世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

ポケットのどんぐり

2011年03月19日 08時11分17秒 | Weblog
18日金曜日。
職場復帰。
家庭保育ができる家はそれをお願いしているが、
おおむね子どもは来ている。
節電に心がけ、不要な灯りは消されている。
洗濯も回数を控えている。
今までは食事の後に口を拭くタオルがあって、
それを毎回洗っていたのだが、
タオルではなくて使い捨てのウェットティッシュを使うことになっていた。
これで乾燥機も使わずにすむ。
余震の揺れが怖いので3階でお昼寝はさせない。
1階に降りて寝る。
予測されない停電の危機があるので
子どものお迎えが始まる夕方には随時スタッフも帰るようにする。
土曜に予定されていた卒園式は中止。
その準備に追われずに済んだのはありがたいが、
こんどは急ピッチで新年度の準備。
停電の心配があるため、遅くまで残っての作業ができない。
なんとか保育時間に人員を出してやっている。
子供たちはここ一週間大事にされたせいだろう、
みんな甘えん坊になっていた。
なにかしら擦り寄ってきては絡みつく。
一週間ぶりに再会して、それがうっとおしいがいとおしい。
やはり少し精神的に不安定な子もいる。
今日のリトミックでは稀に見るノリの悪さ。
疲れのせいもあるのか、眠たそうな子が多い。
それかあとはみんな何かふわふわと妙に陽気。
家庭の反応もさまざま。
四国へ子どもを疎開させたというところ。
お母さんは2日に一回東京に帰って仕事するという。
飛行機通勤。それができる財力。
地震が来てもすぐ逃げれるように
パジャマではなく普段着で寝るようにさせたいというところ。
もうすぐ3歳の子供本人もその理由がわかっていた。
「うち、放射線に関してすごくナーバスになっているんです」といって
マスク、フード、手袋としっかり装備してお迎えにきたところ。
本当にこういうときにこそ人柄が出る。
みんなそれぞれ自分の判断でやっている。
私も自分の判断を持つことができた今はもう揺るがない。

今日、仕事着のポケットからどんぐりが出てきた。
11日の日、
子供たちと小学校へ避難して、体育館にいるとき、
一人の子がどこかから出して持っていたものだ。
きっといつかのお散歩のときにコートの中に入れてたのがそのままで、
このときポケットを探っていて見つけたのだ。
手にしたどんぐりを見つめて、こねくりまわしている。
この状況で、どんぐり、というのが妙におかしかったのを覚えている。
そのときは小さい子もいるのでそのどんぐりを私があずかってそれで仕事着のポケットに入れたのだった。
返し忘れていたなあと思った。
このまま返さずに持っていたいなあとも思った。