懐かしの岡山、カバヤキャラメルとロウケンマントウ(2007.11.16)

2007-11-16 19:43:49 | Weblog

*おお、カバヤキャラメルだぞー。

今日は、10月初めから、一度ブログに書いておこうと思った話です。
私の生国は、岡山備中藩です。10月の何日だったか、岡山に住む兄の嫁さんから家人宛に宅急便が届きました。もう25年も前に亡くなった親父の“形見分け”というか、家を片付けていて出てきたものを送ってくれたのです。
ダンボール箱が、カバヤキャラメル(正しくは、カバヤ・ココナツ・キャラメル)と印刷してあるのです。この箱そのものも、親父が生前に使っていたままでしょうか。

昭和30年代に岡山で育った私らには、カバヤキャラメルは、涙のでる懐かしさがあるのです。
カバヤキャラメルは、岡山市のカバヤ食品が作っていたのです。東京には森永キャラメル、大阪にはグリコキャラメルがあって、ちょっと安い2級のイメージではありますが、私らには、カバヤキャラメルだったのです。

*もちろん私には、右の箱です。(定期的に送られてくる<岡山を知る印刷・出版文化情報誌“F&A”vol.16,1995>から)

どうもカバヤキャラメルは、岡山の子どもたちだけでなく、大阪でも東京でも、全国的な人気だったようなのです。
10円のキャラメルに入っている“カード”を集めて、確か10点分を揃えて(なかなか10点にならない)、童話本、カバヤ文庫がもらえたのです。小学生向きの世界名作文学でした。
ひょっとすると、貪るように読んだのかもしれませんね。私の本好きの原点でしょう。
どうも昭和27年から29年のわずか3年間だったというのです。ならば私の4年生から6年生の間のことです。 もっともっと長かったように思うのです。
ずっと後、大人になって、カバヤ文庫という“文化”があったと書いた“ちゃんとした書物”をみたこともあるのです。

もうひとつ。これは、もっとわびしさが出てくる食べ物の話です。
“ろうけんまんとう”という中華風な、わかりやすく言えば、硬い冷たい、“中に何にも入っていない”豚マン・アンマンでしょうか。
・・・・正確には、黒い豆が一粒か二粒はいっていました。

その“ろうけんまんとう”が、“労研饅頭”であることを、この間(2007年10月10日)、朝日新聞(1面)で、初めて知ったのです。
労研は、労働科学研究所です。岡山県倉敷の紡績工場の“女工哀史”さながらの少女たちのために、1920年代に、若い経営者と社会問題研究者が、労働科学研究所を作って、劣悪な労働環境の問題、あるいは子どもと女性の深夜労働禁止につながる研究や運動をしたのです。


*朝日新聞10月10日付け夕刊1面(義等・暉瞬義等さんの次男の妻が、埼玉大学名誉教授の暉瞬淑子さん=写真)

そして、<疲労回復に必要な栄養も研究し、安くて栄養価の高い中国の饅頭(まんとう)を日本人向けに改良し“労研饅頭”として広めた>のです。
私は、これを食べて育ったのです。

   【おまけ】
* カバヤ文庫については、かばや歴史館が詳しい。<ここです>   
  また、岡山県立図書館では、カバヤ文庫をネット上で読むことができるサービスがあります。<ここです> 。同図書館は、カバヤ文庫を揃えているが、不足(欠本)があるといい、探しているようです。さすがの私でも、一冊も手元にありません。

*こんな絵のついた薄い紙に包まれていました。

* “労研饅頭”は、今、愛媛県松山市で製造販売されています。その由来も知ることができます。<ここです>
今でも、売れているようです。私は、食べてみたいとは思いませんね。