残り2試合での期待をこめてのMOM。

 

理由のふたつめ。

このふたりを選ぶには今日しかなかったから。貢献度の高いふたりを選ばずに終わらせたくないという気持ちと。

残り2試合は、上級生がやらないと勝てない試合だから。

ここで上級生が何も出来ないようであれば、優勝なんて出来るわけがない。特に大黒柱。特にエース。

 

荒尾がぴりっとしない。

意識して集中しているのではなく、無意識下の集中でプレイしている感じ。目の前に集中するというより、惰性で集中を維持しているというか。

去年はもっとはっきりした空気をまとっていたと思うのだけど、今年はどこかぼんやりしたような印象がある。

疲労骨折をしていたという情報もあるけど、怪我のせいではないだろう。

肉体的な疲れ?精神的な疲れ?プレッシャー?フラストレーション?

 

そう、気迫を感じない。

去年のブロックショットは気合入れて叩いてる感じだったけど、今年ははたいてる感じ。

「叩く」と「はたく」、この違いかもしれない。

 

スタメン全員が10点以上取れるチームで、誰かを「エース」ということもないのかもしれない。

だけど去年から、岡田優介がいた去年でさえ、私は青学のエースは熊谷宜之だと思っていた。

 

確かに、毎試合数字は残している。

数字は残しているけど、プレイの質が見合っていない気がする。速攻落とすとか、フリーのスリー落とすとか。

 

ディフェンスはいい。速攻も走る。青学らしいプレイヤーになった。

だけど物足りなく感じるのは、やはりスコアラーとしての活躍を期待しているからだろう。

  

岡田みたいなインパクトがないからかもしれない。

1試合を通して平坦な印象。ある時間帯に集中して荒稼ぎすることがないから、エースと呼ぶには物足りなく思うのかもしれない。

そういった、見る側の心理的なものであれば、数字を残している以上、気にすることはないのかもしれない。だけど、本人の気持ちや集中力の問題であったら?

  

私は、熊谷宜之は、もっと怖い選手になれると思う。

 

なので、1・2年生への賞賛と、3・4年生の奮起を期待して、今日は2年生コンビをMOMとした次第です。

ていうかね。

 

明日の対戦相手は、大東文化大学。

春のトーナメント優勝校にして2部リーグ優勝校、そして1部復帰を決めた。

4年生主体で、かつ実力も勢いもあるチーム。

 

なにより怖いのは、彼らは一度どん底に叩き落され、そこから這い上がってきたこと。その過程で精神的に非常にたくましくなっている。

元々個々の持つ能力は高かった。それが磨かれた上に、勝利への飢えが、彼らを精神面でも強くした。

今、彼らは本気で日本一を狙っている。

インカレ出場校の中で、もっとも恐ろしいチームだろう。

 

青学が1部優勝校だからといって、受身になったら負けるし、生半可な気持ち試合に臨んでも負ける。

こういうときよく言われるのが「挑戦者になる」ということ。

受身にまわらず攻めるという意味で、それは正しい。

 

だけどそれとは別に、自分自身に尋ねてみてほしい。

どれだけ、本気で日本一を狙っているのかと。

  

インカレに限らないけど、最後に勝敗を分けるのは気持ち。

勝利への執念と、自分や仲間に対する自信。

 

自分はどれだけ勝ちたいと、日本一になりたいと思っているのか。

そのためにどれだけの練習をしてきたか。

誰もが厳しいと口を揃える青学の練習に対し、自分はどのような姿勢で取り組んできたか。

 

そして覚悟。どんなに厳しい試合であっても、最後まで諦めずに戦い抜くという覚悟。

その覚悟が自分にはあるかどうか。

 

そこで「日本一になるために、これだけやってきた」と、自信を持って言えるなら、大丈夫。どんな結果になっても、決して後悔しないだろう。

 

そしてもうひとつ、思い出してほしい。

先輩たちが積み重ねてきたもののことを。

5年前、2部に降格したあと、1部復帰を遂げるまで、そしてリーグを制し、インカレの頂点を狙うまで、代々の先輩たちがどれほど努力してきたか。練習や試合で、どんな姿勢でどんなプレイをしたか。自分はそこから何を得たのか学んだのか。

