経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

エンジニア・高崎社長の「MPDP」理論

2011-04-07 | 知財一般
 先日のエントリで少し紹介した株式会社エンジニア・高崎社長の提唱されている‘MPDP’について、本ブログで取り上げるご承諾をいただきましたので紹介させていただきたいと思います。
 ‘MPDP’は、
 M = マーケティング
 P = パテント
 D = デザイン
 P = プロモーション

の意味で、大ヒット商品を生むためにはこの4つの要素が揃わなければならない、という考え方です。新人タレントを発掘してスターに育てるまでに喩えるならば、
 M = オーディションで将来のスター・光る素材を探す
 P = 専属契約を結ぶ
 D = 宝塚音楽学校で踊りや歌のトレーニングをする
 P = テレビや雑誌を使って売り出す

というプロセスが必要で、このうちどれが欠けていても自分の事務所から大スターを生むことはできない。何ともわかりやすい喩えで、このように説明されると、ヒット商品を生み出すプロセスにおける知財権の位置づけや必要性がよく理解できます。4Pとも3Cとも違う、商品の企画から販売までの時系列的に沿った流れで必要な要素を確認できる大変ユニークな分析手法であると思います。こうして並べてみると、‘M’や‘(後の)P’には比較的意識がいきやすい一方、確かに‘(先の)P’と‘D’という知財絡みの部分は手薄になりがちであることがわかります。最近のKポップの勢いなんか‘D’がよく効いている感じですし、ここを落とさないことが肝要かと。
 ‘MPDP’の4つの要素は、実は商品開発に限られるというものではなく、商品にせよサービスにせよ新しいものを世に出して事業を起こそうとする際には、共通して必要になる要素なのではないでしょうか。その場合、MPDPの各要素の本質をもう少し広く、
 M = 顧客の欲する商品やサービスを用意する
 P = 優位なポジションを築くための道具や仕組みを用意する
 D = 機能だけに囚われず情緒的な価値を磨く
 P = 顧客に認知されるルートを確保する

といった感じで捉えておくとよいかもしれません。尚、「開発の‘D’が含まれていないのではないか」という指摘があるかもしれませんが、‘MPDP’の中では上記のように‘M’の一部に含めて捉えればよい、というのが私の解釈です。
 自分自身も知財絡みの新サービスを世に出せないものかといろいろトライしてきながら、どれもまともなモノになっていないのが現状ですが、‘MPDP’に当てはめてみるとそれもそのはずであることがよく理解できます。M=「こんなのエエかも」という思い付きで発案し、P=「特許とか関係ないし」というわけでそれ以上の仕組みを考えることもなく、D=パワポで適当にお絵かきしたペーパーを作り、P=2、3当たってみて「こらアカンわ」と諦める。これではスターが誕生するはずがありませんね。
 というわけで、新商品・新サービスの立ち上げに取り組んでいる皆さん、顧客から新商品・新サービスの相談を受けている皆さん、一度‘MPDP’に当てはめてチェックをしてみられては。本家の詳しい解説はこちらにあります。⇒「ものづくり中小企業を活性化する4つの秘訣



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。