社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)

国連の女子差別撤廃条約に基づく男女共同参画を強行する女性独裁権力(フェミニズム)の社会病理に言及、コメント欄も充実。

民主主義国家は決して健全な国家ではない --キューバの国家事情から--

2007-10-01 14:32:46 | Weblog

 一昨日、ビートたけしが企画したと思われるある特別番組で、各国の独裁者・社会主義国を特集、紹介していた。番組を全部通して見ていたわけではないので、全体の印象は良くわからないが、私が見た時はカストロ議長率いるキューバについて報道していた。

 その報道によれば、キューバでは教育と医療に力を入れる政策を進め、識字率などの教育水準も向上したという。

 また人家の近隣には必ず診療所が設置され、しかも医療費も無料だそうだ。そして医科大学の学費も無料で、医師を志す人であれば誰でも入学できるという。そのため世界各国から医師を志す留学生が沢山集まってくるという。勿論彼らの学費も無料だ。更にキューバ革命以後関係が悪化している米国からの学生でも決して冷遇されることはないというから驚きだ。

 それだけ医療に力を入れているキューバでは、人口に対する医師数の比が日本などに比べて非常に高い。また戦争など非常時には積極的に世界各国に医師を派遣しているという。

 一方食糧の多くは配給制で決して裕福な国家という印象はなく、貧しい人も多いのだが、それでも国民は一定の満足感を得ていると言えるのだろう。

 教育と医療に力を入れるなど国策の全てはカストロ議長の哲学によるものだが、ここから読み取れる彼の政治理念とは一体何だろうか。

 思うに、彼は国家を統治したからと言って、私利私欲だけを求めて国民を食い物にするような卑劣な根性は決して持っていないと言えるのではないだろうか。何故なら、教育や医療というものは国民の生活保障である。中でも教育は知的財産の提供だ。教養の高い人間が増えれば、政治に詳しい者も増える。だがもしも政治が腐敗しているのなら、それに国民もすぐに気付き、不満の声が高まり、暴動が頻発し、やがて統治者は失脚するであろう。つまり国民に教養を持たせることは、下手な政治は出来ないという意味で統治者から見れば危険なことでもある。逆に馬鹿な国民ばかりなら、統治者は楽だし、ずるいこともやり放題だ。

 従って、敢えて国民に教養を持たせ、知性を高める政策を進めるカストロ議長の精神には、国民と共に発展するという共存意識が宿っていると考えられるのではないだろうか。

 ところで、社会主義や独裁者というと、ナチスや北朝鮮など軍事と直結した悪い先入観で見てしまいがちだが、たとえ独裁政治であっても、統治者に正義感があり、そこで統治されている国民が幸せを感じることが出来ればそれでもいいのではないかということだ。これは番組の中でも言われていたことだ。

 逆に民主主義というと如何にも平和的な印象があるのだが、自由競争と格差社会に翻弄された国民が果たして幸せを感じることが出来ているだろうか。格差社会では負け組が必ず発生する。負け組が出来てしまう社会は憎悪と争いを生み出すだけだ。そんな社会が平和と言える道理などあるはずがない。

 また、フェミニズムのような底意地の悪い卑劣な権力まで台頭させてしまうような民主主義が果たして健全な国家主義と言えるのか。先進国の多くがフェミニズムに汚染されているという現状は、言い換えれば民主主義の欠陥を象徴していると言えるのではないか。

 民主主義=先進国=善、社会主義=後進国=悪、といった誰も疑わないような図式が実は全くの錯覚であったということもあり得るのではないだろうか。日本とキューバの比較だけで安易に判断は出来ないが、果たして民主主義が健全な国家主義と言えるのか再検討してみてもいいのではと思う。

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5 コメント

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Unknown (いぬ)
2007-10-01 15:51:00
本当にいい政治体制とは「絶対に間違わず、正しい選択と実行力がある独裁者による統治」だと思います。
ただそんな人間などいない。
だから一人ひとりが高い公共性と問題意識を持ち、みんなの意見を出して話し合い、方向性を決めていく民主主義が必要となると思います。
しかし現在の民主主義は個人主義に根ざしており、本当の民主主義とはいえない。
というわけで、現代社会において完全なる独裁も民主主義も存在していないので、比べようも無いともいます。
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Unknown (蜻蛉(管理人))
2007-10-02 21:50:00
独裁も民主主義も、結局は上に立つ者の資質ということなんでしょうね。

ですが、権力を握りたいと思う者は得てして何らかの「野望」を持っている場合がほとんどですから。

個人主義というものがやはり諸悪の根源と考えるべきでしょうか。
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Unknown (いぬ)
2007-10-04 07:11:42
独裁は個人主義です。
独裁は「絶対に間違えず、常に正しい選択と実行力を持った」個人の思考による政治です。至高の才能と完璧な人間性が求められます。でもそんな人間はいない。
民主主義は個人の足りない能力を全体で補完していく全体主義ともいえます。だから一人一人の能力より、一人一人の高い公共性と問題意識を持つことが求められ、真摯に議論することが求められる。有権者全員の意識と倫理の高さが必要です。
議会制民主主義など民主主義ではない。封建制度崩壊にともない、貴族が既得権を離さない為に作った詭弁です。
民主主義にとって「上に立つもの」など必要ない。議長がいればいい。議長は代表ではなくまとめる人。だから自己の意見は言わないのものです。
独裁にとって不必要なものは「間違い」と「傲慢」であり、民主主義にとって不必要なものは「個人の利益のみの追求」とブログ主さんの仰るとおり「権力欲」です。
まず、ちゃんと民主主義をやることが先決だと思います。
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Unknown (蜻蛉(管理人))
2007-10-05 11:11:51
>議会制民主主義など民主主義ではない。封建制度崩壊にともない、貴族が既得権を離さない為に作った詭弁です。

>独裁にとって不必要なものは「間違い」と「傲慢」であり、民主主義にとって不必要なものは「個人の利益のみの追求」とブログ主さんの仰るとおり「権力欲」です。
まず、ちゃんと民主主義をやることが先決だと思います。

これらの点、特に重要だと思います。
どんな国家主義も、フェミニズムなどの「権力欲」を絶対に許してはいけないと思います。
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Unknown (Unknown)
2007-10-11 15:45:28
>ちゃんと民主主義
それは村みたいな小さな自治体の話であって日本みたいに1億3千万人を越える人口を持つ国にあなたの言う「民主主義」は実質、不可能です。だから国民の代表が集まって議会を開くわけだが、皆さんお分かりの通り、権力が物言ってますね。派閥とかそういった権力抗争が・・・
結局は上に立つ者の資質が問題なんですよ。

独裁国家もそう。完璧な人間が統治して反映しても人は必ず死にますからね、後継者問題で結局安定しないのです。

>ただそんな人間などいない。
それはわかりませんよ。断言できる事こそ傲慢な考えですな。

民主主義=善と考えるのはいかがなもんかなと思います。共産主義だって出来た当時はその人達にとって善であったが後に失敗した。民主主義も善とは言い切れない。
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