香港を離れてから懐かしく思い出す味は、きっと徳昌の魚皮餃麺と新記の車仔麺(ちぇじゃいみん)かな。まだ離れるまえから、そんなことをキッパリ言い切っていました。
そういう安っぽい味ほど、記憶は鮮明。何度も繰り返し食べたってこともあるのだろうけれど。豪華なホテルランチやフレンチディナーだってもちろん貴重な経験なのだけれど、気後れしちゃって身の丈にあった思い出とは言い難いの。
在職中、少し早めにお昼休みが取れたときには、かなりの率で通った車仔麺の店が「新記」です。ここを見つけた当初は、かなりマジメな具の組み合わせをしていましたが、リピーターになるにつれ、どんどん具のセレクトがジャンクに…。でも、ジャンクなものほど、妖しく黒光りしている具ほど、おいしいから困っちゃうんですよねぇ。
米粉、河、米線、粗麺などなど各種麺から好みの物を選び、さらにおでん鍋のような仕切が付いた大鍋でグツグツと煮込まれた具から、これまた好きな物を数種選んで麺を作ってもらうものの総称が「車仔麺」です。屋台を引いて売り歩いたのが始まりなので、こういう名前になったのだそうです。
席に座ったら、専用の注文用紙を取り出し、赤いペンで具と麺、スープは辛くするか否かを選んで丸で囲みます。全ての記入ができたら店員のおばちゃんに渡して、あとは待つのみ。ちなみに、この店の店員さんはオーナーを含めて全て女性です。
相席になったおじさんのオーダー用紙を盗み見したり、隣の席のおねーさんのどんぶりの中身を研究したりして、果てしない数の組み合わせからアレコレ試してお気に入りを見つけだしました。そして、私が一番ハマったのがこちらです。
猪大腸(豚の大腸)、カレー魚蛋(フィッシュボールをカレーで煮込んだもの)、通菜(空芯菜)、蘿蔔(だいこん)の4つの具に、麺は粉糸(春雨)を合わせました。
春雨といってもかなり柔らかく、てろ~んとしているので、お腹に負担がかかりません。その分、具をドッカリ系にして楽しみます。
内臓系がまったくダメだった私なのに、車仔麺で目覚めてしまい、今や猪大腸はなくてはならないものになりました。噛めるような噛めないようなクニュクニュした食感、甘じょっぱく煮込まれた味付けがいいんですよ~。「香港だって中国。豚肉ですら危ないのに、内臓なんて食べて大丈夫なのか?」と聞かれたこともありますが、そんなこと気にする人間だったら、こんなトコ最初から来ないって~。
そしてカレー魚蛋。街かどの小食店よく見かける、串刺しにして売ってくれるアレと同じ物です。安っぽい練り物が、さらに安っぽいカレー味をまとうと、立派なスナックに変~身♪ 弾力のありすぎない弾力、ふにゃっと噛みきれる弾力が好きです。
でも、ちょーっとお腹の調子がよろしくないときは、猪大腸の変わりに、猪頸肉(豚の首の肉)を。柔らかいお肉ではありますが脂ものっているので、「お腹の調子」云々のときに選ぶってどーよ?って感じですが、まぁあんまり深く追求しないでやってください…。しかも、カレー魚蛋はやっぱり入っているし~(汗)
好物の魚皮餃+猪頸肉+通菜という組み合わせもしましたが、優等生な組み合わせでは、やっぱり車仔麺の魅力を感じきれない気がします。GO!GO!ジャンク! 毎日毎食食べる訳じゃないんだもの、たまのジャンクなら徹底的に行きましょうっ。
香港の平均的なお昼休みスタートの1時には、狭い店内はあっという間に満席となり、持ち帰りの列もできるほど。隣の席の人と箸が触れ合うくらいにキチキチに座った中で食べる車仔麺。その狭い空間も新記の味つけのひとつです。
ざるに盛られた麺、鍋の中で出番待ちをする具たち、どんぶりに入った香辛料。庶民的すぎるほど庶民的なものですが、私には大事な味。今日の具はどうしよう、麺は何にしよう、と競馬新聞に線を引くオヤジのごとく、赤ペンをにぎってうんうんと考えながら注文したものが、思いどおりの絵を描いて目の前に「ドン!」と置かれたときの喜び。わーい。いただきます!と具の下からまず麺をすくい出すときのあの箸の重み。リアルに思い出せます。
ひとつのどんぶりに麺と具。基本的な構造は同じでも、パーツの組み合わせで多彩な表情と味わいを作り出せる車仔麺。なんでもあり!な香港、なんでもあり!を当たり前に受け入れている香港を、どんぶりひとつで表現している麺なのかもしれないですね。
できたら私はカレー魚蛋になりたいなー。香港というどんぶりの中で、混沌とした麺にえいっ!と飛び込んで、それでもレギュラー地位を確保する。どんなささやかなことでもいいから、香港に関わるそんな立場になれたらいいなー。どうしたらなれるかなー。よくわからないけれど、とりあえずそう念じ続けようっと!
