つれづれの記

日々の生活での印象

新東京都知事  その後

2016年09月30日 22時44分15秒 | 日記

2016年9月30日(金) 新東京都知事 その後 

 

 大きなニュースがあると、時間の経過は早くなると感じるようで、この夏の7月31日(日)に実施された都知事選挙で当選した、小池百合子知事が、矢継ぎ早に出てくる諸課題を、精力的にこなしているのには驚かされ、瞬く間に時間が過ぎていくようだ。

本稿は、当ブログの下記記事

   新東京都知事  (2016/9/6)

の続編として、その後の経過を、取り急ぎまとめたものである。

 

◇パラ輪 フラッグセレモニー

 9月18日(BST)のパラ輪の閉会式で、次回2020年の開催都市である東京を代表して、知事は、リオのバエス市長から、車椅子のIPCクレイブン会長の手を経て、パラ輪旗を受けとった。今回の知事のいで立ちは、軽快な黄色の洋装であった。

        (ネット情報より)

  9月21日には、五輪旗、パラ輪旗が、活躍した選手たちによって、都庁前で、早速、お披露目されている。また、11月1日からは、両旗を都庁2階に展示公開するという。 

また、10月8日からは、複製旗が、都内の、全区市町村と、東北の被災地の三県などを巡回する、フラッグツアーが計画されているようだ。

 

 ◇築地市場の豊洲移転

 知事は、築地市場の豊洲への移転時期を、11月7日に移転するとしていたこれまでの計画を、地下水のモニタリング調査の最終回の結果が判明する、来年1月頃に再度判断する、と正式に延期を表明して、あわただしくリオに向かったが、この前後に、建設済みの豊洲新市場の敷地の建物下部が、盛り土されておらず、コンクリートの箱の空洞になっていて、水が溜まっている新事実が発覚したのである。

 以前、豊洲への市場移転を検討した専門家会議(平田健正座長(放送大和歌山学習センター所長))は、敷地全体に盛り土することを都に提言したようだが、それを受けた都は、理由は不明だが、建物の地下は、盛り土せず、コンクリートの空洞にして、施工されている。

 このように変更した理由ははっきりしないが、工事費を節減する、工期を短縮する、問題発生時の作業空間を確保する、等が考えられるだろうか。

発覚当初は、筆者は、表向きは提言通りに実施したことにして、裏で都と業者間で癒着していたのではと、手抜きも疑ったがーー。

     

 上図のように、石原都知事の時代に、豊洲の敷地や建築物の基本部分は決まっているようだが、元知事だけでなく、市場を担当する責任者である、代々の市場長も、マスコミのインタビュー等では、建物地下の構造については、報告を受けていなかった、把握していなかったと、部下の実務担当者の判断で行われたとしている。

知事や市場長等は、本当に知らなかったのか、知っていても嘘をついているのか、ハンコを押して決済したのは誰か、ーーーは不明である。

 都庁内部での、土木部門と、建築部門間の、意思の疎通が悪く、情報の共有が行われていなかった(今も いない)とも言われる。 

 ガバナンスの問題として見ると、上下関係で責任者にしっかりと知らされず、横の連携もないままに進められてきたということで、責任の所在が曖昧で、責任者としての自覚も希薄という、日本のお役所仕事の典型でもあろう。

今日30日の、知事の定例記者会見でも、この案件に関する内部調査結果が発表されたが、何時、誰が決めたのか等は、明らかには出来なかったようで、想定通りである。

都の、黒字で巨大な財政規模が、このような組織風土を生んできたのだろうか。

 

 犯人探しも必要だが、最も肝心なことは、新市場の安全性はどうかということだ。現状の空洞のままでいいのか、埋め戻す作業の可否と効果はどうなのか、今後の地盤や地下水の推移はどうなるのか、などが問題となろうが、今後、後述する関係組織や会議等で、精力的に検討が進められよう。 

 問題発覚後、以前の専門家会議が再招集され、平田健正座長は、現地を視察した上で、溜まった水の安全性は問題ない等とコメントしている。

 一方、知事は、これらの緊急の課題に対処するために、9月23日の定例記者会見で、外部の、8名の専門委員からなる「市場問題プロジェクトチーム(PT)」の人選(座長 小島敏郎 元環境省審議官)を明らかにし、この29日に、第1回会合をスタートさせている。 取り急ぎ、PTの中間報告をまとめるという。

下図は、豊洲市場移転の鍵をにぎる両座長が、17日に、共同で会見しているもの。

 (ネット情報より)

  市場問題PT 小島座長      専門家会議 平田座長

 

 現築地市場の老朽化は進んでいて、果たして、いつまで大丈夫だろうか。空調設備なども不十分で衛生的にも問題があり、スペース的にも狭隘という。

そんな状況下で、市場関係者の総意と工夫と努力で、ここまで運営してきたということで、日本の産業文化の塊とも言える、築地ブランドが確立しているようだ。

 筆者は、築地市場に勤めていた知人の案内で、早朝、現地の内部を見せてもらったことがあり、職場が築地地域にあったことで、場外市場にはよく出かけたことだ。

 

 そして、ショッキングなニュースだ!

