幸福度がアップする通勤時間の過ごし方:研究結果
過ごし方を変えることで、長時間通勤の苦痛を劇的に改善できるという研究結果が出ました。長時間通勤が私たちにとって苦痛であることは、研究によってこれ以上ないほど明確に示されています。
1日のうちで通勤時間が最も楽しくないと答える人が多いことは、これまでの研究でたびたび報告されてきました。さらに近年の研究では、車の中で過ごす時間を短くすると、幸福度が上がることが明らかになっています。それに、どうやら通勤には予想よりはるかに多くの労力がかかっているようです。
要するに、長時間通勤はあらゆる意味で嫌なものですね。それでも通勤時間を変えられない場合、どうすればよいでしょう?
もしかすると、夢のマイホームから理想の職場までの距離が遠いのかもしれません。配偶者の仕事の都合もあるでしょうし、住宅価格が理由だという人もいるでしょう。事情はどうあれ、通勤時間の短縮が今のところ現実的な選択肢ではない場合、辛い通勤から逃れることはできないのでしょうか?
もしかすると、辛さから少し逃れられる方法があるのかもしれません。通勤時間を短くするのが理想の解決策であることにまず異論の余地はないでしょうが、1日何時間も車や電車に閉じ込められざるを得ない人でも、通勤中の過ごし方を少し変えれば苦痛を大きく軽減できることが、最新研究で示唆されたのです。
「幸福度が上がる通勤」の方法
先ごろAssociation for Psychological Science(科学的心理学会)のブログで取り上げられたこの新しいワーキングペーパーによると、コロンビア大学などの研究チームは、通勤しているイギリス人を154人集めて、無作為に2つのグループに振り分けました。第1のグループは、それまでと同じように通勤し、幸福度、通勤時間、仕事への満足度、情緒的な消耗感についての質問に答えました。
もう一方のグループは、通勤時間を使ってその日の予定を検討し、仕事について一部計画を立てるよう促すテキストメッセージを週ごとに受け取りました。このグループの人たちも通勤や情緒についての質問に答えています。そして6週間後、両方のグループの結果を比較しました。
両グループの通勤方法は、物理的には何も変わりませんでした。いつものように交通渋滞はひどく、電車は当てになりません。しかし、主観的な通勤体験には両者で大きな違いが出ました。計画を立てたグループでは、仕事に対する満足度が大きく向上し、情緒的な消耗感が軽減したのです。
この結果からわかることは明白です。たしかに、仕事から離れて脳に休息を与えるべき時と場所はありますが、職場へ向かう移動中にそれをするのはベストではなさそうです。通勤時間におもしろい本や最新アルバムで気晴らしをする代わりに、建設的に考え計画を立てることで、実際に価値のある時間を過ごしたと感じられ、通勤による感情面の負担が軽減される可能性があるわけです。さらに、その日の準備をすることで、あとあと面倒が起こるのを避けることができ、全体的なストレスレベルをさらに低下させることができるでしょう。
要するに、通勤をより幸せなものにするという点では、気晴らしをするより、計画を立てるほうが効果的なようなのです。みなさんもぜひ試してみて、何か違いを感じたら、コメント欄で教えてください。
Inc.comのコラムニストがここで表明した意見は、コラムニスト個人の意見であって、Inc.comの意見ではありません。
JESSICA STILLMAN(原文/訳:松田貴美子/ガリレオ)
過ごし方を変えることで、長時間通勤の苦痛を劇的に改善できるという研究結果が出ました。長時間通勤が私たちにとって苦痛であることは、研究によってこれ以上ないほど明確に示されています。
1日のうちで通勤時間が最も楽しくないと答える人が多いことは、これまでの研究でたびたび報告されてきました。さらに近年の研究では、車の中で過ごす時間を短くすると、幸福度が上がることが明らかになっています。それに、どうやら通勤には予想よりはるかに多くの労力がかかっているようです。
要するに、長時間通勤はあらゆる意味で嫌なものですね。それでも通勤時間を変えられない場合、どうすればよいでしょう?
もしかすると、夢のマイホームから理想の職場までの距離が遠いのかもしれません。配偶者の仕事の都合もあるでしょうし、住宅価格が理由だという人もいるでしょう。事情はどうあれ、通勤時間の短縮が今のところ現実的な選択肢ではない場合、辛い通勤から逃れることはできないのでしょうか?
もしかすると、辛さから少し逃れられる方法があるのかもしれません。通勤時間を短くするのが理想の解決策であることにまず異論の余地はないでしょうが、1日何時間も車や電車に閉じ込められざるを得ない人でも、通勤中の過ごし方を少し変えれば苦痛を大きく軽減できることが、最新研究で示唆されたのです。
「幸福度が上がる通勤」の方法
先ごろAssociation for Psychological Science(科学的心理学会)のブログで取り上げられたこの新しいワーキングペーパーによると、コロンビア大学などの研究チームは、通勤しているイギリス人を154人集めて、無作為に2つのグループに振り分けました。第1のグループは、それまでと同じように通勤し、幸福度、通勤時間、仕事への満足度、情緒的な消耗感についての質問に答えました。
もう一方のグループは、通勤時間を使ってその日の予定を検討し、仕事について一部計画を立てるよう促すテキストメッセージを週ごとに受け取りました。このグループの人たちも通勤や情緒についての質問に答えています。そして6週間後、両方のグループの結果を比較しました。
両グループの通勤方法は、物理的には何も変わりませんでした。いつものように交通渋滞はひどく、電車は当てになりません。しかし、主観的な通勤体験には両者で大きな違いが出ました。計画を立てたグループでは、仕事に対する満足度が大きく向上し、情緒的な消耗感が軽減したのです。
この結果からわかることは明白です。たしかに、仕事から離れて脳に休息を与えるべき時と場所はありますが、職場へ向かう移動中にそれをするのはベストではなさそうです。通勤時間におもしろい本や最新アルバムで気晴らしをする代わりに、建設的に考え計画を立てることで、実際に価値のある時間を過ごしたと感じられ、通勤による感情面の負担が軽減される可能性があるわけです。さらに、その日の準備をすることで、あとあと面倒が起こるのを避けることができ、全体的なストレスレベルをさらに低下させることができるでしょう。
要するに、通勤をより幸せなものにするという点では、気晴らしをするより、計画を立てるほうが効果的なようなのです。みなさんもぜひ試してみて、何か違いを感じたら、コメント欄で教えてください。
Inc.comのコラムニストがここで表明した意見は、コラムニスト個人の意見であって、Inc.comの意見ではありません。
JESSICA STILLMAN(原文/訳:松田貴美子/ガリレオ)