蛭児の葦船

救いようが無さそうな感じのアホが

        ピコピコと鳴いています。

漫画とか、読書の話

2010-07-25 16:25:31 | そこに転がっている日常
最近、読書量が減っている。
 意欲自体が減っているのか、素敵な出会いに恵まれていないのか。それとも、ブックオフでシリーズ買いをした漫画本に時間を費やしすぎているのか。
 それでも数冊程度は本も読んでいるし、勢いよく漫画も読んでいるわけなので、今日はその感想でも書いていこうと思う。

 ・告白。
 ジェンキンスさんの方ではなく、映画化された、みなとさんの作品。
 映画のCMを見た際には、なんだかつまらなそうだな、と思ったものだけど、原作の本を読んでみたら予想外に面白く、ついつい一気に読んでしまった。
 この本は、文章や、登場人物の書き込みが面白かった。
 ある人物の語りかけから始まり、章ごとに視点人物が変わり、最初の人物がしかけた事件がどんどんと転がっていく。
 物語を語る視点が変わって話が進むごとに、登場人物の印象がコロコロと変わり、始まりの原因に関する意味合いも変化していく。そうした移り変わりが自然に、興味を引く形で書かれていて、読んでいるうちに文字列を追う目が止めらなくなっていった。
 誰もかもが、自分勝手で傲慢で、赴くままに突っ走っていた。
 登場人物たちは読者にとって気持ちのいい、正義に基づいた行動なんて全然なくて、それでも納得や共感は出来る行動をとっていた。そんな風に感じさせるのが、著者の力なんだろう。
 利己的で個性的をああも書ききれるなんて、すさまじいモノだなぁ。

 ……ところで妹よ。映画の最後がどんなものかは知らないけど、原作のラストに書かれていた森口(?)先生の更生云々に関する台詞は、どこにも善意なんて含まれてなかったよ。
 そもそもあの作品の主要登場人物の多くは、善意の情に欠けているさ。語られるだけだった世直しやんちゃだけが、他者を思い善意を持って行動していたような気がするよ。

 ・アームズ&スプリガン
 皆川亮二さんの、漫画です。
 ブックオフの百円コーナーに(アームズの8,9巻以外)全部そろっていたので、つい衝動買いをしてしまった。
 いやぁ、皆川さんの漫画、僕は結構好きだなー。
 派手だし。下品な描写は入れないし。
 それは萌えとかエロとかが流行する少し前の作品だからなのかもしれないけど、僕はこんな感じのテンションが好きだ。

 スプリガンは、僕の勝手なイメージだけど、B級アクションっていう言葉がよく似合うと思う。
 基本的に主人公には大した悩みや葛藤がなく、敵キャラも(だいたいが)さしたる因縁もなく一編完結で消えてゆくし。
 それでいて、アクションやらやっている事は王道的で、とても派手。
 いやー、熱狂的にはまりはしないんだけど、安定して面白いやー。
 振り返って考えてみると、この作品にはスリル・戦闘馬鹿ばかりが登場しているのだけど、その中で僕は、ボー・ブランツェが一際輝いてると思う。
 奴はネオナチ設定で、どーしよーもないほど熱くて恥ずかしい馬鹿キャラだけど、それ故に「優秀な者は、より弱き者達を守る義務がある」という思想に殉じて命を燃やす様は魅力的だ。
 登場して以来他のキャラに馬鹿にされて馬鹿にされてばっかだったけど、ボーはいい味出してたよ。

 アームズは、スプリガンよりもキャラ達の葛藤があって良い。(それでも、登場人物、というよりキャラだけど)
 どのキャラも敗北や失う事を知っていて、さらにそこから変わっていく。やっぱり、キャラが成長したり変化した方が、読者としては面白いんだよなぁ。
 こっちは、(長編だからってのもあるけど)スプリガンよりも登場キャラに個性があって、魅力的なキャラが多い。
 自称人類最高の頭脳を持つ超天才のちびっ子アル・ボーエンとか、テレパシストのユーゴー・ギルバートとかが僕は好きだな。
 18巻にて、ユーゴーとアルの別れのシーンは特に良い。
 普段自分は天才、他人は馬鹿だと言ってはばからず、好き勝手な事を言っているアルが、戦場に向かうユーゴーに対しては心情を言葉にする事が出来ない。
 そんな彼がテレパシストのユーゴーに対して、
 「……読めよ。うまく言葉にできないから……。僕の心を……読んでくれ!」
 と言う。
 普段は理屈を並べ知性重視で語るアルが、言葉を紡ぐ思考を止め、感情敵になってる所が印象的だ。
 ……しかし、一番好きなシーンはここではなく、もう一冊先、19巻の、巴武士の選択とアリス解放のシーン。
 それまで語られた陰惨な過去から、アリスが一時の解放を得るカタルシスや、武士が戦うための武器をとらずに、他者の心を選択する所に、ちょっとばかし感動だね。

