健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

2014年の大晦日

2014-12-31 08:30:46 | 日記
今日は12月31日。2014年も今日で終わりです。今年も1年間、記事を書き続けました。つまり、いろいろなことがあったということです。年初にはSTAP細胞の発見のニュース、その後の大騒動、そしてノーベル物理学賞、STAP細胞の終結、とある意味、激動の1年だったと言えるのではないでしょうか。来年は2015年。よい年にしたいものですね。
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世界の平均寿命は71.5歳に

2014-12-30 08:30:53 | 研究
世界の平均寿命は2013年に71.5歳になったそうです(AFPBB NEWS)。 世界の平均寿命は1990年から2013年の間に、男性では5.8年、女性では6.6年延びたそうです。これは、英国医学専門誌Lancetに発表された「世界疾病負担研究(Global Burden of Disease Study)2013」によるもので、平均寿命が延びた原因は、世界の高所得地域では、がんと心疾患による死亡率の低下で、前者は15%減少、後者は22%減少したそうです。さらに、低所得地域では、下痢、下気道感染、新生児期の障害を原因とする死亡率が急激に低下し、これも平均寿命を押し上げた要因だそうです。ただし、サハラ以南のアフリカ地域だけは、AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)/HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による死亡のために、平均寿命が5年短縮する結果となったそうです。一方、研究結果では、一部の慢性疾患による死亡率が高まっていることも指摘しています。例えば、C型肝炎によって引き起こされる肝臓がん(1990年から125%増)、薬物使用障害(63%増)、慢性腎疾患(37%増)、糖尿病(9%増)、膵臓がん(7%増)など。さらに、インドでは自殺の増加が公衆衛生問題となっており、世界の自殺による死亡の半分がインドあるいは中国で起きているそうです。また、5歳未満の死亡は、1990年の760万人から2013年には370万人に激減したそうですが、下気道感染、マラリア、下痢性疾患が、今なお世界の子どもの死亡原因のトップ5に入っているそうで、そのため毎年ほぼ200万人の子どもが死亡しているとも。
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母親の子癇前症と子どもの自閉症リスク

2014-12-29 08:30:00 | 研究
妊娠中に子癇前症(しかんぜんしょう)と呼ばれる高血圧症を発症していた女性から生まれた子どもは、自閉症や他の発育遅延を起こすリスクが2倍になるとの研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究には、妊娠中に子癇前症と診断された母親を持つ、米国California州北部の2~3歳の子ども1000人以上が参加。研究チームは、正常発育の子どものデータと、自閉症スペクトラム障害(ASD)や他の発育遅延の子どものデータを比較。その結果、子癇前症とASDとの間に、重篤度とともに増大する顕著な関連性があることを発見。さらに、重度の子癇前症と発育遅延との間の顕著な関連性も観察されたそうです。米国では、子ども88人に1人の割合でASDの発症が確認されているそうです。この発達障害の明確な原因は明らかになっていないそうですが、遺伝子や環境、または両方の要因が指摘されているそうです。自閉症は、社会的、感情的、対人関係的な各スキルに困難が生じる原因になり、既知の治療法は存在しないそうです。過去の一部研究には、子癇前症によって胎児から栄養素と酸素が奪われることが、自閉症との関連を生じさせていると示唆するものもあったそうです。子癇前症は、妊娠後期の高血圧症、尿タンパク濃度の上昇、重症の場合はけいれん発作などを引き起こすとされているようです。
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インターネット普及率1位

2014-12-28 08:30:42 | 日記
国連の専門機関、国際電気通信連合(International Telecommunication Union、ITU)の発表によると、携帯電話での接続を含めたインターネットの普及率でデンマークが韓国を抜いて1位になったそうです(AFPBB NEWS)。ICT(情報通信技術)の分析を専門とするITUによると、普及率はデンマーク、韓国に続き、3位スウェーデン、4位アイスランド、5位英国と欧州勢が上位を占めているそうです。アジアで最も普及率が高い香港は、世界順位で9位。米国は14位。一方、下位にはアフリカ諸国が並び、最下位は中央アフリカ共和国だったそうです。ITUの報告書によれば、世界全体のインターネット利用人口は今や30億人を超えているそうです。一方、インターネットを利用していない43億人の9割は開発途上国に居住。ただし14年の途上国での利用率の伸びは、先進国の3.3%を上回る8.7%となっているとも。
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大腸がんの浸潤・転移促進機構

2014-12-27 08:30:57 | 研究
消化器がんは、がんの中でも最も死亡率が高いようです。特に肝臓や肺へ転移しやすく、このことが死因となっているため、その機序の解明および予防・治療法の確立が急務となっているそうです。今回、大腸がん転移抑制タンパクAesが減弱・消失することで起きるNotchシグナル伝達の活性化が、Trioという巨大なタンパクの特定のチロシン残基のリン酸化を起こし、下流のRhoタンパクの活性化による大腸がん細胞の浸潤・転移を促進することが明らかになったそうです。新規治療法確立へ向けた重要な成果ですね。
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抗生物質薬剤耐性の影響

