覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

ヴァントとケルン放送交響楽団のブラームス セレナード第1番

2006年07月25日 | 音楽
・長年使ってきたCDプレーヤーが壊れてしまったようで、トレーが開かなくなって中のディスクが閉じ込められてしまいました。再生は普通にできるんですけどねえ・・・。同じようなご経験をされた方はいらっしゃいますか? 

・今日はヴァントとケルン放送交響楽団の演奏でブラームスのセレナード第1番を聴きました。この曲、晩年のヴァントのレパートリーには入っていなかったのではないでしょうか? 

・セレナード第1番、ブラームス初期の作品で、後の交響曲に比べるととても長閑な、なんだか農民たちの楽しい村祭りのような気分の曲ですが、演奏によっては長さばかり感じてしまう時もあり、指揮者にとっては中々難しい曲ではないかと思います。そのせいか、録音もそれほど多くないですね。意外に過去の大指揮者と言われる人たちが録音していません。カラヤンとかベームとか。昔の人ではボールトの録音があったくらいでしょうか。かえってそれより若い世代のアバドやハイティンクに録音があるんですよね。ケルテスの録音もありました。面白い現象ですね。

・何か、ちょっと土の香りが漂うような曲ですが、ヴァントの演奏はとても都会的というか、洗練された響きのするものになっていて、こんなに垢抜けたこの曲の演奏は初めて聴きました。やっぱりヴァントってモダンな指揮者なんだなと思いました。ケルン放送響の渋く落ち着いた音色がまた魅力的。この曲のお気に入りの演奏が一つ増えました。
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ソロモンのピアノとメンゲス指揮フィルハーモニア管弦楽団のモーツァルト ピアノ協奏曲第24番

2006年07月24日 | 音楽
・なかなか梅雨明けする気配がないですね。ここ数年、毎年のように各地で水害が起きていますが、そのたびに「過去最大級の」という言葉を聞くような気がします。このまま規模がどんどん大きくなっていったら、と考えると本当にぞっとします。

・今日はソロモンのピアノでモーツァルトのピアノ協奏曲第24番を聴きました。キャリアの絶頂期に手の故障のために引退を余儀なくされた悲運のピアニストです。この演奏は引退間際のものですが、粒の揃った美しいピアノを聴く限り、故障が本当に突然のものだったという事がわかります。短調の曲だからといって殊更ドラマチックにしようという考えはピアニストにも指揮者にもないように聴こえますが、あまり重苦しくなってしまうよりもかえって私は好感を持ちました。

・ピアノもいいのですが、メンゲスの指揮が素晴らしいと思いました。いつもの様に具体的に説明ができないのですが、聴いていてハッとさせられる所が何箇所もあるんです。別に奇を衒ったようなものではないし、ピアノの邪魔にもなっていないけれど、しっかりと主張している、とてもセンスのよい指揮でした。そういえば以前にもメンゲスの指揮に感銘を受けたことがあるのですが、はて、何の演奏だったか・・・。シゲティのブラームスだったかな? 今の所、協奏曲の指揮しか聴いた事がないのですが、このメンゲスという人、相当な実力の持ち主のように思います。伴奏以外の録音も是非聴いてみたい指揮者です。

・1955年のモノーラル録音ですが良好な聴きやすい音質です。
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ベイヌムとコンセルトヘボウ管弦楽団のハイドン

2006年07月20日 | 音楽
・ベイヌムとコンセルトヘボウ管弦楽団によるハイドンの交響曲集がでました。先日、国内盤でまとまってベイヌムが復活しましたが、96番と97番は含まれていなかったので嬉しいリリースです。

・このコンビの演奏はいつもオーケストラを聴く楽しさを実感させてくれますが、今回のハイドンもそう。生き生きと弾むリズムに惚れ惚れするような音色! 現代でも十分通用する演奏だと思います。そういえばこのコンビの演奏はどれを聴いてもまったく古さを感じないんです。つくづく早世が惜しまれる指揮者です。
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リヒター=ハーザーのピアノとザンデルリング指揮デンマーク放送交響楽団のブラームス ピアノ協奏曲第1番

2006年07月19日 | 音楽
・今日、銀座の三ヶ所に自家製のニセ夜間金庫を置いて金を騙し取ろうとした無職の男が逮捕された、というニュースがありましたが、今時そんな事を考えて実行する人がいるんですねえ。その金庫、鉄製で重さが50キロ以上あったとか・・・。まったくご苦労な話です。運んでる最中、怪しまれなかったのかなあ?

