(1)俳句の構成図
子規門の高足なる松瀬青々が作品を見極める方法の1つとして
下図のような俳句構成図を考案した。
作った句に不安のあるときは
これに当てはめて見るとよい。
境:場所。季物が今ある境地。
縁:つながり。季物と相応し現れる。
情:働き。季物が縁で起る働き。
季:季物。季節の句を表すもの。
<芭蕉例句>
荒海や 佐渡に 横たふ 天の川
(縁) (境) (情) (季物)
(2)語源をしっかり把握する
①北海道特有の季語に「リラ冷え」(6月)や「鰊曇」(3~4月)がある。
→前者は暖かな風情の中にも肌寒さを感じるもので、後者は鰊の押し
寄せる頃(春)に曇る空を表現したものである。
<原句>喪服着る背にはりつくリラの冷え
<改善>「リラの冷え」では季語とならない→「リラ冷え」とする
<添削>リラ冷えの背に喪服のはりつきぬ
②「露」は夜間気温が下がり大気中の水蒸気が凝結した水滴をいう
→雨の後に草花や樹木に残った水滴は露とは言わず「雨滴」という。
<原句>雨過ぎて露に彩おく濃紫陽花
<改善>「雨過ぎて露」は発生しない言葉→「雨あとの夜の」とする
<添削>雨あとの夜の深みに濃紫陽花
(3)言葉は明解で具体的に
「これほど」「どんなに」「こんな所」「ここにも」等の分量・程度・場所を
表す言葉は読者にもわかるような具体的表現が必要である。
→自分だけにしか解らない言葉は読者には伝わらない。目の前にいない
相手には具体的表現が必要となる。
<原句>これほどのつつじ咲く中亡父眠る
<改善>「これほど」は表現曖昧。「亡父眠る」はくどい→「百千」、「夫眠る」
<添削>百千のつつじ咲くなか夫眠る
以上
子規門の高足なる松瀬青々が作品を見極める方法の1つとして
下図のような俳句構成図を考案した。
作った句に不安のあるときは
これに当てはめて見るとよい。
境:場所。季物が今ある境地。
縁:つながり。季物と相応し現れる。
情:働き。季物が縁で起る働き。
季:季物。季節の句を表すもの。
<芭蕉例句>
荒海や 佐渡に 横たふ 天の川
(縁) (境) (情) (季物)
(2)語源をしっかり把握する
①北海道特有の季語に「リラ冷え」(6月)や「鰊曇」(3~4月)がある。
→前者は暖かな風情の中にも肌寒さを感じるもので、後者は鰊の押し
寄せる頃(春)に曇る空を表現したものである。
<原句>喪服着る背にはりつくリラの冷え
<改善>「リラの冷え」では季語とならない→「リラ冷え」とする
<添削>リラ冷えの背に喪服のはりつきぬ
②「露」は夜間気温が下がり大気中の水蒸気が凝結した水滴をいう
→雨の後に草花や樹木に残った水滴は露とは言わず「雨滴」という。
<原句>雨過ぎて露に彩おく濃紫陽花
<改善>「雨過ぎて露」は発生しない言葉→「雨あとの夜の」とする
<添削>雨あとの夜の深みに濃紫陽花
(3)言葉は明解で具体的に
「これほど」「どんなに」「こんな所」「ここにも」等の分量・程度・場所を
表す言葉は読者にもわかるような具体的表現が必要である。
→自分だけにしか解らない言葉は読者には伝わらない。目の前にいない
相手には具体的表現が必要となる。
<原句>これほどのつつじ咲く中亡父眠る
<改善>「これほど」は表現曖昧。「亡父眠る」はくどい→「百千」、「夫眠る」
<添削>百千のつつじ咲くなか夫眠る
以上