2014-12-26 08:30:22 | 研究
英国政府が委託した抗生物質への耐性についての検証によると、薬剤耐性の影響により、2050年までに毎年世界で1000万人が死亡する他、各国の国内総生産(GDP)が2~3.5%減少するそうです(AFPBB NEWS)。抗菌薬耐性による死者数が最も多くなるのはアジア地域の470万人、アフリカの410万人、欧州では39万人、米国でも31万7000人。また死亡要因として2番目に多いとされたのはがんで、2050年までに年間820万人に上ると推計。今回の検証によると、肺炎かん菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌については、すでに薬剤への耐性獲得の兆候を示しているそうです。米国では、年間約2万3000人の死亡例および200万人の疾患に抗生物質の効かない感染症が関係していると指摘されているそうです。また抗菌薬耐性による年間の経済的損失は、直接的な医療コストの超過で200億ドル(約2兆3800億円)、生産性の低下で350億ドル(約4兆1600億円)と試算されるそうです。
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心臓内幹細胞自家移植療法の第1相臨床研究

2014-12-25 08:30:11 | 研究
左心低形成症候群に対する心臓内幹細胞自家移植療法の第1相臨床研究を実施し、冠動脈注入法による幹細胞移植法の安全性と心不全治療における有効性を確認したという論文がCirculation Researchに掲載されたそうです(財経新聞)。左心低形成症候群は、左心室が異常に小さい単心室症の一つで、重度の場合は「心臓移植」しか治療法がなくなる場合も少なくないそうです。しかし、日本では小児の脳死ドナー(臓器提供者)の数が少ないという課題が。研究では、2011年1月~2012年1月まで合計14症例の左心低形成症候群に対して、標準外科手術+細胞治療群(7人)と標準外科手術単独群(7人)に分けて第1相臨床研究を実施。細胞治療法では、心臓組織約100ミリグラムを採取し、幹細胞を抽出して10日間培養した後に、冠動脈へカテーテルで注入。その結果、細胞移植を行った7症例では、外科治療単独群に比べて、心臓の機能が8%以上有意に改善していることが分かったというもの。なお、安全性に関しては、細胞移植時における急性虚血や致死的不整脈の惹起作用、そして移植した細胞によるアレルギー反応や造腫瘍作用は起きなかったとも。今後は、本治療法の標準医療化に向けて2015年以降に企業主導臨床治験を実施する予定だそうで、先天性心疾患患者の心機能を向上させ、心不全を繰り返すことなく過ごすことができる治療法の確立が期待されているそうです。
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妊婦のプラスチック化学物質への暴露

2014-12-24 08:30:53 | 研究
プラスチック製品や化粧品、芳香剤などに含まれるごく一般的な化学物質に、妊娠期間中に高レベルでさらされた女性の子どもは、そうでない子どもよりも知能指数(IQ)が低くなる傾向がみられたとの研究論文が、PLOS ONEに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。研究によるとフタル酸ジブチル(DnBP)とフタル酸ジイソブチル(DiBP)の痕跡が高かった母親の子どもは、同物質に低レベルさらされた母親の子どもと比べて、IQが平均で6ポイント低かったということです。フタル酸ジブチルとフタル酸ジイソブチルは、乾燥機用の柔軟剤シートやビニール素材を使った生地、口紅、ヘアスプレー、マニキュア液、一部石けんなどに含まれているそうです。米国で、フタル酸エステル類を含んでいるかどうかを記載している製品は、ほとんどないとも。さて、日本ではどうでしょうか。
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新たな大学入試

2014-12-23 08:30:07 | 日記
昨日、大学入試改革を議論している中央教育審議会(中教審)が、大学入試センター試験に代わり、知識の活用力をみる新共通試験を導入するよう文部科学相に答申したという報道がありました(日本経済新聞)。現行の入試が知識偏重に陥っていると指摘した上で、受験生の能力を多面的に評価する手法に抜本改革し、大学の個別試験も面接や小論文などによる選抜に変えることを求めたというもの。新共通試験は、現在の小学6年生が大学受験予定の2020年度から導入する予定だそうです。実現すれば、1979年の共通1次試験導入以来の大きな改革。注目ですね。
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てんかんを軽減する

2014-12-22 08:30:35 | 研究
遺伝性てんかんの一つである常染色体優性外側側頭葉てんかんの原因がタンパク質の構造異常に基づくこと、そして異常タンパク質を修復することでてんかんが軽減することが明らかになったそうです(財経新聞)。これまでに知られているヒトのてんかん原因遺伝子の多くは、神経細胞間の情報伝達を担うイオンチャネルタンパク質で、抗てんかん薬の多くはイオンチャネルを標的として開発されてきたそうです。ですが、一部のてんかん症例ではこれら薬剤だけではコントロールが難しい場合もあり、新たな治療戦略が求められているそうです。今回の研究では、遺伝性側頭葉てんかんの原因遺伝子LGI1の遺伝子変異を「分泌型」と「分泌不全型」に分け、これらの変異を持つモデルマウスを作成。その結果、分泌型変異マウスでは、LGI1は細胞外に分泌されるものの受容体であるADAM22との結合が特異的に阻害されていること、そして分泌不全型変異マウスでは、LGI1はタンパク質の構造異常のために細胞内で分解されてしまい脳の中で正常に機能するLGI1が減少することを発見したそうです。さらに、タンパク質の構造を修復しうる低分子化合物が分泌不全型LGI1の構造異常を改善させることを明らかにしたそうです。シャペロンが再度注目されるようになるのでしょうか。
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