最近、読書量が減っている。
意欲自体が減っているのか、素敵な出会いに恵まれていないのか。それとも、ブックオフでシリーズ買いをした漫画本に時間を費やしすぎているのか。
それでも数冊程度は本も読んでいるし、勢いよく漫画も読んでいるわけなので、今日はその感想でも書いていこうと思う。
・告白。
ジェンキンスさんの方ではなく、映画化された、みなとさんの作品。
映画のCMを見た際には、なんだかつまらなそうだな、と思ったものだけど、原作の本を読んでみたら予想外に面白く、ついつい一気に読んでしまった。
この本は、文章や、登場人物の書き込みが面白かった。
ある人物の語りかけから始まり、章ごとに視点人物が変わり、最初の人物がしかけた事件がどんどんと転がっていく。
物語を語る視点が変わって話が進むごとに、登場人物の印象がコロコロと変わり、始まりの原因に関する意味合いも変化していく。そうした移り変わりが自然に、興味を引く形で書かれていて、読んでいるうちに文字列を追う目が止めらなくなっていった。
誰もかもが、自分勝手で傲慢で、赴くままに突っ走っていた。
登場人物たちは読者にとって気持ちのいい、正義に基づいた行動なんて全然なくて、それでも納得や共感は出来る行動をとっていた。そんな風に感じさせるのが、著者の力なんだろう。
利己的で個性的をああも書ききれるなんて、すさまじいモノだなぁ。
……ところで妹よ。映画の最後がどんなものかは知らないけど、原作のラストに書かれていた森口(?)先生の更生云々に関する台詞は、どこにも善意なんて含まれてなかったよ。
そもそもあの作品の主要登場人物の多くは、善意の情に欠けているさ。語られるだけだった世直しやんちゃだけが、他者を思い善意を持って行動していたような気がするよ。
・アームズ&スプリガン
皆川亮二さんの、漫画です。
ブックオフの百円コーナーに(アームズの8,9巻以外)全部そろっていたので、つい衝動買いをしてしまった。
いやぁ、皆川さんの漫画、僕は結構好きだなー。
派手だし。下品な描写は入れないし。
それは萌えとかエロとかが流行する少し前の作品だからなのかもしれないけど、僕はこんな感じのテンションが好きだ。
スプリガンは、僕の勝手なイメージだけど、B級アクションっていう言葉がよく似合うと思う。
基本的に主人公には大した悩みや葛藤がなく、敵キャラも(だいたいが)さしたる因縁もなく一編完結で消えてゆくし。
それでいて、アクションやらやっている事は王道的で、とても派手。
いやー、熱狂的にはまりはしないんだけど、安定して面白いやー。
振り返って考えてみると、この作品にはスリル・戦闘馬鹿ばかりが登場しているのだけど、その中で僕は、ボー・ブランツェが一際輝いてると思う。
奴はネオナチ設定で、どーしよーもないほど熱くて恥ずかしい馬鹿キャラだけど、それ故に「優秀な者は、より弱き者達を守る義務がある」という思想に殉じて命を燃やす様は魅力的だ。
登場して以来他のキャラに馬鹿にされて馬鹿にされてばっかだったけど、ボーはいい味出してたよ。
アームズは、スプリガンよりもキャラ達の葛藤があって良い。(それでも、登場人物、というよりキャラだけど)
どのキャラも敗北や失う事を知っていて、さらにそこから変わっていく。やっぱり、キャラが成長したり変化した方が、読者としては面白いんだよなぁ。
こっちは、(長編だからってのもあるけど)スプリガンよりも登場キャラに個性があって、魅力的なキャラが多い。
自称人類最高の頭脳を持つ超天才のちびっ子アル・ボーエンとか、テレパシストのユーゴー・ギルバートとかが僕は好きだな。
18巻にて、ユーゴーとアルの別れのシーンは特に良い。
普段自分は天才、他人は馬鹿だと言ってはばからず、好き勝手な事を言っているアルが、戦場に向かうユーゴーに対しては心情を言葉にする事が出来ない。
そんな彼がテレパシストのユーゴーに対して、
「……読めよ。うまく言葉にできないから……。僕の心を……読んでくれ!」
と言う。
普段は理屈を並べ知性重視で語るアルが、言葉を紡ぐ思考を止め、感情敵になってる所が印象的だ。
……しかし、一番好きなシーンはここではなく、もう一冊先、19巻の、巴武士の選択とアリス解放のシーン。
それまで語られた陰惨な過去から、アリスが一時の解放を得るカタルシスや、武士が戦うための武器をとらずに、他者の心を選択する所に、ちょっとばかし感動だね。
・これでおしまい。
他にも読んでる本やら触れている作品あはるけど、今日はこれ以上書くのが面倒なので、これでおしまい。
でも最後に少しだけ、最近アニメが放送されてる屍鬼についてだけ触れておく。
小野さんの小説が原作で、それお藤崎さんが漫画化、さらにアニメ化されたこの作品。
原作がものすごく面白くて、それが好きな僕にとってアニメはどうも原作を読んだ際のイメージとギャップがあって違和感を覚える。キャラデザとか、声とか。
それでも、なかなか面白いね。
死が蔓延し始め、そして姿を見せ始めたカネマサの住人達。
何も知らない村の住民たちは、彼らに招きの言葉を与えてしまう。
原作を読んで、展開は知っているのにあらためて見ても恐怖心がそそられる。
OPを見る限り、今後も原作の通りに進むのだと思う。
ああ、これからの起こる侵蝕や、発見、狂気の転換やそれぞれの苦悩。大体の流れは分かっているのに、これからがとても、楽しみだ。