 ・これでおしまい。
 他にも読んでる本やら触れている作品あはるけど、今日はこれ以上書くのが面倒なので、これでおしまい。
 でも最後に少しだけ、最近アニメが放送されてる屍鬼についてだけ触れておく。
 小野さんの小説が原作で、それお藤崎さんが漫画化、さらにアニメ化されたこの作品。
 原作がものすごく面白くて、それが好きな僕にとってアニメはどうも原作を読んだ際のイメージとギャップがあって違和感を覚える。キャラデザとか、声とか。
 それでも、なかなか面白いね。
 死が蔓延し始め、そして姿を見せ始めたカネマサの住人達。
 何も知らない村の住民たちは、彼らに招きの言葉を与えてしまう。
 原作を読んで、展開は知っているのにあらためて見ても恐怖心がそそられる。
 OPを見る限り、今後も原作の通りに進むのだと思う。
 ああ、これからの起こる侵蝕や、発見、狂気の転換やそれぞれの苦悩。大体の流れは分かっているのに、これからがとても、楽しみだ。

そろそろ嘘をつく準備をしよう

2010-07-22 23:33:56 | そこに転がっている日常
 体温に近しい気温となった街の中で、ミンミンゼミの声を聞いた。
 日差しは人を殺すほどに厳しく、建物内は身が硬くなるほどに寒い。
 もう夏だ。もう夏なのだ。今年もまた、あの仕事の季節がやってきたのだ。
 僕は世間の誰に対しても顔向けすることの出来ない恥ずべき人間であるけれど、この季節の一時だけは、年長者の責任に基づき、大人の皮をかぶることに全力を尽くさないと。
 今年もまた、北陸に行きます。
 年を重ねるにつれ、自分は何をすべきで、彼らにはどんなモノが必要なのかという問いが重くなっていく。
 二週間という長くてほんのわずかな時間。どんな事をいい、どんな事をすれば、彼らの人生にとってプラスになるのだろう?
 仕事を目前に控えて、僕はまだ何の答も見出していない……。

 ・嘘以前の準備
 どうやら今年も離島に行かなければならないらしい。
 離島という言葉にはまだ惹かれる所はあるけれど、離島と言ってもある程度の大きさとある程度の自然環境がなきゃ楽しくなんかない。
 外周を歩いて一時間ほどで回れてしまう、山も川も洞窟も、目立った特徴がなんにもないあの離島は、正直行っても退屈なだけだ。
 物珍しいものと言えば、八月頭につくつく法師の鳴き声が聞こえることぐらいだろうか?
 ともかく今年も、そんな離島に行くことになっている。

 離島に行くための交通手段は、もちろん船だ。
 日本海は比較的波も穏やかだと聞くけれど、乗り物酔い体質の僕は波が穏やかでも十分に酔える。去年だって、半ば職務を放棄して甲板でくたばっていたし、今年も多分、そうなってしまうだろうと思う。
 最低だ。
 しかし、嘆いているばかりでは仕方がない。
 僕自身のためにも、酔いやすい子どもたちのためにも、何らかの対策が必要である。
 現在、船酔い対策検索中。
 遠くを見る。よく寝る。酒は飲まない。腹八分目。
 ……使えそうなものは、まだ、ない。

 

