覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

ヴァレンティン・ゲオルギューのベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

2011年05月31日 | 音楽
・ヴァレンティン・ゲオルギュー、名前すら今まで全く聞いた事のないピアニスト。たまたま寄ったCD店に『ヴァレンティン・ゲオルギュー80歳記念集大成10枚組ボックス』というのがあって、手に取ってみると協奏曲中心に私の好きな曲ばかり収録されている。心惹かれたものの、10枚組で決して安くはないし、名前も聞いた事のないピアニストに対する一抹の不安からその日は断念。帰宅してからネット検索して分かったのは1928年生まれのルーマニアの代表的なピアニストだということと、クーベリック、ラトル、小澤などと共演したことがある、ということくらい・・・。こうなると悪い癖で、気になって仕方ない・・・。自国のレーベルとはいえ、有名曲をこれだけ録音するんだからかなりの実力者に違いない、と自分を納得させて意を決して購入。結果は・・・大当たり! どれも名演ひしめく名曲ばかりなので、その中でこのゲオルギューの演奏が数多の名演より格段に素晴らしいとは言わないが、聴きながら、そして聴き終えて「ああ、なんかいいな」と思うところが多いのだ。ものすごいテクニックであるとか、解釈が個性的とか言う訳ではない。例えばこの「皇帝」も特に変わった事は何もない正攻法の演奏なのだが、心持ちゆっくり目のテンポで進められる音楽は春風駘蕩というか、まさに「皇帝」にふさわしい貫禄。共演のオーケストラ(クリスティアン・マンデアル指揮クルジュ・ナポカ・フィル)も素朴なんだけどなんかいい雰囲気(全く説明になって無い・・・)。このセットに収録されている演奏のどれもが聴いていてホッと心和むような演奏ばかりなのは確か。超個性的とか、圧倒されるような演奏を求める方には決してお勧めしないが、でも、ピアノの好きな方にはちょっとお知らせしたいセットだった。
コメント
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