具、麺、各HKD6(約90円)
例えば、具を4種選ぶと、具がHKD24+麺HKD6=HKD30(約450円)です。
新記車仔麺 銅鑼湾燈籠街49-B ℡2573-5438
11:45pm~11:30pm
深い考えもなく、下準備もないままなんとなーく始めてしまったこのブログ。
これまたなんとなーく付けたタイトルだったのに、始めてからはずっと「開心」な日々を送ることができたのは、みなさまの声援あったからこそです。どれだけいただいたコメントに励まさたことか。
香港に暮らして1980日。開心香港街市が生まれてから850日。今日で香港発信の定期更新は終了です。
大事に大事に育ててきたつもりのブログです。香港ネタの発信はできなくなってしまいますが、終わらせてしまうつもりもありません。引っ越しの片づけが終わったら、なんらかの形で再開したいと思っています。『香港』という愛すべき素材がなくなってしまってもなお、遊びに来ていただけるような魅力を出せるかどうかは甚だ疑問ではありますが、日本で暮らす私なりを見ていたければ…なんて考えています。
ブログ再開のお知らせは、ひょっこりココに出すことになると思います。
近いうちに「こもも」として戻ってこれるよう、片づけがんばらなくっちゃ!
私の身体は香港を離れてしまいますが、心はどこかで繋がっているはず。一度根付いた気持ちが枯れることはないと思っています。だって、やっぱり私の「都」だもん。
いままでおつきあいくださって、本当にありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
次は、日本から。
じゃあ、またね!!
今までの記事について、ご質問やダメ出し等がございましたら下記までご連絡ください。
cikegami220@yahoo.co.jp
たくさんのポチありがとうございました!!
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そういう安っぽい味ほど、記憶は鮮明。何度も繰り返し食べたってこともあるのだろうけれど。豪華なホテルランチやフレンチディナーだってもちろん貴重な経験なのだけれど、気後れしちゃって身の丈にあった思い出とは言い難いの。
在職中、少し早めにお昼休みが取れたときには、かなりの率で通った車仔麺の店が「新記」です。ここを見つけた当初は、かなりマジメな具の組み合わせをしていましたが、リピーターになるにつれ、どんどん具のセレクトがジャンクに…。でも、ジャンクなものほど、妖しく黒光りしている具ほど、おいしいから困っちゃうんですよねぇ。
米粉、河、米線、粗麺などなど各種麺から好みの物を選び、さらにおでん鍋のような仕切が付いた大鍋でグツグツと煮込まれた具から、これまた好きな物を数種選んで麺を作ってもらうものの総称が「車仔麺」です。屋台を引いて売り歩いたのが始まりなので、こういう名前になったのだそうです。
席に座ったら、専用の注文用紙を取り出し、赤いペンで具と麺、スープは辛くするか否かを選んで丸で囲みます。全ての記入ができたら店員のおばちゃんに渡して、あとは待つのみ。ちなみに、この店の店員さんはオーナーを含めて全て女性です。
相席になったおじさんのオーダー用紙を盗み見したり、隣の席のおねーさんのどんぶりの中身を研究したりして、果てしない数の組み合わせからアレコレ試してお気に入りを見つけだしました。そして、私が一番ハマったのがこちらです。
猪大腸(豚の大腸)、カレー魚蛋(フィッシュボールをカレーで煮込んだもの)、通菜(空芯菜)、蘿蔔(だいこん)の4つの具に、麺は粉糸(春雨)を合わせました。
春雨といってもかなり柔らかく、てろ~んとしているので、お腹に負担がかかりません。その分、具をドッカリ系にして楽しみます。
内臓系がまったくダメだった私なのに、車仔麺で目覚めてしまい、今や猪大腸はなくてはならないものになりました。噛めるような噛めないようなクニュクニュした食感、甘じょっぱく煮込まれた味付けがいいんですよ~。「香港だって中国。豚肉ですら危ないのに、内臓なんて食べて大丈夫なのか?」と聞かれたこともありますが、そんなこと気にする人間だったら、こんなトコ最初から来ないって~。