運動しても治らない

2010-07-17 20:32:17 | そこに転がっている日常
 今日も今日とて、僕は無思慮な生き方をしている。

 風邪なんて運動でもすればすぐに治る、とはどこぞの誰かが言った言葉なのだけど、僕にはこれが当てはまらないらしい。
 一昨日、貫徹した日から鼻水と咳が止まらなかったのだけど、その翌日、つまり昨日には熱まで出るようになってしまって、今日もまだ完治していない。
 今日は、ちょっと身体を動かすような用事があった。
 別にそれはサボっても問題はないものだけど、今日は睡眠時間も十分だったし、風邪など動けば治るとも聞くので、用事はサボらず、インナーが汗で重くなるほど身体を動かしてきた。
 しかし、これはきつい。
 身体を動かしているときから頭がぼんやりしていたのには気が付いていたけど、バランス感覚や筋力なども平時よりも機能が低下していたし、咳は止まっていたもののイマイチうまく呼吸ができず、息が上がって仕方がない。
 しかも、身体を動かしてハイになっているときはまだいいのだけど、それが終わって気分が落ち着いてくるにしたがい喉も頭も目もどんよりと重くなってしまった。
 風邪が悪化した感覚はないけど、でも平時にはない疲労感が全身にのしかかって気持ちが悪いのなんのって。
 明日は、祭に強制参加。
 今日ばかりはもう安静に、眠るとしよう。 

眠れない……

2010-07-15 04:15:27 | そこに転がっている日常
眠れないアル。眠れないアル。
 人間どうやって眠ればいいんだっけ?
 眠るってどういうことだっけ? 眠っている時瞼のどこを見ていればいいんだっけ? 眠るとき身体の感覚はどうするんだっけ? 眠る際の自我はどこに行くんだっけ? そもそも自我や存在ってなんだったっけ?
 それに、このまま眠れてもそのあとちゃんと起きれるのかなあ……。
 眠れないアル、眠れないアル。
 暑苦しすぎて眠れない。布団が熱くて眠れない。身体が熱くて眠れない。吐く息が熱くて眠れない。部屋が熱くて眠れない。空気が暑くて眠れない。風はぜんぜん入ってこない!
 眠れないアル。眠れないアル。
 明日は出かける予定があるのに、午前四時でまだ眠れないよ。
 目は重くて、腰は痛くて、体力もそれなりに消費しているはずなのに、瞼がぜんぜん閉じれない。
 ああ、どうせこのまま起きていた所で、日が昇るころになれば眠くなるのだろう。今のバイト状況に適応した、規則正しいリズムで。
 でも、僕は今眠りたい、正しく眠って、目的の時間に起きて、予定通り家を出たい。
 どうか、どうか、僕の部屋を涼しくして。僕に冷たい夜風をください。

異性に惹かれるのは本能ゆえなので理性はひどく気に入らない

2010-07-11 01:29:21 | そこに転がっている日常
 そんなわけで僕は異性が好きで嫌いだ。

 先日、怪談新耳袋の二回目の放送があった。
 一回目は面白かったけど、出演者が女の子ばかりな点が少し物足りなかった。今度こそは男が出てくる話を期待していたのだけど……メインの人間は相変わらず女の子ばかり。
 桜庭ななみとか松山メアリとか高月綾良とか、多分有名どころで、おそらく可愛いんだと思う。でも、もういいよ。一回の時にも沢山出たじゃん。
 別に、異性を見るのは嫌じゃないけど、異性ばかり見るのは好きじゃない。
 
 ……ところで、これは木原さん中山さんの新耳袋が原作で、多少の改変などはあれど一応は実話怪談ではなかったか。
 百一話からは路線を変えて、単純に五分一本の短編怪談作品になったのだろうか。
 先日放送された話は、恐い要素はあったし実際恐くて面白かったけど、到底実話とは思えない。自殺者云々や庭の木や隣の女は報告者が不在で、隣の女に至ってはあの黒女をシリーズ化? マスコットキャラにでもするのだろうか?
 もちろん、作品自体は楽しんだ。庭の木なんかは物事が淡々としすぎていて、それが妙に恐かったんだけどね。

 ・深夜ランナーは変質者の香り
 先日、妹に「デブったね」と言われたから、ダイエットのために走ってみた。
 走り始めて約十分。なんだか胃か心臓のあたりが痛くなってきた。
 もう駄目だ。走れない。
 ……ふん。動けないからデブなのさ。

