老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

種籾 干し

2016-10-15 15:10:32 | 俳句
         

お隣を訪ねる。
庭に蓆を敷いて、米を干している。お隣は農家である。
来年の米作りの種籾を干しているそうである。

種籾が季語であるか調べる。
秋の季語は  「種採り」「種茄子」「種瓢」   等々
春の季語として   「種浸し」  種物屋」  種蒔き」 「種袋」  等々

「種籾を干す」は独立した季語としては無い。

昨日までの、薄寒かったのが嘘のように、今日は秋晴れである。
干している籾の上に風にふかれて木の葉が舞い落ちる。
錦木や花水木の濃い影が揺れている。

つい先だって訪れたときは軒に胡麻を干していた。
大きな農家は休む間もなく次ぎから次へと、来年の農作業の準備も怠ることなくやっている。
茄子が出来た、枇杷が熟れた、柿が熟れた、蜜柑が色づいた、いちぢくをどうぞ、と持って来てくださる。頂いてばっかり。いつも有り難うございます。
間引き菜と胡瓜を頂いて帰る。(もらいに行ったのではない)

         


     🍒    秋晴るる門ぬちに干す種の籾

     🍒    納屋で鳴る柱時計や胡麻叩く

     🍒    婆と猫目を閉じをりぬ秋日向 

     🍒    籾を干す忙し忙しと庭たたき

     🍒    ばったんこ鳴りたる後の波紋かな

     🍒    錦木紅葉ぬけるといふ空ありにけり 

お隣さんで、はからずも吟行句が生まれた。 
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