日本一は、自分たちだけの目標ではない。代々の先輩たちの願いもこめられているのだと。

それもまた、苦しい時に自分たちの力となってくれるはずだから。

 

いよいよ、佳境。

決して後悔することのないように。自分たちを信じて、最後までプレイしてほしいです。


でも、通過点

2007-11-28 23:59:39 | バスケットボール

青学88-71中央。

 

Man Of Match。竹松。

広瀬でもいいのかもしれないけど、私は、今日は竹松を推したい。

誰もが、今日の活躍は認めるはず。

 

小野龍猛を、よく抑えたと思う。結果的に21点取られたけど、荒尾のいない時間帯の竹松のプレイは評価されていい。

ディフェンスは、きっちり練習した分だけ、実力に反映される。

3年半、竹松が積み重ねてきた努力が、今日の試合に顕れた。

体格がいいから、ちょっとくらいのパワープレイなら負けない。かわしたかに見えても、完全に振り切られてはいなかった。

下級生の時は、佐藤託矢の相手をしていたに違いない。当時は太刀打ちできなかったかもしれないけど、体は覚えていたのかもしれない。

  

オフェンスにしても、臆せず向かっていった。龍猛にブロックされても再び勝負を挑んで、決めてきたり。

技術的な面では劣っても、それで逃げるようでは勝てないから。

そういった意味でも、今日の竹松は重要な役割を果たしたと思う。

MOM。やっぱり竹松だ。

 

でも、3Q残り1分切って逆転された時は、覚悟しなければいけないかもと思った。

ここで4年生が頑張らなかったら、負けると思った。

  

熊谷、頑張った。

全体的にはいまいちだったけど、ここの頑張りですべて帳消しにしていい(と私は思う)。

大事な場面で決めてこそエース。・・・エースというには、やっぱり何か足りない気もするけど。

勝負を決めた、1分間だった。

  

要所で流れを引き寄せたのは広瀬。

2Q、連続3Pでリードを奪った。

4Q、速攻からバスケットカウントを奪った。

声を出したり、プレイそのものだったり、チームを引っ張る様子に、成長を感じた。

1Qでいきなりキレそうになったり、フィニッシュの精度がいまひとつだったり、成長の余地はまだまだあるけど(苦笑)

ドリブルでボール運んでいる姿に、3年前を思い出したり。1年のリーグ2週目に、急にドリブルが上手くなってたのよね。あの頃は、毎週何かしらひとつ、新しいことができるようになってたっけ。大きくなったなあ・・・と、気分はまるで母親(笑)

  

でも、今日は4年生が頑張った。

そして、こういう大事な試合で4年生が何もできなかったら、負けるのが普通。

広瀬と、熊谷と、竹松と。

それぞれが、重要な役割を果たしたから勝った。

それでこそ、最上級生。

 

でも、あえて本音を言う。

このチーム、まだまだ成長の余地がある。

オフェンスの判断が遅い。ボールを持ってから、動きかけて、止まる。それで相手のディフェンスにぴったり付かれてしまう。もったいない。

ディフェンスも、もうちょっとファウルを減らせるような気もする。

このチームは、まだ完成してない。

インカレ優勝は最大の目標。その一方で、どこまで自分たちは伸びるのか、このチームはどれだけ強くなれるのか、挑戦してもらいたい。

そういう意味では、今日の試合も、ひとつの通過点に過ぎない。

 

ともあれ、ひとつの山場は乗り切ったから。

残り3試合、気を抜かずに、ひとつひとつのプレイを大切にしてほしいなと思う。

  

あ、あとベンチメンバーには、もっと試合中に声出してほしい。

去年までの大山登くんのように、ベンチからチームを盛り上げてほしい。

今日久しぶりにベンチのディフェンスコール聞いて、思った。

やっぱり、ベンチも一体となって優勝を掴んでほしいから。

 

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何も書かずに終わらせるには、もったいないチーム。

入替戦のときより、中央はいいチームになっていた。今年1部でも十分通用しただろう。

 

