誰が書いたか知らない作文を読む
茶番劇の表明を聞くたび、平家物語の序文を思い出す。
今更申し上げるまでもなく、政を成す方々には十分に心していただき
たいことがおおい。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響き有、沙羅双樹のはなのいろ・・」
この序文に始まる平安時代の語り口は、どなたもご存じのことだと思い
ますのでここでは省略させていただきます。
あの名作の冒頭に、近世の政への警告の全てが表れているように思えて
なりません。
ある方は、強気の発言をなさっていますが、国内事情をどれだけ
ご存じなのかお聞きしたいものです。
国内はもとより対外的には、大事な歴史の認識が全くないように思え
ます。
戦後生まれというと、10歳で世間に触れたとして、早くても先人
たちが食うモノも食わずに立ち上げた戦後復興の中で成長してきたに
すぎません。
当然、歴史認識は薄いでしょうが、国の重鎮や指導者ともなれば、
それは許されない問題で、知らなかったでは済まされません。
ところが戦後の発達の中に生きて、花やぐ世界のいいとこばかりに
埋もれ何一つ不自由なく生きたお方には、残念ながら世界は見えず、
歴史はお分かりにならないと思われます。
歴史を知らずして、人を見ることができないし、国は語れない。