老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

身も心も 寒い。

2017-01-15 14:34:28 | 俳句
私の大変お世話になった方が亡くなったと言う知らせがあった。
三日前に九十才の大往生をとげたそうである。
すでに身内の方々で荼毘を済ませ、身内葬をしたそうである。
昨年の暮れにお見舞いをした時は、お元気そうであった。
老人はたとへ病院に入院をして万全の看護を受けていても冬、寒い時にお亡くなりになる方が多いようである。

残された家族もそれなりの覚悟をしていて、安らかに逝かれたお顔であったと言っておられる。

      

讃岐はうどん県。うどんの材料となる麦の畑が多い。
秋に巻いた麦がもう二~三十センチに育っている。

    ☆    人死して焼かるる煙麦の芽に   菅裸馬

日本列島は寒気団に覆われている。
買物帰りに麦の畑を見た。
外は手も顔も感覚を失うような寒さ。
その中で強い風に麦は吹かれながらも、ぐんと踏ん張っている。

亡くなった方が 千の風 になって私の元に来てくれた気がした。
それほどに大切な方の死なのである。想い出すことが多く、元気だった頃のお顔やお声が目に浮かぶ。
麦の芽のように、強くなれと北風に乗って来て、言っているように思えた。
安らかにお眠り下さい。

     合掌

   
コメント
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