無頓着の俳句入門

歴史に残る著名な先生方の教えを無頓着が入門書として初心者向けにわかりやすくまとめました

第2章 俳句の活用 2-2 叙述的な発想はしない(1)

2007-05-15 12:45:49 | 活用編
(1)生命力の強い韻文であること

①17音の短さを武器とする俳句は叙述的発想を受け付けない
 →単なる報告や説明に終らないよう注意する。

②韻(響き)を持った俳句は作者の所在を示すものである
 →風土との合体の上に成り立つ生命力の強い韻文である。

③17音にまとめたらまず口に唱えて調律してみる
 →この方法は発想のための感性を磨くことにつながる。

<原句>放縦に砂に日焼けの少年達
<改善>「砂に」の「に」が重なって韻を踏む→「日焼けて砂の」とする
<添削>放縦に日焼けて砂の童どち

(2)短い文の中に多くの事柄を詰め込まない

①多くの事柄を詰め込むのを技量と取り違えてはならない
→言葉の羅列だけの片言俳句には言葉同士のつながりや阿吽の呼吸の
リズムがない。

②俳句にはひと息に読み下せる歯切れの良さがなければならない
→歯切れの良さは読んだ後にいつまでも余韻の残る快いリズムによって
もたらされる。

③快いリズムは含蓄のある内容や緻密な表現によってなる
→心に深く感じるまで一つの季語や言葉に拘らず組み立てを変えてみる。

<原句>朝東風や手拭干して旅終る
<改善>叙述的でリズム感や余韻がない→「旅の終りの」と余韻を残す
<添削>朝東風に旅の終りの白布干す

以上