無頓着の俳句入門

歴史に残る著名な先生方の教えを無頓着が入門書として初心者向けにわかりやすくまとめました

第3章 俳句の文法 3-13 言葉の使い方(8)

2009-06-15 13:34:08 | 文法編
(16)接続助詞

上の用言と下の用言を関係付けて上下の文節を接続する。
接続のしかたで順接、逆接、単純接続に分かれる。

①順接助詞(順当な結果に続ける表現法)
イ.仮定順接 → ば
 <例句>小言いふ相手もあらばけふの月 (小林一茶)
ロ.確定順接 → ば、に、ながら、つつ
<例句>みちのくの雪深ければ雪女郎 (山口青邨)
ハ.事実を述べて接続する → ば、に
<例句>来てみれば夕の桜実となりぬ (与謝蕪村)
二.恒時条件を示す → ば
<例句>念力のゆるめば死ぬる大暑かな (村上鬼城)
ホ.同時順接 → ながら、つつ
<例句>春めくと覚えつつ読み耽るかな (星野立子)

②逆接助詞(順当でない結果に続ける表現法)
イ.確定逆接 → ど、ども、に、て、ても
<例句>雪ふるやきのふたんぽぽ黄なりしに (山口青邨)
ロ.単純な逆接 → て、ながら、つつ、に
<例句>粟の穂の太りて軽し秋の風 (松本たかし)
ハ.仮定的強調表現 → とも、ど、ども
<例句>紙ぎぬのぬるともをらん雨の花 (松尾芭蕉)

③単純接続助詞(仮定や確定の条件がなく上下の動作・状態が同時に共存する)
イ.並列・順序を示す → て
<例句>しら玉の雫を切って盛りにけり (日野草城)
ロ.補助動詞結合 → て
<例句>おろかなる犬吠えてをり除夜の鐘 (山口青邨)
ハ.状態を示す → て、して、ながら
<例句>故もなく寧からずして木の芽季 (富安風生)
二.動作の継続・繰り返しを示す → つつ
<例句>欝々と蛾を獲つつある誘蛾燈 (阿波野青畝)
ホ.打消を示す → で
<例句>枯萩のいつまで刈らであることか (高浜虚子)
ヘ.時間的な継起関係を示す → と
<例句>秋ゆくと照りこぞりけり裏の山 (芝不器男)

以上