ある旅人の〇〇な日々

折々関心のあることや読書備忘を記録する

古本村構想

2008年06月30日 | Weblog
よそのブログを何気なく見ていると古本村のことが書かれていた。(http://asiashorin.blog69.fc2.com/blog-entry-271.html)
そこには「イギリスにある古本の町“ヘイ・オン・ワイ”のような『本の町』を、いつか日本にもつくりたいなあ~なんて夢想していた五十代のおじさん達が...昨年7月、長野県の山峡の町・高遠の杖突街道沿いに一軒の古本屋をオープン・・・」と。
小生も、古本村に関心があって、以前、日記に書いたことがあった。それを改めてこちらにコピーしておこう。
--------------------------------------------
「季刊 本とコンピュータ 2002冬号」:トランスアート

小生、18年前にロンドンのある古書店でチラシを得た。ウェールズのヘイ・オン・ワイという古本村を宣伝したものだった。キャッチコピーは「百万冊の古書」だったと思う。それを読んで行ってみたいと思ったものだった。
(ヘイ・オン・ワイのHP:http://www.hay-on-wye.co.uk/index.htm

この「本とコンピュータ」という雑誌に、メインではないがその古本村のことが載っていた。文芸評論家の岡崎武志氏のエッセイである。
過疎化が進んだ村を1961年にリチャード・ブースが古本屋を始めることで村おこしをしたというもの。今では約40軒の古本屋が集まり、ヨーロッパ中から本好きが観光に訪れているという。
(ブースの半生を描いた本「本の国の王様」:http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/20020224/2.html
その村おこしがヨーロッパ各地に伝播し、スイスのモントルーを始め、10カ所以上に古本村ができたそうだ。

岡崎氏は、ベルギーのアルデンヌ地方にあるルデュ(Redu)の古本村を訪れ、その様子や体験を述べられている。
この村は、1980年代初め、廃村寸前となったが、元ジャーナリストが古本屋を開業した。彼がヘイ・オン・ワイを訪れたことがきっかけだったという。それが、今や23軒の古本屋が軒を連ね、年間20万人の客が訪れている。
レストラン、ブティック、製本屋、パン屋、民宿などもできているのだ。

面白いものとして、均一台があり、一冊1~3ユーロ(1ユーロが120円)で売られているそうだ。
客はリタイアしたような老夫婦が多いようだが、店の主人もそういった素人ぽい人たちだという。
(ルデュのHP:http://users.skynet.be/redu/

日本にも、「古本村」ができれば話題になる。第一号はどこになるだろうか。
(2003年2月15日)
--------------------------------------------

閉塞と自粛

2008年06月20日 | Weblog
■河道閉塞
地震による土砂崩れでできたダムや湖の呼び名がいっぱいあって気になる。四川大地震のとき、地震学者が「地震湖」と言っているのを初めて聞いた。それから岩手・宮城内陸地震までの間に、震災ダム、地震ダム、せき止め湖、土砂ダム、土砂崩れダム、自然ダム湖など勝手にマスコミが表記しているので落ち着かない。意味が分かれば問題ないのだが。本来は、学術用語として「天然ダム」があったようである。それは自然にできた美しいダムと間違われるというので国交省が「河道閉塞」と変更したという。腸閉塞みたいであまり使いたくない用語である。センスが良くない。
余談だが、ヒマラヤ山系では「氷河湖」が問題になっている。温暖化で従来の沢の池が水量が多くなって湖になってしまった。これが決壊の恐れがあるという。
四川大地震の報道がほとんどなくなった。どうやら中国政府が報道規制を行っているようだ。やはり元の中国に戻った。河道閉塞の河川は復旧したのだろうか。

■深夜営業の自粛
エネルギー節減のためにはコンビニやスーパーの深夜営業を止めればいいと思っていた。埼玉県がその自粛を要請するというニュースを聞いた。だが業界は猛反対。店舗の照明は消せても冷蔵庫などは稼動させないといけないのでほとんど電力節減にならないという。それに深夜の配送を昼にシフトすると車の燃料消費量が増えるという。深夜営業を止めれば人も動かなくなるのでエルギー節減になると思うのだが。ライフスタイルを変えよう。
電力節減といえば、自動販売機が多すぎるのでこれを減らせば相当な節減になると思う。自宅付近には数十メートルおきにあるほどだ。マンションにも置いている。要らないよ。

地球温暖化の真実!