 ・どーせ与党が我儘言うんでしょ?
 そろそろ参議院選投票日、世の皆々様はもう投票する相手を決めているのだろうか。
 街頭演説を聞いて、町で配布されている公約、と見せかけた七夕の短冊にも似た希望宣言書をしっかりと読んで、現在の社会情勢を吟味して……。
 多くの人は、そうやって投票先を選んでいるのだろう。
 ……でも、そうやって希望書を読んで、万感の思いを込めて一票を投じたところで、政治は結局、与党の強行採決によってぐるぐると回っていくものだ。
 それでは、何のための議会であり会議なのだかわからない。
 民主主義は数の暴力を肯定する思想ではあるけど、その勢いだけで物事を転がしても良いのだろうか。
 なんだか僕は、それがひどく気に入らない。
 ……これはただの、判官びいきなのかもしれないけど。

 ・横浜東口(?)で、狂気を見た。
 今日の二十時ごろ、横浜駅アイス屋上で阿武隈川広重とか、そんな感じの名前の立候補者が演説を行っていた。
 演説を行っていた、ならば特筆するようなことでもないのだけど、その状況が一種異様だったのだ。
 候補者が絶叫しながら観衆にアピールをすると、彼の周囲に群がっている存在が、手拍子をしながら候補者の名前を連呼していた。
 これは、どこかのライブか、運動会の応援合戦なのだろうか?
 その場にいる人間に一体感を与え、雰囲気を盛り上げ自分に対する印象を良いものにする。これも一つの戦術なのだろう。
 しかし、その光景は反社会的な異端宗教の集会のようで、傍目からみるとひどく気持ちが悪い。
 どうにも僕は、場の一体感と言うものが苦手だ。
 みんなと一緒とか、みんなと盛り上がるとか、感動を共有するとか、そーゆーのが駄目だ。
 それは僕がひねくれているだけなのかもしれない。でも、ああした空気は個人の嗜好や思想なんかはお構いなしに価値観を造成して、それを肯定させる作用があると思う。
 それは思考を放棄させ、狂気じみた勢いさえ生みだしてしまう。
 そんな、個人を飲み込み物事を押し流しているような感覚が、たぶん嫌なのだと思う。 
 横浜東口で、狂気を見た。
 僕は、これ見よがしに耳をふさいで、早々にその場から離れて行った

度し難い、拒絶意思

2010-07-09 00:24:16 | 暗い気分はとりあえず隔離
 最近、なんだかいろいろな事にゆーうつな気分。
 やる気のない自分にも、漏れ聞こえる他人の愚痴にも、その愚痴に対してなにやら反感を抱いてしまっている自分にも、些細なことで劣等感を抱き優越感を覚えてしまう自分にも……って、ほとんどが自分自身に対してなのだけど、ともかくゆーうつな気分だ。
 なんで、こんな生き物が生存し、存続してるのだろう?
 摂理というものは、どうしてこうも無力で価値の無い存在を排除してしまわないのだろう?
 そんなこんな事を、漠然と考えてしまう。
 こんな問いの答えなど、ただ僕自身死にたくはないからで、自我が消えてしまう事が発狂しそうなほど恐ろしいからにすぎないのだけどさ。
 はぁ。
 何もかも、いろんなものを受け入れられればもう少し気楽に生きているんだろうけど、まだ、それは、無理そうだ。
 あー、なんか、どーしよーもないほど、どーしよーもない気分。
 
 
 憂鬱なモノだけ書いて終わらせるのもあれなので、もう少しだけ何か書いてみる。

 ・あの虫は一体?
 いましたが、家の中でゴキと蛍を足して2で割ったようなキモイ虫を見た。
 触覚はなく、外見はどちらかと言うと蛍。ゴキさんみたいに高速移動をするような事もなかった。しかし、身動きの時にたてる音は、ゴキさんそっくりで、奴じゃないとも言い切れない。
 どちらとも判断はつかず、生理的な嫌悪を感じはしたものの、それは奴じゃないという事にして、殺さず、屋外へ追放した。 
 結局、奴は何者だったのだろう?

