「死神の使者 DEATH MESSENGER」
製作:1991年
●それは、うだるような暑さが続いていた日のこと…。暴力団・阿久津組が縄張りにしている繁華街に、謎多き男・石橋凌が現れた。彼は岡田真澄の経営する古ホテルに宿泊すると、事情通のホームレス・高品格や、売春婦の桜樹ルイから阿久津組について聞き込みを開始していく。
彼はなんのために阿久津組へ接近しようとしているのか? 実は石橋は、10年前に両親を阿久津組によって殺された過去を持ち、その復讐の為に街へ戻ってきたのだ。ただ、警察の資料によると石橋は既に死んだとされている。では彼は一体…?
両者の争いは激化の一途を辿り、戦いは敵の経営するカジノから本拠地へと移動。石橋に思いを寄せるバーのママ・岩崎良美を巻き込みつつ、いよいよ最後の決戦が始まろうとしていた。幹部の倉田保昭、組長の八名信夫らが待ち構える中、たった一人で銃弾の雨に飛び込んでいく石橋であったが…。
Vシネマが市場を拡大しつつあった90年代初頭は、多くのスターや大物俳優がビデオ・フィルムに登場しました。本作は俳優に転向して間もない頃の石橋凌が主演を務めており、寡黙な主人公を凄みたっぷりに演じています。
ストーリーは典型的なハードボイルド調のアクション作品で、作中の描写もハードボイルドさが徹底されています。無口な主人公、港に面した繁華街、情報屋の浮浪者、場末の酒場のママなど、この手の作品には無くてはならない要素やイメージが大量に溢れかえっているのです。
ここまでベタな描写ばかりでは逆にコントになりそうなところですが、本作は手堅くクールな感じにまとまっており、意外なラストにも驚かされました。…でも、主人公があまり後先を考えずに行動するせいで、やたらと味方サイドに犠牲が出てしまう展開だけはどうにかして欲しかったですね(特に桜樹の死がほとんど蛇足だったのは×)。
しかし、ストーリーよりも個人的に気になっていたのは倉田さんの存在でした。本作での倉田さんは阿久津組のナンバー2として中盤あたりから登場し、憎々しげな表情で石橋をいたぶったりと存在感を発揮。組長が八名信夫なので、『少林寺VS忍者』再び!なツーショットも披露してくれています(笑
ただ、倉田さんは最後しかアクションを見せず、その内容も彼の持ち味を生かしたとは言いがたいものとなっていました。とにかく終始モタついてる感じで、最後のどんでん返しも決定打が解らず不明瞭。対戦相手の石橋も奮闘していますが、いきなり草刈り機を持ち出したりする変な演出などが目に付き、あまり燃えないバトルと化しています。
それまでの銃撃戦や格闘シーンは割と良かっただけに、最後の最後で消化不良なマッチになったのは残念でなりません。『となりの凡人組』もそうでしたが、やはり当時のVシネ業界は倉田さんを持て余していた…ような気がします。
製作:1991年
●それは、うだるような暑さが続いていた日のこと…。暴力団・阿久津組が縄張りにしている繁華街に、謎多き男・石橋凌が現れた。彼は岡田真澄の経営する古ホテルに宿泊すると、事情通のホームレス・高品格や、売春婦の桜樹ルイから阿久津組について聞き込みを開始していく。
彼はなんのために阿久津組へ接近しようとしているのか? 実は石橋は、10年前に両親を阿久津組によって殺された過去を持ち、その復讐の為に街へ戻ってきたのだ。ただ、警察の資料によると石橋は既に死んだとされている。では彼は一体…?
両者の争いは激化の一途を辿り、戦いは敵の経営するカジノから本拠地へと移動。石橋に思いを寄せるバーのママ・岩崎良美を巻き込みつつ、いよいよ最後の決戦が始まろうとしていた。幹部の倉田保昭、組長の八名信夫らが待ち構える中、たった一人で銃弾の雨に飛び込んでいく石橋であったが…。
Vシネマが市場を拡大しつつあった90年代初頭は、多くのスターや大物俳優がビデオ・フィルムに登場しました。本作は俳優に転向して間もない頃の石橋凌が主演を務めており、寡黙な主人公を凄みたっぷりに演じています。
ストーリーは典型的なハードボイルド調のアクション作品で、作中の描写もハードボイルドさが徹底されています。無口な主人公、港に面した繁華街、情報屋の浮浪者、場末の酒場のママなど、この手の作品には無くてはならない要素やイメージが大量に溢れかえっているのです。
ここまでベタな描写ばかりでは逆にコントになりそうなところですが、本作は手堅くクールな感じにまとまっており、意外なラストにも驚かされました。…でも、主人公があまり後先を考えずに行動するせいで、やたらと味方サイドに犠牲が出てしまう展開だけはどうにかして欲しかったですね(特に桜樹の死がほとんど蛇足だったのは×)。
しかし、ストーリーよりも個人的に気になっていたのは倉田さんの存在でした。本作での倉田さんは阿久津組のナンバー2として中盤あたりから登場し、憎々しげな表情で石橋をいたぶったりと存在感を発揮。組長が八名信夫なので、『少林寺VS忍者』再び!なツーショットも披露してくれています(笑
ただ、倉田さんは最後しかアクションを見せず、その内容も彼の持ち味を生かしたとは言いがたいものとなっていました。とにかく終始モタついてる感じで、最後のどんでん返しも決定打が解らず不明瞭。対戦相手の石橋も奮闘していますが、いきなり草刈り機を持ち出したりする変な演出などが目に付き、あまり燃えないバトルと化しています。
それまでの銃撃戦や格闘シーンは割と良かっただけに、最後の最後で消化不良なマッチになったのは残念でなりません。『となりの凡人組』もそうでしたが、やはり当時のVシネ業界は倉田さんを持て余していた…ような気がします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます