奨学金

奨学金事業を行うにあたり日々感じたことを綴ります。

ご縁

2006年11月28日 | 奨学金
奨学金をもらう方は、奨学金さえ手に入ればいい(嬉しい)が、出す方は何が目的だろうか?
確かに、「社会貢献」で片付けることも出来るが、内部の者からするとやはり存在意義を考える。
例えば奨学金を出すにも、この財団には「法律」に強い人材(奨学生および奨学生OB)が揃っている。「流通」のことなら~財団に聞けば人材も資料も揃っている。といった具合だ。しかし、そのような特徴を持とうと考えたら、奨学金に色々な条件を付ける必要が生じる。例えば、「法学部に入学する者」とか「商学部に入学し公認会計士や中小企業診断士を目指している者」といった具合だ。しかし、私が携わる財団は、学ぶ学部も、将来の進路も、何も制約が無い。
では「存在意義は?」。私たちは「ご縁」という言葉で「存在意義」をあらわしている。
奨学生になれたのも、大学に入学できたのも、何かの縁である。採用されたり、合格したりした者よりも、もっともっと大変な経済環境で、もっと努力をし、もっと素晴らしい考えを持っているかもしれない。ただ、試験当日の体調が悪かったり、人見知りをしたりして、うまくハードルを越えられなかった者もたくさんいる。やはり、奨学生になれ、本財団と関わったのは「ご縁」なのである。
せっかく得た「ご縁」を大切にして、いつまでも繋がっていることで、人と人の気持ちが伝わり、将来大きな力になるのだと考えている。