今日の試合、青学が勝ったのは、ひとつには中央の甘さもしくはまずさがあったからだと思う。

ここを抑えて次1本とれば、流れをもってこられるなという場面で簡単にやられすぎたり、ミスが出たり。

パス回しに攪拌されて、ゴール下にノーマーク作らせたり。

それも、試合のポイントになりそうな場面でやっちゃってるから、結構痛い。

だけど目立たないのは、富田や小野が個人技で挽回しちゃうから。だから、ワンマンチームのように見えるのかもしれない。

 

このチームでもう1年やったら、面白かっただろうなと思う。

でも、富田は卒業だ。

  

4年間のうちに、中央の応援はひどいヤジになっていた。

2部落ちした名門。勝ちたい気持ちがはやるあまり、小汚いヤジになってしまうのは理解できるけど。

それで「さわやか中央」なんて垂れ幕掲げられてもねえ・・・。

 

でも、終わったあとの選手たちはさわやかだった。

龍猛が、まず渡邉と(高校の時から何度も対戦してるはず。龍猛は久我山、渡邉は世田学)、それから荒尾や広瀬とも抱き合ったし、他の選手も青学の選手と自然な握手を交わしていた。

そして、最後に客席に挨拶している富田の顔を見たとき。

なんだか、切なくなった。

 

きっと、1部でプレイすることを夢見て、中央に進学したに違いない。

実際の学生バスケは、思い描いていたものとは違ったものになってしまっただろう。

1部復帰という結果は出した。それはそれで満足だとしても。

  

ほんとは、もっともっとプレイしたかっただろうな。

もっと上のレベルで、試合したかったろうな。

このままで終わらせるにはもったいない。富田も、このチームも。

私がそう思うくらいだから、中央の関係者は、もっと思っているだろう。

 

悲願の1部復帰を果たした中央。

富田たち4年生の置き土産を生かせるかどうか。

中央にとっても、今年はまだ通過点に過ぎないはずだから。


おかんむり

2007-11-26 22:25:14 | バスケットボール(青学バスケ部)

青学137‐67新潟経営大。

MOM。荒尾かな。誰かひとり選ぶという試合でもなかったけど。

F陣、もっと荒尾のフォローしてやってほしい。一番代えのきかない選手なんだから、下位回戦は負担減らして体力温存させないと。 明後日は小野龍猛相手だから、結構しんどい。

とはいえ去年よりましかな。ママドゥ、菅谷、譲次、敦也と2M選手と連戦したこと思えば。

だけど、リバウンド以外でも周りはもうちょっと助けてやれるはず。去年はこんなに任せっぱなしにしてなかった気がするんだけど、どうだっけ?

よくも悪くも、4年生の存在感が薄かった。

熊谷にリーダーシップ求めるのは、性格的に難しいから仕方ないとして。 でもあえて言うなら、エースの貫禄が欲しい。その前に速攻外すなって話。…そういや最近、腕立て見てないなあ。

だけど相変わらず、チャージングもらうの、巧いんだよね(笑)

小林がベースを支えてる感じがした。高晃くん。 あと渡辺。いいガードになってきたな。と思った途端テクニカル取られたけど。 でも、いい感じにチーム引っ張ってる。 この2人がいるから、先2年は安心♪

速いパッシングのオフェンスができてるのが良いね。 鈴木ノブの時以上に見受けられる。 皆走ってる感じ。

だから、アレクが目立つ。動かなさすぎ。1年なのに、ひたむきさとか一生懸命さが感じられない。よくも悪くもまだ余裕ありそう。 自分を追い込まないと、伸びないよ。 まあ、まだ1年だし。センスはあるから、あとは本人次第。

試合にでる選手がたくさんいることにもびっくり。よいこと、よいこと♪

でも、全体的に緊張感足りなかった。 緊張感というより、覚悟と言った方がいいかも。日本一に挑戦するという覚悟。そんな簡単ではないこと、上級生は知っているはずなのに。 初戦だからどうこうって話でもないと思う。 一番張りつめていたのが渡辺、次いで小林って感じだったから、ここでもちょっと気になった。

ともあれ、明後日は山場の中央戦。 ゆっくり休んで、ベストのプレイをしてくれることを期待してます。


軌跡

2007-11-25 23:59:06 | バスケットボール(青学バスケ部)

田ヶ谷が残した後悔。

その悔しさを、鈴木はバネにした。力強くチームを引っ張り、1部復帰まで駆け抜けた。

   