意欲自体が減っているのか、素敵な出会いに恵まれていないのか。それとも、ブックオフでシリーズ買いをした漫画本に時間を費やしすぎているのか。
それでも数冊程度は本も読んでいるし、勢いよく漫画も読んでいるわけなので、今日はその感想でも書いていこうと思う。
・告白。
ジェンキンスさんの方ではなく、映画化された、みなとさんの作品。
映画のCMを見た際には、なんだかつまらなそうだな、と思ったものだけど、原作の本を読んでみたら予想外に面白く、ついつい一気に読んでしまった。
この本は、文章や、登場人物の書き込みが面白かった。
ある人物の語りかけから始まり、章ごとに視点人物が変わり、最初の人物がしかけた事件がどんどんと転がっていく。
物語を語る視点が変わって話が進むごとに、登場人物の印象がコロコロと変わり、始まりの原因に関する意味合いも変化していく。そうした移り変わりが自然に、興味を引く形で書かれていて、読んでいるうちに文字列を追う目が止めらなくなっていった。
誰もかもが、自分勝手で傲慢で、赴くままに突っ走っていた。
登場人物たちは読者にとって気持ちのいい、正義に基づいた行動なんて全然なくて、それでも納得や共感は出来る行動をとっていた。そんな風に感じさせるのが、著者の力なんだろう。
利己的で個性的をああも書ききれるなんて、すさまじいモノだなぁ。
……ところで妹よ。映画の最後がどんなものかは知らないけど、原作のラストに書かれていた森口(?)先生の更生云々に関する台詞は、どこにも善意なんて含まれてなかったよ。
そもそもあの作品の主要登場人物の多くは、善意の情に欠けているさ。語られるだけだった世直しやんちゃだけが、他者を思い善意を持って行動していたような気がするよ。
・アームズ&スプリガン
皆川亮二さんの、漫画です。
ブックオフの百円コーナーに(アームズの8,9巻以外)全部そろっていたので、つい衝動買いをしてしまった。
いやぁ、皆川さんの漫画、僕は結構好きだなー。
派手だし。下品な描写は入れないし。
それは萌えとかエロとかが流行する少し前の作品だからなのかもしれないけど、僕はこんな感じのテンションが好きだ。
スプリガンは、僕の勝手なイメージだけど、B級アクションっていう言葉がよく似合うと思う。
基本的に主人公には大した悩みや葛藤がなく、敵キャラも(だいたいが)さしたる因縁もなく一編完結で消えてゆくし。
それでいて、アクションやらやっている事は王道的で、とても派手。
いやー、熱狂的にはまりはしないんだけど、安定して面白いやー。
振り返って考えてみると、この作品にはスリル・戦闘馬鹿ばかりが登場しているのだけど、その中で僕は、ボー・ブランツェが一際輝いてると思う。
奴はネオナチ設定で、どーしよーもないほど熱くて恥ずかしい馬鹿キャラだけど、それ故に「優秀な者は、より弱き者達を守る義務がある」という思想に殉じて命を燃やす様は魅力的だ。
登場して以来他のキャラに馬鹿にされて馬鹿にされてばっかだったけど、ボーはいい味出してたよ。
アームズは、スプリガンよりもキャラ達の葛藤があって良い。(それでも、登場人物、というよりキャラだけど)
どのキャラも敗北や失う事を知っていて、さらにそこから変わっていく。やっぱり、キャラが成長したり変化した方が、読者としては面白いんだよなぁ。
こっちは、(長編だからってのもあるけど)スプリガンよりも登場キャラに個性があって、魅力的なキャラが多い。
自称人類最高の頭脳を持つ超天才のちびっ子アル・ボーエンとか、テレパシストのユーゴー・ギルバートとかが僕は好きだな。
18巻にて、ユーゴーとアルの別れのシーンは特に良い。
普段自分は天才、他人は馬鹿だと言ってはばからず、好き勝手な事を言っているアルが、戦場に向かうユーゴーに対しては心情を言葉にする事が出来ない。
そんな彼がテレパシストのユーゴーに対して、
「……読めよ。うまく言葉にできないから……。僕の心を……読んでくれ!」
と言う。
普段は理屈を並べ知性重視で語るアルが、言葉を紡ぐ思考を止め、感情敵になってる所が印象的だ。
……しかし、一番好きなシーンはここではなく、もう一冊先、19巻の、巴武士の選択とアリス解放のシーン。
それまで語られた陰惨な過去から、アリスが一時の解放を得るカタルシスや、武士が戦うための武器をとらずに、他者の心を選択する所に、ちょっとばかし感動だね。
・これでおしまい。
他にも読んでる本やら触れている作品あはるけど、今日はこれ以上書くのが面倒なので、これでおしまい。
でも最後に少しだけ、最近アニメが放送されてる屍鬼についてだけ触れておく。
小野さんの小説が原作で、それお藤崎さんが漫画化、さらにアニメ化されたこの作品。
原作がものすごく面白くて、それが好きな僕にとってアニメはどうも原作を読んだ際のイメージとギャップがあって違和感を覚える。キャラデザとか、声とか。
それでも、なかなか面白いね。
死が蔓延し始め、そして姿を見せ始めたカネマサの住人達。
何も知らない村の住民たちは、彼らに招きの言葉を与えてしまう。
原作を読んで、展開は知っているのにあらためて見ても恐怖心がそそられる。
OPを見る限り、今後も原作の通りに進むのだと思う。
ああ、これからの起こる侵蝕や、発見、狂気の転換やそれぞれの苦悩。大体の流れは分かっているのに、これからがとても、楽しみだ。