首都リマから、パンアメリカン道路を通って北へ2時間ほど行くと、チャンカイ町に着く。
海に面している。
ここには農業をやっている、80歳になる友人がいる。
アルトゥールというが、10年ほど前、車を運転中に強盗に襲われた。
拳銃を発砲される寸前、身体をひねり、弾丸が左腕に当たり、ケガだけですんだ。
彼の住居は海を見下ろすあって、崖の上に建っている。ここは昔、ごみ捨て場だったという。時間をかけて、きれいにし、
立派な家を建てた。
眺めは最高だ。
畑をやっている。大きな畑だ。
いろいろな果物をやっているが、趣味でブドウを作り、ワインまでつくった。
ワインの専門家を招いて、本格的に400本つくったという。売り物ではないが、友人たちに配った。
それを2本いただいた。
サインもしてもらった。
HUARALと書いてあるが、ワラルはチャンカイの隣町で車で20分程度だろうか、首都リマの食物倉庫になっている。
残念ながら、お酒はすべてダメなので、家族に飲んでもらうことにしよう。
彼が、質問があるという。
「死んだら、火葬を希望しているが、どう思うか」
というのだ。
日本人には火葬は普通のことなので、疑問にすら思わないが、ペルーでは棺桶のままだ。
「火葬は衛生的だし、自分の性には合わない」
そう付け加えた。
日本の事情を話しただけだが、ペルーの親しい友人に相談すると、火葬がよくないと言っていたという。
なにか宗教的な事情があるのかわからないが、
たぶん、死んだら終わりだろうとだけ言った。