 ・太った?
 先日の法事の際、数ヵ月ぶりに帰ってきた妹から、「なんか、太ったね」などと言われた。
 個の台詞は、大抵僕が言う側で、僕自身とはあまり縁のない言葉だったのだけど、いざ言われてみると、何やらかるく衝撃を受けるものだった。
 数字的にはあと四キロだか五キロは増えるべきだし、腕など見てて折れそうだからもう少し肉がついてもいいとおもっている。
 でも、なんか、太ったと言われるといやーな気分だ。
 これを機に、ダイエットも……やっぱりやらないし、妹に対して真実と言う暴言を慎む、こともないか。
 その台詞はやや痛いけど、でもこれからも僕は対して変化なしです。
 

夏の暑さにうなされて

2010-07-06 22:23:02 | そこに転がっている日常
 先日、油蝉の鳴き声を聞いた気がする。
 翌日は聞いていないので、もしかしたら聞き間違いだったのかもしれないけど、でもその時は、気温はやたらと高く、梅雨なのに空は晴れ渡っていたので、蝉もちょっとばかり起きる時期を間違えた可能性はなくもない。
 あらためて、もう夏なんだな、と思う。

 
 ここ数日、寝苦しい夜が続いている。記憶が高く、やたら滅多ら湿度も高く、寝苦しくて仕方がない。
 クーラーなんて気休めにしかならないし、扇風機は苦手だし、氷枕など使う気にならない。
 本当に、どーにかならないのだろうか、この暑さは。
 僕はやっぱり、寒い方が好きだ。体を動かすのも、呼吸をするのも、ある程度寒い方が楽なのだ。
 熱いと頭回らないし、体を動かす意欲もわかないし、すぐ汗だくになるし、体臭いし、呼吸もしにくいし。熱いのなんて、嫌いだ。
 ある人は、熱い方が好きで、どんなに暑い日でもクーラーなしで気持ちよく生活できるし、寝苦しくもないというけど、その人がとてもうらやましくてならない。
 
 ……遠くで、熱で頭をやられた人間が何やら叫んでいる。
 僕も、乞われたい気分だ。書きたいことなんてもうないけど、ストレスあたりを爆発させたい。
 今回は、これで終わりです。

お茶会は笑えるもの

2010-07-05 01:16:24 | そこに転がっている日常
 ……というわけでもないのだけど。

 以下、記憶の記録も兼ねているのでくどい文章の始まりです。
 
 今日、高校時代の級友に誘われて、お茶会に行ってきた。
 お茶会。茶道。
 そんな言葉を聞いて、世の人々はどんなものを連想するのだろう? とりあえず僕は、緊張や静寂、簡素やわびさび形式美などの言葉やその感覚を連想する。
 実際の茶道やお茶会は多分その言葉通りになのだろうけど、今回僕が行ったものは、いくつかの要因が重なって、とても緊張どころじゃない、笑い崩れる場面がたびたびあるモノになってしまった。
 お茶会。
 複数名が茶室に招かれ、改まった気持ちで亭主の受ける。
 整然とした和室、ぴんと張った空気の中、だれしもが姿勢をただし、形式美に則って茶菓子や茶をいただく。
 亭主が茶をたてる音、客が茶を飲む音。言葉少なで場は静まって……
 「結構なお手前で」
 そんなもの。
 おそらく、僕が参加しなかった席では、そのような事が行われていたのだと思う。僕の時が、違っただけで。

 なにやら茶会には本席と略盆(?)という区別がるあらしく、略盆はなんぞを省略したもので、本席は省略しないもの、らしい。(詳しくは知らない。聞くだけの時間はなかったし、今の僕に調べる意思があまりないから)
 そして、僕が参加したのは、略盆の方だった。
 略盆には不特定数の客に対して、場の接待役に二人がつく。(今回、僕が見て、判断できた限りは、だけど)
 お茶をたてる、亭主。
 お客の相手をする、半東。
 亭主は基本的にあまりしゃべらず、黙々と決めれた型にのっとって茶をたて、客にその部屋や所作などの説明をしたり、雑談をしたりするのはもっぱら半東がすることになる。
 旧級友(以下、友人)はその、説明および雑談役である半東の役を担っていた。