2008年06月14日 | Weblog
今月の7日と8日にNHKテレビが長いエコ番組をいくつも流していた。セレブで美しい藤原紀香夫人や永田農法で知られる糸井重里氏が出演したり、イベントも各種行われていた。他のブログ記事を眺めるとそれらの番組に批判的なものが多い。エコロジーという宗教があるなんて茶化す知識人もいる。「地球温暖化は二酸化炭素濃度の上昇による」ということを信じてしまうことを宗教みたいだといっているのだ。紀香夫人は海に沈む噂のあるツバルまで取材に行き、糸井さんは飛行船に乗ってくつろいで何やらしゃべっていた。
もちろんこのエコ番組のテーマは地球温暖化である。スタジオに老若男女を大勢集めて地球環境の現況を教えて日常生活でできるエネルギー節減を気付かせているものもあった。啓蒙番組といってもいいかもしれない。そのなかで南極の各年代の氷の気泡に含まれる二酸化炭素濃度を分析したデータと各年代の気温に明かに相関が見られるグラフを提示していた。こういう相関があるから今の人間の活動による二酸化炭素の排出量を減らせば気温を下げることができることを視聴者に納得させたいようだ。
このグラフの出典を調べてみた。東北大学理学研究科のホームページに「南極の氷床コア」というのがある。そこに詳しく述べられている。南極の氷をボーリングして34万年前からの氷に含まれる気泡を分析した結果がまとめられている。まさに地質年代的なスパンのデータである。現在は第四間氷期であるが第一間氷期から始まり、三つの氷期を経ている。気温、二酸化炭素濃度、海面位置の折れ線グラフは見事に相関がある。地質年代的な気温の変化は太陽の活動の変化によるといわれている。まず気温の変化があって、その後、二酸化炭素濃度が変化するようである。間氷期に気温が上がると二酸化炭素濃度も上がる。その二酸化炭素は温室効果があるのでさらに気温を高める。この折れ線グラフをみると現在の温暖化は自然のものか人間の活動によるものか判断できない。第四間氷期の現在の気温は他の間氷期の最高気温に比べて2℃から3℃も低いのである。したがって二酸化炭素排出量を削減しても温暖化を阻止できないかもしれない。温暖化が進んでいるのは事実であると思う。北極海の氷が減少し、ヒマラヤ山系の氷河も後退している。日本も毎年暖冬だし、農作物の栽培適地は北上している。

(ドームふじ氷床コアより得られた過去34万年にわたる大気組成の変動)
(上段:気温 中段:二酸化炭素濃度 下段:海水面)

海水面は陸上にある氷の量に応じて変移する。ヒマラヤやグリーンランドの氷河が後退しているので海水面も緩やかに上昇していることだろう。紀香夫人が番組のために訪れた南太平洋の諸島ツバルは果たして沈んでしまうのであろうか。映像では海岸線が後退し、庭から海水が湧き、ナツメヤシの木が枯れて倒れている。しかし、それは現地に長期滞在した人によると(※)、首都フナフチがある島だけの現象だという。第2次世界大戦中、米軍が滑走路を建設するため、島のあちこちから土砂を採取したという。さらに戦後も政府の用地を造成するため、土砂を採取し埋め立てた。加えて道路の建設のためサンゴ礁を掘削して骨材として用いた。だから島が沈んでいるのだという。周辺の島々は問題ない。ただアルピニスト野口健さんによるとフナフチに近い無人島もナツメヤシが倒れているそうだが。ツバルは沈み行く島の象徴になっているがこのあたりを明らかにして欲しい。サンゴ礁の島といえば沖縄八重山に竹富島や黒島など低い平らな島があるではないか。海面が上昇して困っていると聞いたことはない。ノーベル平和賞を受賞したゴアさんの「不都合な真実」によると今世紀末には海面は6メートルも上昇するという。実際は20センチ程度らしい。
「二酸化炭素排出量削減で地球温暖化を阻止でき、ツバルも沈まない」というのは宗教かな。

