現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

超長管尺八の児玉宏幸氏

2007-10-23 22:15:33 | 筝尺八演奏家
長野県下伊那郡松川町の山奥で、自然とともに暮らし、
尺八道を極めんとしている人がいる。九州博多の出で、
東京で見つけた奥さんと愛娘を連れて、十年前に松川に
引っ越してきた。古い農家を借り受けて、100年前の
日本の生活そのまま。長男の月之介君は、この藁畳の
部屋で出産したという。コンビニも無いこんな辺鄙な
所で過ごす奥さんの方がすごい。でも奥さんは、「全然
不便と思っていない、それより自然の方が大事」と、
いたって明るい。

さてさてその人の名は児玉宏幸。近くの山から竹を伐って
きて尺八を作る。尺八といっても長さ三尺、90センチ前後
の超長管。中に地を入れない地無し管だ。

最長3尺3寸、1メートルの尺八を吹く。そこから響く竹
の音は、深く清く心に染み渡る。曲名は「心月」。
もう尺八のテクニックは通用しない。心で響かせ、心で
聞く音だ。彼の生き様と、そこから奏でる竹の音に、私は
圧倒され、言葉を失った。

彼のような尺八が、人知れず山中に埋もれているのは、
残念な気がする。本物はもっと世に現われ、認められる
べきと思うのだが、一切の欲を捨ててこその真価なの
だろう。

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