経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

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知財戦略コンサルティングの骨格

2008-10-17 | 企業経営と知的財産
 「視点・2つ」のエントリで書いた話の続きです。中小・ベンチャー企業向けの知財戦略コンサルティングの骨格について。知財活動が経営の中で有効にワークしている、すなわち知財経営がうまく機能している状態に至るまでには、次のようなプロセスを経ているはずです。

(1) 企業が何らかの「経営課題」を抱えていて、
 ↓
(2) それが「知財活動」によって解決可能であると判断し、
 ↓
(3) その課題に即した知財活動を「実践」し、
 ↓
(4) 経営課題が「解決」される(「成果」が得られる)。


 もちろん経営はいつも動いていますから、(4)までいったとしてもそのときには新たな経営課題が生まれていて、次の(1)~(4)のプロセスが進行していく。すなわち、(1)~(4)のループを自ら作り出していく力を持っている企業は、知財経営を実践できる企業です。
 これに対して、知財戦略コンサルティングが効果的を発揮するはずの企業には、おそらく次の2つのタイプがあるように思います。
<タイプA> (1)を抱えているけれども、知財活動のことがよくわからないので、(2)以降に進まない。
<タイプB> (1)~(3)をやっているようではあるものの、(4)に至らない。例えば、特許なんか出してもろくなことないよ、ってモードに陥っている。
 そして、知財戦略コンサルティングの骨格。
 タイプAに対しては、まずは(1)→(2)の紐付けをすることが重要な課題になります。ここでは何でもかんでも知財に紐付けてはいけない(というか、広く企業全体をみれば、殆どの経営課題は知財活動では解決できない)。知財で解決できる経営課題を選別すること、すなわち(1)→(2)の紐付けが適切に行われていないと、(4)には至らない。そして、(2)が発見できれば(3)の仕組みを作って、実践する。この流れをうまく作れれば(4)につながる。
 タイプBに対しては、なぜ(4)に至らないのか、(1)~(3)のプロセスがどのように結び付いているかを検証する。例えば、(1)で「経営課題」ではなく「知財の課題(特許出願の件数が少ないetc.)」からスタートしていたとすると、それでは「経営課題」が解決できないのは当たり前です。或いは、(3)の設計に誤りがあるのかもしれない。こうした検証から見つかった問題点を解消して、(4)に結び付けていく。
 要するに、「経営課題」→「知財活動」→「課題解決」の効果的なループを制御する活動こそが知財戦略コンサルティングの本質であると思います。
 そしてこの活動は、別にコンサルティングという形態にとらわれるものでもない。(3)の中の一部である出願代理が本業であっても、(1)~(4)に目を配っていくことは可能であるし、企業の内部でこのループを回す活動をしていったっていいわけです。

 といった整理を、某公的プロジェクトの中で進めているところなので、いずれ詳しくご報告できればと思います。
ジャンル:
ビジネス実用
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2 コメント

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うーむ (ちゃーりぃ)
2008-10-18 00:36:39
企業の知財部に勤務する身として、とても示唆に富んだ記事ですね。

自ら社内の知財コンサルティングが実現できるのか?
そのためには何を考えて実行すればよいのか?
そもそも会社と向きあう覚悟を持てるのか?

う~、踏ん張りどころです。
Unknown (土生)
2008-10-18 02:40:14
ちゃーりぃさん
コメント有難うございます。
「会社と向きあう覚悟」のくだりにちょっとドキッとしてしまいましたが。
たしかに、企業の知財部があれこれ言われるときも、このループのどこかに問題があるのですね。

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