経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

右脳と左脳

2006-07-11 | 書籍を読む
 友人の薦めで、「ハイ・コンセプト」を読んでいます。
 要すれば、
■ 情報を的確に処理する機能を担う左脳に対して、全体的な思考力や新しい発想力を司る右脳の重要性が増している。
■ 左脳の役割は、コンピュータ、インド、中国に代替されていく。
■ システムエンジニア、医師、弁護士などの専門職は、左脳的な価値から右脳的な価値を売るようにならないと生き残れない。
■ だからといって、左脳を鍛えなくてよいということではなく、従来同様の左脳の働きを前提に、右脳と左脳で情報をやりとりしながら、創造性のある仕事をすることが重要である。
といった内容です。
 弁理士も、たぶん専門職に属する仕事なので、なかなか他人事では済まされないテーマですね。

 ただ、弁理士の場合にちょっと事情が異なると思うのは、明細書作成などの左脳的なルーチン業務を考えると、言語の問題や、発明の個別性という特性から、コンピュータやインドによって代替することは難しいのではないかということです。よって、弁理士業は他よりも左脳で食べていける期間が長くなりそうな感じですが、それをよしとして左脳型の仕事に満足していると、右脳と左脳のバランスで勝負する他の分野のビジネスマンとの感性の差は、ますます拡大していってしまうでしょう。何とも恐ろしいことです。
 「弁理士はビジネスセンスがない」という評判を耳にすることが少なくありませんが、ビジネスセンスとは全体を把握する力や想像力に関わる右脳的なものだと思います。これはある意味、弁理士業という仕事の性格上、左脳的な業務に埋没してしまいがちなことの帰結なのではないかという気がします。
 弁理士から芸術家に転身しようというわけではないので、「右脳を強くする」ことを目ざすわけではありません。だから、もっと絵を見よう、音楽を聴こうという話とは少し違います。「右脳と左脳が連動する」のが目指すところなので、これは日常の仕事のスタンスから意識していかないと、なかなか実現できないのでしょう。

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

三笠書房

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