・今日はハンス・リヒター=ハーザーのピアノとザンデルリング指揮のデンマーク放送交響楽団の演奏でブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴きました。ハンス・リヒター=ハーザー、ドイツの固まりのような名前ですよね。名前同様、演奏も重厚ないかにもドイツらしいもの。音色というかタッチというのか、一つ一つの音にずっしりとした重みがあります。派手ではないけどいいですねえ。この人はカラヤン指揮のベルリン・フィルと共に第2番も録音していますが、そちらもいい演奏でした。

・今回も指揮がザンデルリングですからオーケストラがピアノに劣らず立派なんです。この曲、オーケストラがただ轟音を出しているだけでうるさくなっているケースがありますが、そこはザンデルリング、実に見事なサポートです。ザンデルリングはグリモー盤でも素晴らしい指揮でしたが、まさにこの曲の一つの理想的な指揮だと思います。

・最近ではあまり聴かれなくなった、ごつごつとして、いかにも男らしいスケールの大きなブラームスを堪能しました。
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フルニエのシューマン チェロ協奏曲(クレツキ指揮バイエルン放送交響楽団)

2006年07月16日 | 音楽
・フルニエの弾いたシューマンのチェロ協奏曲を聴きました。クレツキ指揮のバイエルン放送交響楽団との共演で1967年のライヴ録音。フルニエのチェロは音色の美しさはもちろん、いつも気品があります。「格調高い」という言葉がまさにぴったり。

・今日聴いた演奏はそういったフルニエの特質に、ライヴならではの熱気が加わった素晴らしく感動的な演奏。特に第3楽章後半のカデンツァは見事なテクニックと高い集中力で圧倒的なクライマックスを築いていてこの演奏の白眉だと思いました。クレツキ指揮のバイエルン放送響のサポートも万全。息を詰めて聴いていた聴衆の終演後の熱狂的な拍手と歓声もよくわかります。良好なステレオ録音というのも嬉しい所でした。
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リヒテルのショパン 練習曲集作品10(抜粋)

2006年07月14日 | 音楽
・リヒテルの弾いたショパンの練習曲を聴きました。もちろんリヒテルですから全曲ではありません。作品10の1、3、4、10、12番の5曲です。1960年のキエフでのライヴ録音。

・壮年期のリヒテルの凄まじさにただただ唖然としてしまうのが第4番。人間ってこんなに速く指が回るものなんだと驚かされます。ただ弾いているだけじゃなくて、そこに当たり前ながら強弱が付いているわけで(バカな感想ですみません・・・)、とにかく驚いているうちにあっという間に終わっているんです。有名な「別れの曲」の非常に清潔感溢れる凛々しい演奏も印象的でした。

・様々な機会に録音されたものを集めても、ベートーヴェンのソナタもショパンの練習曲も前奏曲も全曲揃わないんですよねえ。この頃のリヒテルがショパンの練習曲や前奏曲の全集を残していたらポリーニにも引けを取らないものができたと思うのですが・・・残念。
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ジュリーニとウィーン・フィルのブラームス 交響曲第3番

2006年07月13日 | 音楽
・今日も暑い一日でした・・・。

・ジュリーニとウィーン・フィルのブラームス交響曲全集。第4番の超名演を筆頭に、もう本当に「よくぞ残してくれました」と言いたくなるような、私にとって大切な録音ばかり。第3番も凄い演奏です。

・第1番や第2番はそのあまりのスローテンポに抵抗のある方も多いかもしれませんが、第3番は標準的なテンポだと思います。第1楽章や第4楽章では金管をかなり強めに鳴らしていますが、ジュリーニの演奏だとそれが決して下品に聴こえなくて、あくまで「必要なこと=そうしなければならなかったこと」になっているように私は思うのです。その証拠に、このことによってウィーン・フィルの美しさが損なわれる様な事には全くなっていないのですから。

