事実は映画よりも奇なり

乳がんで余命2週の告知もキリスト教の27歳の裏千家師範は延命薬で百八夜を内鍵付きの病室にて戦うも・・・

花椿

2009年09月29日 00時02分43秒 | 朝顔 「椿灰」 

 【十一夜 ☆家族】 から

≪火を点ける囲炉裏の灰は絹みたい かじかむ手をも早や温めて≫
   
無意識の意識で自分の首を斬る。
噂の源ともなれない妻に母で誰にも相談できなくしてしまう。
家庭を守る打開策も打ち出せない私たち家族四人は、てんでんばらばらに行動しだす。
夫の転勤で近所に引越してきていた実妹にも感染して、実家に寄り付かなくなった。
女三人寄れば・・・と言われるが、悲惨な病室とその異常な家庭と院長の変態ぶりを、自分たちの間でも秘密として一つの物事の例外なく語り合わなかった。余りの異常さは思考の範囲を超えている。人間とは思えない世界と獣の嫌らしい部分は頭から追い出すのが一番の薬だ。

わたしは私で〝彼女の秘密〟を他言しないように念を押していた。
 時の私は恐ろしかったと思います。
内幕を暴露できない。三人三様だった生活リズムを基礎から破壊した。
言うに言えない封印はトラウマを形成して、日々の生活へと屈曲したまま歪み具合で生かす。注意事項もない。

・・・・・・・・・・・・・・・

姉妹に話を戻します。

この、彼女が搬送された深夜、姉は私に通報しようとされたらしい。
院長が止めた。尤もらしい意見。〝私の家庭を引き合いに出して〟
ですから、能天気に私の夢は静かな朝で顔を洗っている。
この夜、約束どおりに訪問して聞くのですが、姉とも会えないままに過ぎていくのです。

それっきり、彼女に、自分の家に立ち返れる機運は舞い込まなかった。
近寄る死期に、せめて〝家を改造して連れ帰りたい〟と希われるが、担当医の許可は下りなかった。

私が見舞いを止められていたことは既に投稿しました。
が姉は、この夫の陰謀を全く知らない。
この世に女した欠かせない意識の妹へと、姉は考えられる。
絶代の姉妹愛を完遂させる無意識の行動には、悪辣が冷や汗かく画技が幾つも存在した。
が、その全てが夫に筒抜けでは、その全てで夫は邪魔できる。
 
見舞いにも来ない私。
練り上げる夜明けへと咲き勝る夢の心の素養がある生身の妹に、姉の激情は、
「(私から)」
と言われて〝バラの花束〟を妹に見せられた。
が、嘘だと、すぐに見破られた。

〝見舞いに来てくれるように(私に)頼もう〟とも考えられた。
しかし〝強制しても妹には分かってしまう。そんな見舞いなんて妹がかわいそう〟
ここでは普通に落ち着いて思い切られた。
 断ちしておられた姉でもある。