そしてカレー魚蛋。街かどの小食店よく見かける、串刺しにして売ってくれるアレと同じ物です。安っぽい練り物が、さらに安っぽいカレー味をまとうと、立派なスナックに変~身♪ 弾力のありすぎない弾力、ふにゃっと噛みきれる弾力が好きです。
でも、ちょーっとお腹の調子がよろしくないときは、猪大腸の変わりに、猪頸肉(豚の首の肉)を。柔らかいお肉ではありますが脂ものっているので、「お腹の調子」云々のときに選ぶってどーよ?って感じですが、まぁあんまり深く追求しないでやってください…。しかも、カレー魚蛋はやっぱり入っているし~(汗)
好物の魚皮餃+猪頸肉+通菜という組み合わせもしましたが、優等生な組み合わせでは、やっぱり車仔麺の魅力を感じきれない気がします。GO!GO!ジャンク! 毎日毎食食べる訳じゃないんだもの、たまのジャンクなら徹底的に行きましょうっ。
香港の平均的なお昼休みスタートの1時には、狭い店内はあっという間に満席となり、持ち帰りの列もできるほど。隣の席の人と箸が触れ合うくらいにキチキチに座った中で食べる車仔麺。その狭い空間も新記の味つけのひとつです。
ざるに盛られた麺、鍋の中で出番待ちをする具たち、どんぶりに入った香辛料。庶民的すぎるほど庶民的なものですが、私には大事な味。今日の具はどうしよう、麺は何にしよう、と競馬新聞に線を引くオヤジのごとく、赤ペンをにぎってうんうんと考えながら注文したものが、思いどおりの絵を描いて目の前に「ドン!」と置かれたときの喜び。わーい。いただきます!と具の下からまず麺をすくい出すときのあの箸の重み。リアルに思い出せます。
ひとつのどんぶりに麺と具。基本的な構造は同じでも、パーツの組み合わせで多彩な表情と味わいを作り出せる車仔麺。なんでもあり!な香港、なんでもあり!を当たり前に受け入れている香港を、どんぶりひとつで表現している麺なのかもしれないですね。
できたら私はカレー魚蛋になりたいなー。香港というどんぶりの中で、混沌とした麺にえいっ!と飛び込んで、それでもレギュラー地位を確保する。どんなささやかなことでもいいから、香港に関わるそんな立場になれたらいいなー。どうしたらなれるかなー。よくわからないけれど、とりあえずそう念じ続けようっと!
具、麺、各HKD6(約90円)
例えば、具を4種選ぶと、具がHKD24+麺HKD6=HKD30(約450円)です。
新記車仔麺 銅鑼湾燈籠街49-B ℡2573-5438
11:45pm~11:30pm
深い考えもなく、下準備もないままなんとなーく始めてしまったこのブログ。
これまたなんとなーく付けたタイトルだったのに、始めてからはずっと「開心」な日々を送ることができたのは、みなさまの声援あったからこそです。どれだけいただいたコメントに励まさたことか。
香港に暮らして1980日。開心香港街市が生まれてから850日。今日で香港発信の定期更新は終了です。
大事に大事に育ててきたつもりのブログです。香港ネタの発信はできなくなってしまいますが、終わらせてしまうつもりもありません。引っ越しの片づけが終わったら、なんらかの形で再開したいと思っています。『香港』という愛すべき素材がなくなってしまってもなお、遊びに来ていただけるような魅力を出せるかどうかは甚だ疑問ではありますが、日本で暮らす私なりを見ていたければ…なんて考えています。
ブログ再開のお知らせは、ひょっこりココに出すことになると思います。
近いうちに「こもも」として戻ってこれるよう、片づけがんばらなくっちゃ!
私の身体は香港を離れてしまいますが、心はどこかで繋がっているはず。一度根付いた気持ちが枯れることはないと思っています。だって、やっぱり私の「都」だもん。
いままでおつきあいくださって、本当にありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
次は、日本から。
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