・第4楽章はジュリーニもウィーン・フィルも熱く熱く燃えています。音を聴いているだけでウィーン・フィルが必死に弾いている様子が伝わってきます。これはこの曲に限らず第4番でもそうですし、ブルックナーの第9番でもひしひしと感じる事です。「この人のためなら」と思わせるものがあるのでしょうね。カラヤン、バーンスタイン亡き後のウィーン・フィルにとって、ジュリーニは特別な存在だったと思います。

・両端楽章の事ばかり言いましたが、もちろん中間の二つの楽章だって素晴らしいんですよ。一人でも多くの方に聴いて頂きたいと思う演奏です。

・私の持っている盤は随分前に出た国内盤ですが、このジャケット写真のジュリーニ、素敵ですねえ。こんな風に年を重ねたいものです。
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ベームとベルリン・フィルのL・モーツァルト 交響曲ト長調「新ランバッハ」

2006年07月12日 | 音楽
・ベームとベルリン・フィルのモーツァルト交響曲全集から「新ランバッハ」を聴きました。私の持っているのは輸入盤で解説書が読めない(情けない・・・)ものですから、曲についてネットで検索してみると、いやはや、この曲が父モーツァルトの作品であると認定されるまでにずいぶん紆余曲折があったんですね。なかなか面白いエピソードです。

・聴いてみるとなかなかいい曲ですね。確かに息子の作品のような天才的な「ひらめき」というようなものはないかもしれませんが、非常にオーソドックスな作りで優しさと暖かさを感じる佳曲だと思います。ほかの録音を聴いた事はありませんが、ベームとベルリン・フィルのコンビで「定番」といえる演奏が残されたのは幸いな事だと思いました。
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カラヤンとフィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」

2006年07月11日 | 音楽
・職場のエアコンが未だに直りません。思っていたより重症のようで・・・。せめて今月中に直ってくれるといいのですが。

・さて、今日はカラヤンとフィルハーモニア管弦楽団の演奏でベートーヴェンの「英雄」を聴きました。カラヤンの初めてのベートーヴェン交響曲全集からの演奏です。映像版も入れるとカラヤンには何種類のベートーヴェン交響曲全集があるのかわかりませんが、恐らく今後この記録を破る人はいないでしょうね。

・この演奏を聴いていると、カラヤンの最初の全集がこのオーケストラとの共演で良かったと思います。テンポなどは後年のものと大きな違いはないと思いますが、この演奏から感じる颯爽とした感じはこの時のカラヤンとこのオーケストラでなくては出せなかったものだと思います。いや、後年の録音でも颯爽とはしているのですが、ちょっと違うんですよね。とにかく指揮者もオーケストラも若さに満ちているんです。それが魅力。仮にこれがベルリン・フィルだったらもっと重厚で重心の低い演奏になっていたでしょう。でもこの時のカラヤンの表現にはフィルハーモニア管の明るい音色の方がマッチしているような気がするのです。第1楽章の終結部分でギアチェンジして加速するところなど見事に決まっていて実にカッコイイんですよ。葬送行進曲も熱い演奏。オーケストラも名手揃い、瑞々しい音色が本当に素晴らしいです。

・この曲に限らず、この全集全体に溢れる若さと勢いは、モノーラル録音というハンデなどまったく関係なく、何物にも変え難い輝きを演奏に与えていると思います。
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オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のヴェーベルン 「夏風の中で」

2006年07月10日 | 音楽
・ワールドカップも終わりましたね。しかし、「人生は思い通りになんて行かないものだなあ」という当たり前のことをジダンの退場を見て感じました。そういうものなんですね、やっぱり・・・。

・今日はオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の演奏でヴェーベルンの「夏風の中で」を聴きました。とっつきにくい曲かと思いましたが、さにあらず。美しいヴァイオリン・ソロが印象的な佳曲ですね。それともオーマンディの演奏だから聴きやすいのでしょうか?

・私が聴いたのは「20世紀の偉大な指揮者たち」に収録されている録音ですが、このシリーズの選曲は本当によく考えられていますね。音源の選択も心憎い良心的な企画。シリーズは完結したようですが、まだまだ取り上げられていない大物や名指揮者(クナッパーツブッシュやヨッフムなどなど・・・)がいますから、ぜひとも続編を期待したいものです。
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