どうして、届かなかったんだろう。
岡田優介の純粋な思い。
あとふたつだったのに。
高校時代から日本一になることを夢見てきた岡田。
大学でトップに駆け上り、より高みを目指してきた正中。
このふたりには、日本一になる資格があったのに。どうして。
ふたりが同じユニフォームを着て臨む、学生最後の大会。
ふたりが日本一になるのを見たかった。
最後の大会まで、岡田の涙を見たくなかった。
今まで何度も流したからこそ、最後は笑顔で終わらせてあげたかった。
他の誰よりも、最後のインカレに賭けていたであろうに。
想いが純粋であるほどに、痛みが消え去ることはない。
その純粋さゆえに、応援し続けてきた。これからも応援していく。
応援に来てくれた高校のチームメイトたちと、笑顔でタッチを交わしたのは正中。
ストイックな彼は、自分たちの力が足りなかったからと、敗戦を冷静に受け止めたのだろう。そして、さらに上を目指すことを誓ったのだろう。
昨年リーグ優勝したときでさえ、よりレベルアップすることを目標に掲げた。
もしかしたらインカレでさえ、優勝したとしても、彼にとっては通過点なのだろうか。
どこまで行けば、彼は満足するのだろう。飽くなき向上心と強い心。
その行く末を見守っていきたい。
大学で組むことになったのが運命的とも言える、最強・最高のコンビ。
学生ラストゲーム、3位決定戦。
ふたりのすべてを見届けたい。