昨29日、都から、最新の8回目の地下水のモニタリング調査の結果(8月末頃サンプル採取)について、一部から、環境基準値を上回る、ベンゼンとヒ素が検出されたと公表されたのである。

モニタリングする地下水は、建物の周囲の敷地の201地点に、やや深い揚水井戸を掘り、そこから採取するようだが、3地点で、環境基準値を超えた有害物質が検出されたようだ。以前、敷地内から、基準値の43000倍ものベンゼンが検出されたことがある。

 (ネット画像より)

 

   井戸  検出物質  検出値      基準値     検出値/基準値

   井戸1 ベンゼン  0.014mg/L 0.01mg/L    1.3倍

   井戸2 ベンゼン  0.011        0.01       1.1倍

   井戸3 ヒ素     0.019        0.01       1.9倍

 

 このような事案が生じると、この程度では安全性には問題はない、などという声がでてくる。基準値は、有害物質を含む水を、70年間(一生涯)飲み続けた場合の危険性という、あり得ないようなケースのようだが、でも、基準値は基準値として、尊重しなければなるまい。

 

 筆者だけでなく、知事を含めて、地下水のモニタリング調査は念のため、位に思っていたと推測されるだけに、今回の事案は、建物の地下の空洞に溜まっている水以上に、関係者には大変な事態と言えるだろう。

2年前から続けられている、これまでの7回分のモニタリング結果は、すべてOKだったとされてきたが、実際は、いい加減な測定で、都合の悪い結果は隠ぺいしていたのでは、との疑問すら湧くところだ。(今回だけは、真面目にやったからNGが?) 

 地下水の動きは、福島の事故原発でのように、土木の門外漢には、よく理解できず難解なのだが、抜き差しならぬ事態なのだろうか、そんなに深刻に考える必要は無いのだろうか、仮に移転した場合の風評被害も怖いところだ。

複数ある専門家の集まりの場で、検討・評価と対策が、速やかに出てくることを待つしかない。 

 

 

◇都政改革本部のスタート 

 9月1日に、都政改革本部を発足させている。メンバーは、外部の有識者14名と、都庁の局長クラスで構成されているようだ。

有識者メンバーは、10名の特別顧問、2名の特別参与、2名の特別調査員からなっていて、特別顧問の上山慶応大教授が、有識者メンバーの統括となっている。

詳細は不明だが、上山氏と他の4人の特別顧問は、都の公的な組織の構成員となるという。

 

  そして、前稿で触れたように、本部内に、以下の2つの調査チームを設置している。

*情報公開調査チーム

  原則全ての情報を公開することが有効として、公開される資料や、一部非公開とされている現状の改善を検討する。

*オリンピック・パラリンピック調査チーム

  東京大会の予算の全体像を明確化し情報公開する。

  都が負担している予算の使途や、出資している組織の活動をチェックする。

  早速、昨29日、知事に対して、3競技会場についての見直しの提言がなされたようだ。

 

知事の、30日の会見では、3つ目の調査チームもできたようだが未確認である。 

 

◇自民東京都連と衆院補選

  先の都知事選で、党の公認候補を擁立し、大敗した自民党東京都連は、責任をとって、石原伸晃会長(衆院議員 東京8区)、内田幹事長(都議 千代田区 ドン)は、8/4に辞任したが、その後、都連の役員は、 

  会長  下村博文衆議院議員(東京11区)

  幹事長 高島直樹都議(足立区)

等に決まったようだ。

 知事選で、公然と党紀違反者となった、小池候補と、応援した若狭勝議員(東京 比例)の処分問題の処理は残されたままである。

  また、小池衆院議員の都知事選立候補で、欠員となった、東京10区(豊島等)の補欠選挙は、10月23日に投票が行われるが、候補者の擁立だが、なんと、上記の若狭氏が、都連だけでなく、自民党の二階幹事長も了承の上で、自民党の公認候補として、補選に立候補するという、びっくりポンなニュースである。

政治家の言動や行動は、あてにはならず、己の利益のためにはなんでもあり、という見本のようだ。(自民・若狭勝衆院議員、東京10区補選出馬の意向表明

これを受けたのか、ネットの都連のサイトでは、これまでは、若狭氏は、国会議員としては削除されていたのだが、いつの間にか、復活している!

一方、小池候補を応援した、自民党都議7名は、現在も、離党勧告を受けたままのようだ。

 小池知事は、政経塾(希望の塾)を立ち上げるとして準備を進めているようで、この動きは、知事の、自民党都連や都議団に対する牽制球にも、ジェスチャーにもみえる。

 来年に行われる都議選や、想定される国政選挙に向けて、旧来の党派にとらわれない、新しい感覚の政治の動きや勢力の誕生を、期待したいものだ。

 ◇都議会

 9月28日から、16日間の都議会が始まったが、築地市場や、オリンピック関連、都政の改革等、山積した諸問題が審議される。TV(YOKYO―MX)でも、都議会の様子が中継され、所信表明を視聴したところだ。これについては、改めて取り上げることとしたい。

 裏取引ではなく、ガラス張りで公表しながら、有言実行で進める小池都政に期待したい。時の人である、知事本人の健康が最も気がかりだが、多忙で厳しい環境の中で、気遣いと笑顔を忘れない柔軟さが嬉しい。


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