現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

奇跡の復活「オークラウロ」

2012-04-09 15:51:26 | 尺八・一節切

オークラウロ」は、ホテルオークラの創業者「大倉喜七郎」が
考案・制作した幻の楽器。フルートを縦にし、尺八の歌口を
つけたもの。「金管多孔尺八」だ。
「大倉(オークラ)」と、古代ギリシャの縦笛の名「アウロス(Aulos)」
をあわせて、「オークラウロ」と命名された。

大倉喜七郎は、実業家で、日本屈指の趣味人であり、カーレース、
やゴルフ、囲碁、洋楽、舞踊、義太夫、地唄、長唄、常磐津、清元、
河東節、新内、小唄など邦楽全般に通じた。昭和初期には新邦楽の
「大和楽(やまとがく)」を創設。尺八にも夢中になり、フルートと
尺八を合体させた新楽器「オークラウロ」を創案した。

「オークラウロ」の試作はロンドンのルーダル・カルテ社に依頼し、
昭和10(1935)年に公表された。京橋には、オークラウロ協会が
設けられ、『オークラウロ教則本』(古賀一聴著、1936)の刊行、
楽団による定期演奏会も行われた。 奏者としては、大倉聴松
(喜七郎本人)、荒木和聴(4代目荒木古童)、福田真聴(福田蘭童)、
菊池淡聴(菊池淡水)などがいた。

「荒木古童」家に伝わったものとされる「オークラウロ」を
私は20年前、ジョン・海山・ネプチューンの家で見た。
現物の歌口は、フルート本体と同じ金属製で、歌口の角度が
浅いため、吹きづらい。そこで、ネプチユーンは「竹の尺八と
同じ歌口」を継いで、器用に吹きこなしていた。

その他にも、慶応高校の同期の者が「祖父のもの」として
見せてくれたことがあっが、これは「弁」が壊れていて
使い物にならなかった。

さて、「大倉集古館」で「オークラウロ」を復元したのか、
2011年8月~9月に大倉集古館主催で「大倉喜七郎と邦楽―
“幻の竪笛”オークラウロを中心に―」が開催された。

この展覧会の併催イベントとしてオークラウロのコンサートが
行われ、今年年1月には オリジナルアルバム『オークラウロ
 Okraulo
』が発売された。演奏は小湊昭尚(オークラウロ)
・保坂修平(作曲・アレンジ・ピアノ)が行った。

そして、先日「日経新聞」にも掲載された。その写真に
「山川直春」氏も写っているとか。


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