大屋と託矢と梶原と。彼らが土台を築いた。失ったものを取り戻すために。

初めてのリーグで2部降格の憂き目に遭った彼らが、最後の年に、再び青学を引き上げた。

 

届かなかった想い。

一方で、得た財産。

だけどやはり、悔いがないといえば嘘になるだろう。

それは、託すしかない。

   

2部降格からここまで描いてきた軌跡。

それを、広瀬はどのように結ぶのか。

先輩たちが引き上げ築いてきた、その過程を肌身で知っている広瀬。

広瀬の4年間の集大成は、広瀬ひとりのものではないように思う。

 

青学の6年の想いが結実するか、あるいは、もっと別のドラマが待ち受けているのか。

2007年男子インカレ、明日開幕――。

 

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何とか、終わりまでこぎ着けました。

昔の日記や記録を引っ張り出して書いてました(苦笑)

広瀬・熊谷ら、4年生については、インカレ期間中から終了後にかけて書く機会があると思います。

あと、もし大会期間中に余裕があったら、今回書けなかった早慶や専修ドリームチーム(長澤・波多野・中川兄弟がいた時)について書きたいですね。

今回は青学を優先したけど、青学以外でもたくさん印象に残っているチームはありますし。

 

ともあれ、ここまですべて読んでくださった方、ありがとうございました☆

男子インカレ、楽しみましょう!


届かなかった想い

2007-11-25 23:26:29 | バスケットボール(青学バスケ部)

明日インカレ開幕ですが、昨年の4年生のことを書かずにまとめてしまうのは、やはり抵抗があります。

 

昨年の4年生というと、まず名前が挙がるのが岡田・正中。ですが、このふたりについては、昨年のインカレで集中的に書きました。

「ふたり」~http://blog.goo.ne.jp/harmonia_philo/d/20061126

「4年間、そして」~http://blog.goo.ne.jp/harmonia_philo/d/20061127

これだけでは足りない気もしますが、今回はこの時に書けなかったことを、改めて振り返ってまとめておこうと思います。

 

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昨年のインカレ最終戦、岡田のバッシュに他の4年生のメッセージが書き込まれていたことが、月刊バスケットボールで取り上げられた。

そのバッシュで、岡田は40分間プレイした。

4年間一緒に頑張ってきた仲間たちの想いを、最後の試合に込めた。

 

試合に出た選手、出られなかった選手、裏で支えたマネージャー。

立場はそれぞれであったけど、4年間、彼らは同じものを見つめてきたように思う。

 

甲斐の眼差しが印象に残っている。

大事な場面では、いつも立ち上がって試合を見つめていた。

その眼差しに込められた思い。

コートの5人を信じていた。

 

最終学年、大山は選手登録から外れた。

1年生が多く入部したため、部員の数が登録人数を超えてしまったのだ。だからといって、最後の年に4年生が外れるなんて。しかし後に人伝えに聞いたところでは、彼は将来指導者になることを希望していたのだという。

だが立場が変わっても、ベンチから率先して声を出す姿勢は変わらなかった。コートの外からチームを盛り立てていた。

そういえば、リーグデビュー間もない広瀬の試合での大活躍に、一番はしゃいでいたのは彼だったように思う。

後輩たちの良き兄貴分でもあったに違いない。

 

宮崎マネージャー。一番苦しい時期に、裏方としてチームを支え続けた。そして今も支え続けている。

青学復活の、陰の功労者。

 

気持ちの入ったプレイでチームを盛り立てた田中、途中入部のハンデを乗り越えた祢津、選手からマネージャーに転身した田口。

少数精鋭の青学において、1学年8人という稀な学年。

入学した年は青学の2部降格1年目。おのずと目標は定められていた。ひとつ達成するごとに、またひとつ、上へと目指すものは高くなっていった。

最後に目指すものは、ひとつしかなかった。

 

インカレ最終戦を終えた後、ベンチ脇で彼らが抱き合っていた光景は忘れられない。

4年間の万感の思い。当人たちにしかわからない、たくさんのことがあっただろう。彼らが共に刻んだ時間の重みは、計り知ることが出来ない。

 

想いは届かなかった。

だけど4年間を通して、彼らは大きな宝物を手にしたと思うのだ。