無頓着の俳句入門

歴史に残る著名な先生方の教えを無頓着が入門書として初心者向けにわかりやすくまとめました

第3章 俳句の文法  3-19 実作の技法(1)

2009-12-10 13:26:03 | 文法編
(1)比喩(たとえ)
類似している事物によってたとえる技法で、他のものをあげて暗示を
与え詩情をかもし出す効果がある。

①直喩(シミリー)
~のように、~のごとくと比較してつなげる技法で明喩法ともいう。
「風のように速し」という類型的な使い方は避けること。
<例句>天を墜つごとく白夜の蝶おちぬ(石原八束)

②暗喩(メタフォア)
隠喩ともいい「何々のごとき何々」のごときを省略して「何々の何々」
と物と物を直接衝突させて新しいイメージを与える技法。
適確な言葉を選ばず安易に用いるは徒に混乱を招くだけ。
<例句>水枕ガバリと寒い海がある(西東三鬼)

(2)反覆法(リフレイン)
一節のある部分を反覆、繰り返す技法。重語・畳語とも言われ、同じ
言葉の繰り返しにより意味を強めたり、ニュアンスを生んだり、リズム
をなめらかにする。
<例句>鰯雲ひろがりひろがり傷いたむ(石田波郷)
<例句>親一人子一人蛍光りけり(久保田万太郎)

以上