天国に一番近い島ツバルにて

氷の微笑

2008年06月11日 | Weblog
近所の古市にDVD「氷の微笑1・2」のツインパックがあったので購入して観た。あのシャロン・ストーン主演のお色気サスペンス映画である。原題は「BASIC INSTINCT」(基本本能)である。
「氷の微笑1」は1992年の作品である。シャロンが演じるのはセクシーでセレブな犯罪小説家キャサリン・トラメル。シャロンはこの作品で有名スターの仲間入りした。冒頭の性行為クライマックスでのアイスピックによるメッタ刺しと警察署での尋問でのシャロンの脚を組み替えるシーンが話題になった。小生は封切りから数年後、ビデオを借りてみた。確かにスリルとお色気があってストーリーの展開も速くて面白かった。
2年前に「氷の微笑2」がつくられ、駄作だと言われていた。実際みるとそうでもない。場所はサンフランシスコからロンドンに移っているが、似たようなストーリーである。冒頭もポルシェでロンドンを性行為に耽りながら疾走しテムズ川に突っ込むというものでスリルがあった。ただ、シャロンの容貌が衰えていた。その間に14年の歳月が流れているのでやむを得ないだろう。
1958年生まれのシャロンはすでに40代後半。「氷の微笑1」のときは34歳だったが、きれいだった。85年に「キング・ソロモンの秘宝」、92年に「トータル・リコール」に出演しているが、あまり目立たなかった。「氷の微笑」では存在感ある女優だった。適役だったのだろう。94年のシルベスタ・スタローンと共演した「スペシャリスト」もよかった。

そして今月になって突然、中国でシャロンがボイコットされているという記事を読んだ。発端は、カンヌ映画祭で香港の記者のインタビューに応じて「四川大地震はカルマのせい」と発言したこと。
シャロンはチャリティ活動を積極的に行っている女優なので中国での慈善活動も考えていたようだ。そういった話の流れの中でダライ・ラマと親交もあり仏教思想をかじっていたのでカルマ(業とか因果応報)という用語が出てきたのだろう。香港の記者はそこを強調して記事にしたために国を挙げてのボイコットになってしまったようだ。シャロンも話す時期と言葉を選ぶべきだったかもしれない。
シャロンはクリスチャン・ディオールの化粧品モデルにもなっているので今度はディオール商品の不買運動にまでなってしまった。チベット暴動後のカルフールに対する不買運動は、今回の地震への3億5千万円の義捐金で英雄扱いにされ不問となっている。中国とはそういう国である。烏合の衆化するので怖い。
ただ中国の若手作家の韓氏がマスコミの取り上げ方や国を挙げての行動を批判している。こういう自分の意見を冷静に述べる人が増えれば徐々に中国も変わっていくのだろう。

ガラパゴスの危機

2008年06月06日 | Weblog
この前、NHKテレビ番組でガラパゴス諸島を特集していた。いつの間にか危険遺産に登録されてこのままだと世界遺産のリストから外されることになるという。ガラパゴスは生き物の宝庫の代名詞としても使われてきたのに。”東洋のガラパゴス”というように。従来の生態系が相当に変化している。
原因は、人口の増加、外来種の持ちこみ、密漁が取り上げられていた。エクアドル政府が自然保護政策を怠ったことも付け加えられる。人口増加は観光客が増えたことでエクアドル本土から職を求めて移住してきたことに起因。サンタクルス島は空港もある観光拠点だがそこの生態系破壊が著しい。廃棄物は焼却されず山の中に捨てられ、フィンチという小鳥に虫が寄生して減少が見られるという。ウミイグアナが産卵する砂浜もなくなり、産卵を迎えたイグアナが海岸をウロチョロして芝生の上に産卵している。これでは絶滅してしまうだろう。他の島々にも山羊が持ち込まれ、それが野生化して大繁殖して植物を根絶やしにしている。ゾウガメも危機的である。それを防ぐためにヘリコプターから山羊を射撃して駆逐している状況。外来種は山羊のほかに千種もいるというから驚く。密漁は高級食材のナマコが対象になっている。
数年前、ガラパゴスでは観光入域者数を制限して、靴底まで洗って上陸させ、歩ける領域が決められていたのに、このような状況になってしまった。居住者への対策が不充分だったようだ。人口減少策に転じたようだが難しそうだ。
ガラパゴスは世界遺産登録第一号である。ダーウィン先生も草葉の陰で泣いているだろう。