毎年、かなり深く関わっていた、毎年6月にあった庄和町のイベントが、春日部市との合併の余波でなくなったので、ぽっかりとスケジュールがあいた気分です。
1ヶ月ほど旅行でもしようかなと、ぼんやり思っています。
ネパールとか、チベットとか思いながら、結局アメリカの、行ったことのない南部(サザン)をさすらうことになりそうです。
私は、旅に出る前に、いつもかなり読んで出かけます。半年ほど前に、“ロックを生んだアメリカ南部=ルーツ・ミュージックの文化的背景”(写真・右)という本を買っています。この本は、おすすめです。旅の目的は、まさにこのタイトルと同じです。
もう日本人が行っていない所、ガイドブックを書いていない所はありません。この旅にも、“地球の歩き方”だけでなく、“アメリカ南部を聴く=ソウルフル・トリップ”(写真・中)という私と同じ目的で旅をした先行者が本(ちょっとカタログ羅列的ですが)を書いています。
カントリー、ブルース、そしてジャズ、いやソウル・ミュージックを訪ねたいといった方が分かり易いでしょうか。
ソウルには、たましい、深い心、深い祈りが思い浮かびます。魂の歌とそれを生んだ風土にふれることができればとの思いがあるのです。
*1930年代のアメリカ。70年代に、ウォーカー・エバンスの写真集からも、アメリカをのぞいていました。真ん中のCD(2002年)は、エバンスの写真を使っています。
さて風土でなくフード、ソウル・フードを知っていますか。
その昔“黒人たちが奴隷の時代に貧しい食べ物(白人の食べないところ)を工夫して料理した”のがソウル・フードの始まりです。食材は、豚足、なまず、ザリガニ・・・・・。黒人奴隷料理という意味があるようです。
もっとも今は、高級ソウル・フード・レストランなんてあるわけです。ケンタッキー・フライド・チキンもソウル・フードの発展フードらしいのです。
ソウル・フードを“差別された階層の人たちの食べ物”という意味で使っている本をTSYAYA(庄和町、春日部市)で2月頃に買って読みました。
新潮新書の“被差別の食卓”(上原善広著)(写真・左)は、奴隷料理という視点での、世界各国の差別された階層社会のルポです。
著者が訪ねたアメリカ、ブラジル、ブルガリア、イラク、ネパール、そして日本を書いています。
TSUTAYAで、“ネパール”部分を立ち読みして買ったのです。
ネパールは、古来仏教国であったのですが、誤解を恐れずにいえば侵略されました。世界中、どの国にも侵略や体制変革はその国の歴史にはざらにあります。だから今、ヒンドゥー教の国でインドと同様にカースト制度(階層)のある国です。
大きく4つのカースト、そして、細分化され200以上の階層があるのです。ネパールで、“カースト開放令”が出たのは、1990年です。まだ20年にもなりません。日本の開放は、1871年です。
旅行者が観光中に、このことに触れることはないし、話題にすることも避けるべきでしょうと、ガイドブックは書いています。
ネパールの人は、牛を食べません。日本に住むネパールの知人もけっして食べません。“被差別の食卓”では、ソウル・フード(被差別者料理)として牛を食べる階層の話が出てきます。
日本人もまた、明治になるまで、牛を食べなかった、でもアメリカのソウル・フードである鯰は食べていました。蛸は、欧米人が食べない。よくわかりませんね。
ソウル・フードの問題は、食材の問題でもなく調理法でもなく、結局は、そこにある人間のもつ精神の問題でしょう。
ネパールから、日本で勉強したいというサビナが、12日に到着しています。
サビナの“夢”の達成を応援しようと思っています。このブログでも、サビナの“日本”を書いていくつもりです。
階層差別はともかく、格差、貧富格差は、世界中をおおっています。個人の努力では、どうすることもできない現実があります。
*一昨日(4月20日)の日経36面全面広告です。赤が中程度の貧困(1日2$以下で暮らしている人が総人口の25%以上)、黒が極度の貧困(1日1$以下で暮らしている人が総人口の25%以上)、灰色は、データなし。<出展は、ジェフリー・サックス「貧困の終焉」早川書房>
【おまけ】
* 私が、もらったフェア・トレードのチョコレートをブログに書いたら<ここです>下さった清里のコスダさんからコメントもらいました。許可を得て、“おもて!”に出します。
チョコレート (コスダ) 2007-04-14 19:21:32
フェアトレードのチョコレートを宣伝して下さってありがとうございます。
ちなみに、私の店にはまだありますよ。好評なのでバレンタインに限らず沢山仕入れました。でも、添加物が入らないフェアトレードチョコレートは暑くなると溶けてしまいます。一般のチョコレートは年間販売できるように安定剤?などを入れているんでしょうね。
そして、もう1つ知って頂きたいことがあります。
チョコレートの原料のカカオを農場で採っている労働者の中には、人身売買などで連れて来られた児童労働者が多くいるようです。その子たちは毎日過酷な労働を強いられていますが、自分達が採っているカカオが甘いチョコレートになることを知りません。もちろん甘いチョコレートを食べたこともありません。
そんな子どもたちの犠牲で製造された一般のルートで入るチョコレート、口当たりは甘くても、とても苦いチョコレートです。私はこの現実を知ってから、フェア・トレード以外のチョコレートを買えません。
チョコレートに限らず、先進国に住む私たちの豊かな食糧や生活は誰かの犠牲の上に成り立っていることが沢山あります。
そんなことを皆で勉強していって、世界的な格差が少しでも少なくなったらいいなと思います。同じ地球に住む地球人として助け合い、分かち合えたらいいですね。
甘~いチョコからちょこっと暗い話題になってしまいました。