フラッシュバック

1990年

出演：デニス・ホッパー（もちろん『イージー・ライダー』！）
　　キーファー・サザーランド（２４、スタンド・バイ・ミー、ヤングガン、ツイン・ピークス）

　オープニングはテクノポップで始まり、映像だけで'80年代の物質文化を痛烈に皮肉っています。それが'60年代の精神文化へのオマージュともなって物語が始まります。

　デニス・ホッパーの役柄は、セルフ・パロディのようです。ヒッピーのカリスマ的存在の役ですが、実はそれは民衆が勝手に祭り上げた「虚像」でした。
　一方のキーファーはＦＢＩ捜査官の役で、ホッパーを護送する任務に就いていました。しかしホッパーのトリックに引っ掛かり、立場が逆転！
　さまざまな事件に巻き込まれ、セリフと演技で笑わせて、奇妙な友情を育む２人。

　そしてキーファーは実はヒッピー村の出身であり、生粋のフラワー・チルドレンであることが明かされていきます。「虚像」としてのヒッピーのカリスマ、ホッパーとは、またもや立場が逆転！

　ラストは内緒ですが、爽やかに締めくくられ、見終わった後に現代の精神的な不自由さを考えさせてくれます。しかも、アクションあり笑いあり、上等のエンターテインメントとして仕上がっています。

　タイトルの「フラッシュバック」とは、過去のできごとが突然鮮明に思い出されることや、薬物中毒患者が薬物使用を中断している時にも起こす幻覚症状を指します。ウマいタイトルを付けますネ！

　これも日本ではDVD化されていないのですヨ‥‥。