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ドラマ「華麗なる一族」

2007年02月16日 | Weblog
先月からTBS日曜劇場の番組で放映されている山崎豊子原作の連続ドラマである。すでに半分の第5話まで終わった。キムタク主演なので毎回の視聴率が20%を超えている。
TBS日曜劇場「華麗なる一族」
1960年代の神戸を舞台に万俵財閥の一族の葛藤や愛憎を描いて面白い。時代背景は大蔵省主導で金融再編が行われ、銀行の吸収合併が画策されようとしているころ。万俵財閥の中心である阪神銀行は、全国の都市銀行のなかで第10位にあり、政府への積極的な働きがなければ飲みこまれる運命にある。そこで閨閥など利用し、手段を選ばず、「小が大を飲みこむ」戦略に出るのだ。万俵財閥のもうひとつの主要企業はキムタクが専務である阪神特殊製鋼である。高炉建設で銑鉄を自社で供給しようと計画し、銀行融資を受けるために必死である。阪神銀行のモデルは神戸銀行、阪神特殊製鋼のそれは山陽特殊製鋼である。神戸銀行は太陽銀行と合併し、太陽神戸銀行になったが、山陽特殊製鋼は過大設備投資で倒産している。これからのドラマの後半は、阪神特殊製鋼の倒産とキムタクの破滅に向かって行く。

小生、昔、「華麗なる一族」の映画を観たことがある。万俵大介を佐分利信が演じていた。万俵鉄平は仲代達矢、妾の高須相子は肉感的な京マチ子だった。他は覚えていない。
万俵大介と万俵鉄平の葛藤はどこから来ているかというと、鉄平が大介の反対を押し切って、経済学部ではなく工学部へ行ったことである。もうひとつは、鉄平が祖父の子ではないかと疑っていることだ。鉄平が祖父に似ているのだ。キムタクに似せて描いた祖父の可笑しな肖像画、そして似た仕草も。邸宅の池に棲息する将軍と呼ばれる大きな錦鯉はキムタクが手を叩くと水面に現れる。祖父が手を叩いたときしか現れなかった将軍が。
財閥の一家は確かに外見は華麗であるが、妻妾同衾(3P)や閨閥づくりや裏切りなどで中身は腐っている。
柳葉頭取とキムタクが山で猟をしているとき、イノシシが襲ってくるシーンがあったが、あのイノシシの動きは変だった。肖像画、将軍、イノシシは話題になるほど三大可笑しいもの。

万俵一族の主な俳優
・木村拓哉(阪神特殊製鋼の専務・万俵鉄平)
・鈴木京香(万俵家を取り仕切る女執事・高須相子)
・長谷川京子(閨閥結婚ながら、鉄平と真実の愛を貫く妻・万俵早苗)
・山本耕史(クールな次男・万俵銀平)
・山田優(銀平の妻・安田万樹子)
・相武紗季(恋愛結婚を貫こうとする次女・万俵二子)
・仲村トオル(大蔵省のエリートにして、切れ者の男・美馬中)
・吹石一恵(閨閥結婚で愛の無い生活を送る、万俵家長女・美馬一子)
・原田美枝子(万俵家の子供を育て上げて来た母・万俵寧子)
・北大路欣也(万俵一族の家長であり阪神銀行のオーナー頭取・万俵大介)

キムタクのギャラは6千万円といわれるが、その他の俳優も主役級なので全体のギャラは相当なものだ。スポンサーはどこなのだろうか。山崎製パンが便乗して「華麗パン」なるものを販売してよく売れているそうだ。これはスポンサーではないだろう。TBSは採算が取れるのだろうか。DVDボックスはどの程度売れるだろうか。
頭髪一九分けで「だいたいやね」という評論家の竹村健一は山陽特殊製鋼の調査担当の管理職をやっていたそうだ。辛口評論家の佐高信によると倒産前に逃げ出したらしい。
ちなみに太陽神戸銀行は太陽神戸三井銀行になり、現在は三井住友銀行である。神戸はすっかり飲みこまれてしまった。

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