世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

「お食べなさい」とスイカをすすめられる

2012年08月13日 05時16分25秒 | Weblog
帰省する。
盛りを過ぎて重くなりすぎた頭を垂れてひまわりの一軍がおでむかえ。
ある日誰かが何かの目的で置いていったというミッフィーのぬいぐるみが
愛くるしさとは裏腹の禍々しさで庭の片隅に座っている。
それを「キティちゃん」と呼ぶ母の空恐ろしさ。

夕飯にだされたゴーヤの火の通りが悪くて、
「これ半生じゃん」と言うと、
「うちではいつもこんなもん」と父も母も平然と食べていた。
一緒に住まなくなってだいぶ久しいので
調理の好み、というか、かたさやわらかさの感覚がちがっている。
ゴーヤ、ミニトマト、ピーマン、オクラ、キュウリ、ばかばか採れるらしい。

海沿いに住む祖母のもとへ。
腰の曲がったちいさい身体を車へ乗せてご飯を食べに出る。
メバルの煮付けや茹でシャコなど食べながら、
それにまつわる取留めもない記憶と思い出を語る祖母と母の会話を聞いている。
8人の子どもをつれてお風呂を借りに来ていた隣人がいて、
それを見ていたまだ10代だった祖母は
私は絶対お風呂のある家に嫁に行こう、と誓ったという話。
「シャコをこんっなにたくさん茹でてみんなで食べたよね」
「シャコのゆで汁をそうめんつゆにしたよね」など、
祖母が食べる分のシャコの殻をむきながら母が祖母に話しかける。
「漁師のおかみさん方がカニの爪をよう売りに来よったね」など。
土地柄なんか、うちの家族の特性なんか、
「ちいさいカレイだなあ」「味つけが辛い」「ごはんが多い」と
だされた料理に文句を言いながら祖母も母も全部食べていた。
祖母の家に戻ってスイカをよばれる。
「今年のスイカはみんな美味しい」らしい。おいしかった。
父がスイカの種を出さずに食べていることが発覚。
祖母、母、私から信じられないという顔で見られる。
テレビで最強の柵と最強の鉄球とではどちらが強いのか、
という番組を見ながら過ごす。
鉄球が勝った。柵はへし折られた。

母にパッチワークでスカートを作って欲しいと頼む。
すとんとしたやつ。
ナインピースというパターンがいいんじゃないかとか、
配色はどうするだとか、
長さを計算したり、布を買いに行く算段をしたり。
結局、近所の布屋ではよさそうな布が見つからず、
私がこっち戻ってきた時にユザワヤ行って、
好きな色の布を母指定の長さだけ買って送ることに決着。
明日行こう。

父方の祖父母に会いにいく。
祖父が桃好きであること、父がゲソの唐揚げ好きであること、
知らなかった身内の知識が足される。
弟の赤ちゃんの名前を書いて見せると、
「ずいぶんハイカラな名前だ」と言っていた。
キラキラネームでないことを祈っていた私にとっては
ぜんぜんOKな名前なのだが、やはり感覚がちがう。
それよりも弟と私の筆跡の似方が気持ち悪い。
別に机をつき合わせて勉強してたわけでもなく、
書道なんてどっちもやってないし、
むしろ一緒に住んでたときは筆跡が似てるなんてことなかったと思うのだが、
なんでかわからないけど、今すごくよく似ている。
壁にピンで止めてある弟が書いた甥っ子の名前と、
祖父母に見せるとために私が書いた甥っ子の名前と、
書いた本人ですら見分けがほとんどつかないほど似ている。
どっちかいうと母の筆跡に近い形。
血のこととか、こういう時に強く思う。

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