二人のピアニストに思う

gooニュース、注目のトピックスで「フジ子ヘミングがNHK斬り」を見て自分でもブログを作り、発言したくなった。

終戦の日とメデイアの無見識

2008-08-14 14:04:18 | ニュースの見方
今月6日、9日は夫々、広島、長崎の63回目の原爆の日なので、
例年のように、現地では犠牲者慰霊平和祈念式典があった。

今年は、犠牲者の中で最も有名な永井隆博士の、生誕100年に当る。
今も生存し記念式典に参列している原爆体験の年代の老人達の表情には、本当に自分の人生を懸けた悔しさが滲み出ている。

新聞もテレビも一応例年同様に、原爆反対のコメントは流すが、アナウンサーの表情などからは、私はどうしても真摯な心情を感じる事はできなかった。
これは仕方ないこととも思う。
彼等は生まれた時に既に、戦争どころか、「『戦後』さえも終わっていたし」、当然、『戦中』のことは話に聞いても、実感は伴わないので、理解・吸収には限界があって当然である。

処で、7日にNHKスペシャルで紹介された米国人、ジョー・オダネルの物語は感動的であった。
この様な人の戦争反対の思いは、現在の日本のTVアナウンサー等とは違って、心底からの思いの籠ったものであるのがひしひしと伝わってくる。

日本による真珠湾攻撃に腹を立てて志願兵になったような人物であるオダネルが、占領軍の写真記録班員として長崎の原爆被害状況を見て回る内に、戦争の実情に衝撃を受け、
本来の任務では禁止されている日本人の姿を写し、
個人的にそれを数十年に亘り秘匿した経緯、
さらにその息子が父親の志を受け止めて開いた写真展
の物語である。


本当の平和運動とはこうしたものだと思う。

小学生くらいの男の子が幼児の妹を背中に背負って焼け跡を歩く姿、恐らくは家族の大人達が全て死んでしまって子供だけが残されたのであろう兄弟の写真、
を見ると、この子たちはその後どうなったのかと思わずに居られないし、この様な事態を生じた『戦争』というものに心からの怒りを覚える。


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  [A-78]:日本民族の合理性と東条首相(3)

に見るとおり、日本でも昭和17年のミッドウェイ敗戦以来は負けが決まっているあの戦争を何とか早く終結して平和を取り戻そうとする動きはいろいろとあった。
特に昭和19年になっては、皇室でも昭和天皇以外の、高松宮、三笠宮、他の皇族、それから重臣政治家、軍人、民間人にも多くの人達の懸命な努力があった。
それにも関わらず、結局終戦への努力は、実を結ばなかった。
それどころか、昭和20年8月15日の終戦の為の玉音放送が決まってからも、尚、これを妨げて戦争を継続しようとする連中がいた。


この連中が、東京大空襲、広島・長崎の原発の犠牲を生んだ、最大の責任者である。
昭和18,19年に戦争が終結していれば、硫黄島も、ビルマも、満州引揚げも、犠牲者は出なかった。



今月6日、9日の原爆の日の新聞・テレビの論説でも、この点に触れたものがなかったのは、日本のメデイア人種の限界である。
原爆を投下したことが良いとか、悪いとか、言う前に
其処まで無謀な戦争を続けた連中jが居た事を述べ、
自分らメデイアが戦争中にその無謀を咎めなかったことの
反省を述べるべきである。



人間には持って生まれた資質の差があるので、賢愚の差は仕方ない。
大多数の平凡な日本人は、戦争中には理解できなかったが、戦後の平和な社会を見て戦争中の己の間違いに気付き、思想転換した。

しかし、戦後半世紀以上も経っているのに、未だに、あの誤りに気付かぬ石頭が居る。
東条の遺族の中にもいろいろな人物が居るが、先般の靖国騒動のときに発言し。物議を醸した孫娘等は典型的な鈍感である。

更に言うならば、
戦争を継続して、ソ連に火事場泥棒の所業を許し、樺太・北方四島を失い、北海道も危うくし、朝鮮半島の現状を作り出して拉致被害者を産み出したのも、あの戦争を指導した連中の責任である。

機会あるごとに、それらの責任を明らかにして、権力者の反省を促すのがマスコミの仕事である。
それが仕事である筈のメデイア人種が戦後も一貫して反省がないのが、終戦記念日に指摘するべき最大の問題である。


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例えば、全世界の首脳が集まる中で、唯一人日本の首相だけが出席しなかった国際的慰霊祭が二度あった:

  ▲[A-5]: 国連常任理事国を目指す前に
にある話である。

あれは日本の無見識を全世界に示す、恥ずかしい逆宣伝であったが、メデイアはそれを伝えなかった。

北京オリンピック開幕に日は、懸念されたフランスのサルコジ氏を含めて全世界の首脳が集まった。
長崎原爆の日であったから、日本の首相はどうするのかと思っていたら、開会式へ出席してから自衛隊機で一時間で長崎に戻り、原爆犠牲者の慰霊祭に出席した。
本当はオリンピックは欠席して長崎に行き、時間を充分に時間を使うべきであった。

今回全世界の首脳が集まる中で、唯一人日本の首相だけが欠席するのは、
唯一の原爆被爆国だから反原発をアピールする絶好の機会であったのに、
惜しい事をした。


しかし、新聞でもテレビでも、この様な意見は皆無であった。

丁度、前の二回の日本の首相のみ欠席を伝えなかったのと同様に、
メデイア人種が無見識だからである。

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1 コメント

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Unknown (M.FUKUSHIMA)
2008-08-24 16:13:04
TBいただきました。なかなかの迫力ある文章、感服しました。ご意見、同感ですね。なぜ最近になってあなたの言う石頭たちがうるさくなったのでしょうか? 不思議な話です。
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