遺跡好き弁護士の一(はじめ)法律事務所

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星塚1号、2号(天理市)

2016-01-23 22:32:08 | 日記
何故かまたまた天理市です。

近鉄天理線に接した住宅街の中に星塚1号、2号墳があります。
鎌倉時代以前に削平されたようですでに墳丘は失われています。


こういう状況です。
右側が1号墳、左側が2号墳です。見てのとおり、1号墳にも2号墳にも周濠があります。
1号墳は全長約38メートル、後円部は南北約26メートル、東西約27メートルで若干楕円形をしているようです。周濠の幅は6~8メートルです。
前方部の一部が2号墳の周濠によって削り取られています。

周濠内から埴輪、須恵器、土師器が出土し、さらに筒型器台と笛状の木製品が出土しました。

この写真上部にあります。
須恵器の筒型器台は、受け部から脚部まで連続して作り上げられた、この列島では類例の少ないもので朝鮮半島南部で出土される物の陽です。
また、笛状木製品は、一部欠損がありますが、笛としての形状を良く表しており、多分音を出せたんだろうなと推測されます。

なんだか、出土した笛っていいですよね。正に当時の人の息づかいが聞こえてくるようで。
音が出ればもっといいですね。

1号墳は6世紀初頭の築造と考えられています。

2号墳は、ご覧のとおり後円部の南北約27メートル、東西約30メートルを残して消滅しています。
二重の周濠がありますが、この形状からすると前方後円墳であったと思われます。しかし、盾形ではなく馬蹄形なんですね。
墳丘の規模に比して大きな周濠という印象です。

後円部に横穴式石室の痕跡があり、玄室長約4.7メートル、幅約2.3メートル、羨道長約2.3メートルが残存しています。
凝灰岩製の組み合わせ式家形石棺の床部と屋根材の一部が残されていました。
副葬品としては、装飾品、利器、馬具であり、特に金製の垂下式耳飾りやガラス装飾品、鉄刀柄頭でこの柄頭の文様実測図が上の写真にあります。
金銀線の象嵌によって亀甲のつなぎ文を全面に配しており、亀甲の中に向かい合う鳥が描かれています。このような文様構成を持つ亀甲文は列島では類例が少ないようです。
確かに、よく見ると鳥がたくさん向かい合っていますね。
一見鶏に見えますが、鳳凰かな?

2号墳は6世紀前半の築造と考えられています。

・・・・・ということは、1号墳は築造後まもなくして、2号墳築造によって削られてしまったのですね。
意外におおざっぱな方々だったのかもしれません。

現在古墳の後は公園として整備されています。


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