ある旅人の〇〇な日々

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「男はつらいよ」

2005年07月22日 | Weblog
来月、NHKBS2で渥美清の「男はつらいよ」全48作品が放映される。1969年の第1作「男はつらいよ」から1995年の第48作「寅次郎紅の花」まで。最終作から10年記念というところかな。

朝日文庫の「沖縄報告復帰後」の冒頭は「なぜ寅さんが沖縄に来ないのか」で始まる。沖縄県マスコミ労協事務局長が大船撮影所の監督山田洋次を訪ねたときの言葉である。それが契機となり、1980年の第25作「寅次郎ハイビスカスの花」ができた。監督は米軍基地のフェンスや米軍機の数カットで基地を表現した。このときのシーンで寅さんは、バスの中で眠っていた。なにしろ政治的にも社会的にも背景のない娯楽映画だからだ。

(左から第25作、第32作、第29作、第48作)
小生は、48作品のうち半分も観ていないだろう。それもテレビで放映されたものだ。人気シリーズ映画になったのは、おそらく渥美清の属性の良さがいちばんの要因だろう。現実にはなくなった人情味への共感、選ばれるマドンナ役への関心、寅さんの同じ失恋パターンへの安心などもあるだろう。それらを演出した監督もすばらしい。テレビシリーズの「コロンボ警部」に通じるものがある。視聴者には冒頭で犯人が分かり、コロンボ警部が勘で犯人を割り出し追いつめるという毎回同じパターンは安心して観ていられる。

テレビで録画して保存しているのは、25作「寅次郎ハイビスカスの花」、29作「寅次郎あじさいの恋」、32作「口笛を吹く寅次郎」、48作「寅次郎紅の花」の4作品である。観た中でいちばんいいのは「寅次郎あじさいの恋」である。マドンナ役はいしだあゆみだった。ロケは京都、敦賀、鎌倉で何回観ても面白い。「男はつらいよ」のような長いシリーズの映画はもうできないだろう。西田敏行のハマちゃん釣りシリーズは面白くない。

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