 そのお茶会は、多分それなりに、賑わっていたのだと思う。
 某大学の茶道サークルの催しものであるから、学校のつながりで他の大学や、もしかしたら高校あたり(の、おそらく茶道部)からも客が来ていた。僕が待合室に行った段階で客と思しき人間は十名を超えていて、本席の呼び出しの際にも六名が呼ばれていた。
 なのに、僕が参加する略盆の席は、なぜか参加者は僕一人。まだ待合室には人がいたのに、その人たちはみな本席に参加するものらしかった。
 一人。
 独り。
 参加者は僕だけ。
 周囲は、人生のレールの上を順調に進んでいるであろう大学生ばかり。おそらくみんな茶道部関係の人間で、しかもほとんどがスーツを着込んでいた。
 その中に独り、全室に私服で大丈夫と言われ、その言葉に従った人生大脱線中ののらくら者の僕だったので、参加者がひとりなのは気が楽だけど、茶道を何も知らない僕が、一人でその場にいいものか。
 内心不安や疑念はあったけど、もうその場から引き返すことは出来ない。
 ともかく僕は、係の人に案内されて薄暗い廊下を渡って待合室から茶室へと向かった。
 廊下は茶室と待合室を隔てる屋外の空間を模しているらしく、砂利が敷かれ飛び石が配置されている。ところどころにある角には枯れた色をした竹が建てられていて、その空間に静寂と緊張感を与えていた。
 そんな廊下を渡り、履物を脱いでいよいよ茶室へ。
 部屋のふすまを開くと、六畳ほどの部屋に友人が浴衣を着、改まった恰好で座っていた。

 笑いは、緊張と緩和が切り替わる所に発生するもの。(らしい)
 部屋も、廊下も、友人の態度も、全ては緊張感をはらんでいたと思う。
 ただ、僕と友人の関係性には、それ以前からの緩和要素が含まれており……、
 僕は友人の姿を見るなり笑った。
 
 ダメだった。
 嗤う場所じゃないと分かっていたのに、服装を整え、真顔で座っている友人を見た瞬間、笑動はいきなり沸点に達した。
 我慢できなかった。
 声にこそ出さなかったけど、表情はにやけ体は笑み崩れ、肩の震えもどうしようもなかった。
 僕は友人を見るなり噴出し、友人は僕の笑いの所為で緊張感を維持できなくなってしまった。僕も友人も、なんとかして気を取り直そうとするのだけれど、笑いの発作は抑えきれず、口を開けば台詞より先に笑いがこぼれるグダグダな状況。
 ぴんと張り詰めた空気の中、静寂と形式美が支配する茶会など遠い幻想と消えて、後には公と私が曖昧に混じり合い、笑いに昇華され続ける恐ろしい空間がそこに残った。
 
 本当は、茶室から、半東や亭主、僕以外の客の様子を観察したかったのだけど、僕以外に客はなく、半東を意識するたび笑ってしまうものだから、ろくすっぽ観察など出来なかった。
 亭主が茶を入れる所作や、接待二人の和室での行動云々をもっとよく見ていたかったのだけど、僕の印象に残っているのは茶室を終始支配した、笑いの感覚そればかり。
 本当の茶会はきっと、もっと真剣なモノなのだろうけど、僕にとっての茶会はこんな感じのものだった。

 
 ……教訓。
 友人の仕事姿など見るもんじゃない。
 笑いが止まらん。
 

突然知らされる法事の存在

2010-07-03 10:00:33 | そこに転がっている日常
 今日は(おそらく)祖母の法事のため、父の実家へ行く。(と言っても、行先は東京なので旅情は皆無なのだけど)
 この法事の事を、僕が知ったのはおとといの事、しかも、両親から聞かされたのではなく、妹のミクシーを読んで初めてその存在を知ったのだから、困ったものだ。
 確かに、僕は両親とあまり話をしないし、それ以前に両親の仕事と僕のバイトの都合上生活リズムが合わずに顔すらあまりあうこともない、という問題はある。
 でも、もっと早く言ってくれてもよかったと思うんだけどなぁ。
 家族全員強制参加なんだし。
 俺だってバイトとはいえ仕事あるんだから。
 少しだけ、いろんなな事に不満な今の僕の心境です。
 
