磯輪日記

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世界一社風のいい会社を目指しています。

『ザ・会社改造』

2017年06月26日 20時32分15秒 | こんな本読みました

三枝さんとの出会いを書いたまま、少々日数が経過しちゃいました。
続編です。


今年になって、日本ナレッジマネジメント学会東海支部の読書会の課題本に
三枝さんの近著『ザ・会社改造』(三枝さんにしては相当ダサい書名です
よね)が決まりました。

三枝さんの新しい本が出ていることすら知りませんでした。


早速読んでみると、この本も、実際に近年まで自ら社長を務めた
ミスミ という会社で自分が手掛けた会社改造の実話です。

一番感じたのは、

 「三枝さんって、こんなに人の気持ちにまで入り
  込んでやる人だったんだろうか?」

という疑問というか驚きです。

これまでの本は、自分はコンサルタントとして関わった話でしたが、
今回は社長として12年間腰を据えて取り組んだ話ですから、その
差が、アプローチの違いを生むんでしょうか?


いくつか印象に残った箇所を紹介します。

あるタスク・フォースのメンバーの言葉です:

 「社長が我々に『考え抜く』ことを要求しました。
  実は私は『考え抜く』ということがどの程度考える
  ことを意味するのか、自分のなかに基準がありません
  でした。

  ところがこのプロジェクトチームに入って、食事を
  している時も、トイレに入っている時も考え続けて、
  社長のダメ出しを受けて、また考えると言うことを
  繰り返して、やっと社長に褒めてもらえるように
  なったとき、『これが一流の基準なんだ』とわかった
  気がしたんです。

  『考え抜く』ことは、リーダーシップの重要な要素
  だと思います。社長は『経営というものは、それしか
  拠りどころがないんだ』と言っていました。」

『考える』ということを社員に向かって言っていますが、果たして自分は
ここまで『考え抜く』ことをしているだろうかと反省しました。



 「三枝は社長としてこの13年間、『コスト削減』と
  叫ぶ代わりに、ひたすら『リードタイム短縮』と
  叫び続けてきた」

最近、まったく同じことを考えるんです。
『コスト削減』とか『低コスト』というと、思考が停止しちゃうんです。
なかなか深く入り込めないんです。その代わり『時間短縮』というか
『回転率を上げる』と考えると、結構、いろんな発想が出やすい。



 「会社の中で昇進が早い人は、今の自分の部署で『自分が
  ここにいなくても大丈夫』という状態を早く作り出す。
  自分の後継者を早く育てたり、部署外から獲得したりする。
  逆に『自分がいないとこの部署は回らない』『自分はここで
  不可欠な存在』と思っている人の昇進は遅れる。
  なぜなら『あの人を今動かすと困る』と周囲が思うからだ」

意外にやさしいこと言うんですね、三枝さんでも。
わが社だったら、『あの人を今動かすと困る』なんてポジティブに言われ
ないと思いますよ。
さしづめ、

 「あの人、バトンを渡す準備を全然してないジャン」

か、

 「もう水戸黄門なのに、いつまで助さんや格さんの
  仕事してるんだろう」

って言われちゃいますよ。笑


 
 「『強烈な反省論』は『強烈な反省』と異なる。『論』という
  文字が付いている。大声で怒鳴って反省させるような行動では
  なく、クールな論理である。(中略)社員が『そういうことか』
  とわかってくれる論理が必要なのだ」

『反省』と『反省論』の違い、うまく『論』まで高められるだろうか?
自信がないな~


「組織が元気を保つ」2つのキーワード:

 ①『末端やたら元気』
   「組織の上位がリスク志向で元気」というだけでなく、
   末端も・・・ ということですが、『末端』って言葉が
   嫌だな。末端って言うくらいなら、むしろ『先端』だよね。

 ②戦略的束ね
   「上位が決断する方針や戦略ストーリーを皆が共有し、
    優先順位を尊重しつつ、外部競合に対して束になって
    攻めていく」
   って話だけど、これまた『束ね』って嫌いだな。
   理念や戦略に向けて、引っ張るような感じで『尖端』化
   するっていうのがいいな。

 「これら2つのキーワードは両立するのが当たり前だ、と思っては
  いけない。実は、現実の企業組織において、この2つはしばしば
  対立する概念なのである」

   ①と②が両立するのが当たり前と思っている人なんて、ほとんど
   いないと思うな。
   でも本来は相乗効果を発揮させるべき2つの概念です。

   それを実現できる会社が、本物の社風のいい会社です。



本を読んでいると、何度も、何度も、過去の本のいろんな章、箇所が引用
されます。親切心ではあるのだろうけど、



以前の本も売らんかな という魂胆が見え見えで、ちょっとね~


ま、これだけのことを同時並行で実施したんだから、スーパー経営者である
ことに間違いはありません。



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