功夫電影専科

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『無敵のゴッドファーザー ドラゴン世界を征く』

2013-08-29 23:21:01 | 倉田保昭
「無敵のゴッドファーザー ドラゴン世界を征く」
原題:香港小教父
英題:Little Godfather From Hong Kong/The Godfather Squad
製作:1974年

▼本作は梁小龍(ブルース・リャン)と倉田保昭が対決した2度目の作品として知られていますが、私としてはレンタルビデオ店の悲喜こもごもを初めて味わった、思い出深い映画だったりします。
最初に私が本作と出会ったのは、今から9年ほど前の話。近所のレンタル店で発見し、すぐに会員登録して借りに行ったのですが、次に来た時は店舗整理によって消滅…(号泣)。再会できたのは4年後のことで、県外の店でようやく発掘しました。
ちなみに現在、近所にあった店はまだ営業していますが、ビデオソフトは軒並み撤去。県外の店はクリーニングショップに変わり、当時の面影は完全に無くなってます。あそこは『カンフー風林火山』とかレア作品が置いてあったのになぁ…(遠い目)。

■ある麻薬組織の依頼により、暗殺者集団のカルロ・ファミリーは麻薬捜査官を次々と殺害していた。しかし香港で映画スターの梁小龍に阻止されてしまい、顔に泥を塗られたファミリーは大激怒!標的を梁小龍に定め、映画撮影と称して彼をローマに呼び寄せた。
現地に在住していた梁小龍の兄は「すぐに帰れ」と警告するが、翌朝になって死体となって発見された。怒りに燃える梁小龍は、お供の孟海(マン・ホイ)とともにファミリーへの仇討ちを誓うのだった。
戦いは日に日に激しさを増し、ローマの街は血と銃弾に染まっていく。保険会社社員のシャーリー・コリガンをも巻き込んだ死闘は、最後の刺客・倉田の登場によって最終局面へと移るのだが…。

▲さて、四苦八苦の末にめでたくゲットできた本作ですが、内容に関しては少々イマイチでした。なにしろストーリーは梁小龍が延々と敵の刺客を叩きのめしていくのみで、他に目立ったイベントが起きないからです。
梁小龍&シャーリー&共演女優との三角関係、ファミリーのボスと溺愛する実子の関係など、膨らませば面白くなりそうな要素もあるのですが、どれも顧みられることなく物語の中に埋没しています。
 また、空港で取材が殺到するような大スターが命を狙われ、街中で殺し合いを演じているのに平然と映画撮影が続行されるなど、核となるストーリーもあやふやな印象を受けました。そもそも、兄が死んだその日に普通に観光してる場合じゃないだろっ!(笑
アクションも不発で、倉田以外に梁小龍に太刀打ちできる人間が1人もおらず、迫力に欠けています。その倉田とのラストバトルも、ロケーション効果こそ絶大ですが、殺陣は『帰って来たドラゴン』より乱雑に感じます。
 『帰って来た~』は魅力的なキャラクターや明るい作風、そして出演者たちの体当たりアクションが見事でした。しかし本作はそういった点を受け継ごうとせず、ただただ単調で陰惨な物語に終始してしまったのです。
スケジュールや無許可のロケなど、いくつか障害があったのは解りますが、残念ながら失敗作と言わざるを得ません。呉思遠(ウー・セイエン)作品としてもワーストに近いけど、梁小龍VS倉田の対決だけは一見の価値アリ…かな?

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