 ……しかし、法事、とは聞いたけど、今日は本当に祖母の法事であっているのだろうか?
 それと、今回はなん回忌なのだろう。一と三じゃないから、七だと思うけど……。


とりあえず、ひと段落

2010-07-02 01:33:30 | そこに転がっている日常
 夏の二週間に向けてのあれこれは、今日をもってとりあえずながら、ひと段落ついた。
 色々と不満を漏らしたり役所に意見書を送ったりしたし、営業に際して武器が無さ過ぎることを嘆いたりしたけど、それは二度と触れ得ぬ過去の話。
 ひと段落ついて、最悪の事態は免れた。
 人は集まったし、企画に関してはまだ不安要素が残っているけど状況は飲み込めたし、安心できる要素も見いだせたので人心地がついた。
 結局僕の行為は杞憂に近く出すぎたマネではあったけど、それでも同時にある程度は必要とされていた行為だったみたいだし、何もかも、もう大丈夫だろう。
 忙しい時に限って忙しかったバイトも方も、ガラッと暇になってしまったし、ようやくゆっくりと本を読み、アニメでも見て、くだらない駄文を書いていくことができる。
 ふー。とりあえず今日で、ある程度の事はひと段落、と。


 以下、いつも通りの駄文。もっぱらアニメの事。

 いつもの間にやらアニメの方も区切りがついたらしく、見てた番組が終わったり、続いたり、新番組が始まったりしている。
 振り返ると今期(というか、前期か?)は、木曜日と日曜日にやたら見る番組が固まってたな。しかも、どれもさほど楽しんだ覚えがないし。
 楽しい事が減ってしまったのは、年をとったせいなのか? それとも単純に、見たものがすべて僕の感性に合致しなかっただけなのだろうか?

 ・デュラララ!
 落ちを除いては、今期で一番面白かった作品だった。
 キャラクターとか、物語の展開とか、対立構図とか。
 でも、これは1クールで終わった方が、きれいに纏まっていたんじゃなかろうか?
 結局、機動隊の兄さんも医者の父も首も、出てきた割にその存在を活かせず大した意味も持たずに物語は終わってしまった。
 ダラーズの扱いも前半と比べると後半はすっきり感に欠けるし、ミカドの心情も前半の決意に比べて後半は流されるばかりだったし。
 面白かったんだけどね。
 罪歌の子どもたちの壊れっぷりとか、平和島静雄の無敵っぷりとか、闇医者の変態っぷりとか、見ていて楽しかったんだけどね。

 ・大きく振りかぶって
 これは二期を作るのが早すぎた。
 一期はすごく良かった。チーム結成から、練習、過去との決着、そして強敵との戦い。
 見事に個人やチームが強くなっていく様子が描かれ、その結果の勝利もあった。
 確かに、予選の一回戦で物語が終わってしまったのは、中途半端な一面もあるけど、でも物語の波はそこが最高潮であり、一番きれいに纏まるところだったと思う。
 でも二期は、個人の内面成長はあったし、展開的にはひと段落の場所だったけど、でも物語の波としては、波が引いた所で終わってしまって、なんだか消化不良な印象を覚えた。
 これは、原作のストックを考えればしょうがない事だし、人気があるうちに続編を作っておきたいという心理もわかるけど、でも、今期の物語だけを見ると、少し残念な印象を覚えてならない。

 ・さらい屋五葉
 可もなく不可もなく、不満もないけど特別面白いという気もしない、なんだかなんとも言いにくい作品だった。
 なんて言えばいいんだろう。
 音楽や、視点人物の人がらやらが、なんともまったりとした雰囲気を醸し出していて、気軽に楽しめた、と思う。
 特別気に入ったキャラもいなければ、気に入らないキャラもいない。
 目を引いた展開はなかったけど、気に入らないと思ったこともなかった。
 まー、こんな話もたまにはいいのかもしれない。

 ・荒川アンダー・ザ・ブリッジ
 笑わせてもらいました。
 カッパとか、星とか、男シスターとか、もう意味のわからない事だらけで、作者はよくこんなのを作ったと思う。
 普段、何を考え、何を感じながら世界を眺めているんだろう。 
 アニメのスタッフも、次回予告で実写村長とか出してるしね。
 これは、ともかく笑わせてもらいました。

 ・ジャイアントキリング
 漫画はいい。
 試合もその他もトントンと進んでいくし、試合中のキャラの心の声も別に違和感を覚えないから。
 でもアニメにしてしまうと、ちょっと。
 なまじキャラが動き、実際に時間が経過してしまうから、試合の全体図が見えにくい事に違和感を覚えたり、展開の遅さにうんざりしてしまったりしてしまう。
 物語自体は面白いはずなのに、なんともたるい。
 原作はいいんだけど、アニメはなー。


 と、そんなこんなな駄文は以上。
 これからはまた、このブログももう少しましなペースで更新していく、か?