奨学金

奨学金事業を行うにあたり日々感じたことを綴ります。

大学改革(その3)

2006年12月07日 | 奨学金
日本にある大学の中で、きちんとしたビジョンを持ち、小さいながらも素晴らしい実績を上げている大学がある。近年、特に評価が高く、ある意味東大や早慶よりも人気が高い。
それは、国際基督教大学(ICU)という大学だが、総合大学と呼べる規模ではないにも関わらず、OBの進学先、就職先はぴか一で、国際機関などにも強い。世の中の大学が、全て総合大学で、全てが研究機関を持たなければならないわけではない。規模に応じて、特色を持ったからこそ世の中から一目置かれている。
もう一つ、新設されたばかりの大学だが、ビジョンが一貫していてわかりやすく、受験生から人気が出つつある大学が、なんと秋田県にある。国際教養大学という大学だが、初代学長が描く構想を、一歩一歩実践していて、実績も上がってきている。中には、一橋大学や北大から志望を変更して秋田に行く者も出てきているようである。
規模的にも、場所的にも恵まれているとはいえないが、1年生の間は全寮制で、人間関係を身につけ、2年生で必ず海外留学し、学ぶべき場(コミュニティー)に飛び込む。そして、卒業するためには、アメリカの大学院に無条件で入れるレベルの英語力が無いと卒業させない。
他の大学とは一線を画し、総合大学と同じ土俵で戦わない。実に素晴らしい取り組みだと思う。研究機関がある総合大学で学びたい学生は総合大学へ行けばよい。卒業後に、世界に羽ばたけることが出来る大学もまた、一つの考え方だ。
細分化された、専門分野は世界の最先端の大学院で学べばよい。
その意味においては、先のブログで述べた、横浜にある公立大学も、小さな規模で総合大学に対抗するのでは無く、規模に応じ、考え方を変えるのも一つの選択である。
研究機関をしっかりと持ち、総合大学として生き延びたいのであれば、横浜国立大学と合併し、横浜駅前のみなとみらい地区にでもキャンパスを移せば、京都大学や大阪大学に匹敵する大学になることは可能だろうが、そうでなければ、思い切ってICUや国際教養大学のような選択をするのも必要なことだと思う。今のままの中途半端な状態では、どんどん世間から見放されるだけだと私は思う。