風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

無茶、無理は十分承知。でも止められない、、、「板橋Cityマラソン」を走ってきました。

2013-03-26 13:49:01 | マラソン

2013_03180013 今にしてみれば

走りきれただけで充分なのに

それでも悔しい気持を

抑えきれない私は・・・・。

「板橋Cityマラソン」

今は3月。

年度末である今の時期、

殆どの同僚達は年次有給休暇を消化しきれず、この時期にまとめて取得するパターンは

いつもの事。

そうなると人手が足りず、仕事量自体は普通の状態であっても

その繁忙ぶりは半端ではない。

相当身体的にきつくなるのもこの時期ではあるが、それはお互い様。

誰が悪い訳でもなく、毎年そうして一年が終る。

しかもこの時期は季節の変わり目で、特に今年は気温の変化が厳しく

とうとう先週の中ごろには起き上がることもできなくなるほど疲労が蓄積してしまった。

それでも仕事を休む事はできず、無理やりけだるいカラダを奮い立たせ

数日の夜勤をこなしていた。

先週はそれに付け加えお彼岸であったことから、親戚の来訪を向かえ

そしてこちらからも出向くといった昔ながらの慣わしをこなさなければならず

休まる事がなかった。

そんな状態であるから短い時間でも走っておきたいこのレース前ではあったのだが

たった5kmを走るのも恐ろしくきつく感じ、それはただのこの頃の気温上昇のせいだと

思い込むことにし、何とか休日出勤を断ったレース前日の土曜日までこぎつけた。

しかし、喉は痛く、やや微熱を感じ、カラダのだるさは相変わらずで、

とてもではないがこの状態で42kmを走るなんて無理だろうと。

翌日はレースを諦め、来週の勤務に備えてゆっくりカラダを休めようとも思っていた。

就寝前、うとうとしたその時に旧友からの電話に起こされ閉口してしまったが

次の日のレースを諦めたのなら別に苛立つ事はない。

が、やっぱり心のどこかに諦めきれないところがあったのだろう。

長電話の最後にはつっけんどな対応。

我ながら大人気ないと情けない気持でいっぱいとなりながらも意識が薄れていく。

翌日、午前4時に目覚めてしまう。

喉の痛みは多少和らいだ感はあるが、やけにカラダの冷えを感じていた。

起きられない事もないが、やはり普通の状態ではないことに変わりはない。

「チップ返却の事もあるし、一応会場には向かってみるか・・・・」

走ることを諦めているというのに、それでも走る為の荷物を背負い午前6時出発。

約1時間ほど電車に揺られ会場至近の駅についたのは午前7時半。

2013_03180038 もう1時間半ほどでスタートを向かえる。

それなのに駅周辺には人で溢れていた。

急ごうにも人の流れはそれを許さず、

ただただ流されるのみ。

頭上にはほぼ満開のさくらが

曇り空の灰色の中に浮き出されていた。

途中、知り合いとも無事合流。

今の自分の状態を説明し、走ることに戸惑っていると。

いつの間にか走る、走らないの選択が五分五分となっている事に苦笑。

さすがに大勢のランナーの人波の中にいると心がだんだんランナーの性に

目覚めていっていたのか。

喉に相変わらず痛みはある。

気温以上に寒さも感じている。

しかし、カラダのだるさは無い。

走ってひと汗かいたならきっとこの体調も好転するに違いない。

なんと能天気で勝手な思い込みの自分。

ダメだ、ダメだ、と思いながらどんどん走る準備を進めている。

時間がない、急がなくっちゃ。

着替え、栄養補給、肉刺予防、計測チップ装着、ウエストポーチも持ったし、

ハンドタオルも持った。

え~と、あとは、あとは・・・・、大丈夫、これで大丈夫だ。

この時点でスタート10分前。

トイレの順番待ちの長い列にダメだろうと思ってはいたが、一応並ぶも一向に進まない。

もう、トイレもストレッチもアップも諦め指定位置の枠に入る。

そして何を考えている間もなく遠くで号砲を聞く。

寒い、とにかく寒い。

寒さに震えながら流れの風の中に飛びこんでいった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あと5km

あと3km

あと1km

ゴールゲートが見えた。

何とか生きて帰ってこられたようだ。

ゴールの青いジュータンを踏んだ時、手持ちの時計は3時間39分45秒を示していた。

足首には少々ダメージがあるようだが、その他に決定的な痛みはない。

が、ともかく休みたかった。

最初から最後まで寒さに震え、カラダを冷やす事に恐怖を感じ

一度もとらなかった給水もゴール後のサービスで一気に二杯を飲み干した。

そして途中で応援をしてくれていたというもうひとりの知り合いの思いがけない出迎えに

一瞬涙がこぼれそうになったが、ここは必死に隠した。

ボロボロにはなってしまったが、やっぱり走って良かった。

身体的に残っているエネルギーは僅かだが、心には走りきれた充実感と満足感で

満ち溢れている。

正直、その時はそう思えた。

2013_03180050 タイムも順位も全然気にはならない。

走った、走りきれた、そのことだけで充分。

だけど・・・・・。

私にとって42kmと言う距離は

そう簡単には攻略できない距離らしい。

何度走っても、

これで全てにおいて

満足ということが無い。

過去最高のタイムを記録してもまだ行けるんだと思い、走れなくても次こそはと奮い立つ。

一生かかっても、これでいいんだと思うことは私にとっては無いレースらしい。

今回も時間が経つにつれだんだん悔しさが湧き出してきた。

自己管理の未熟さや、心の弱さが結局は敗因を招く。

今回はその最たるもの。

今はカラダも心も不調の波の底に沈んでいる自分の現状を

どう扱って言ったら良いのかさえ分からないのが実情でもある。

浮上のきっかけはきっとそう簡単には見つからないだろうが、

汗をかき息を切らして進んでいけばきっと掴める筈だ。

そう信じて、今は熱のあるカラダにやっと訪れた休養をたっぷり与えている。

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

来年も走ります、たぶん。。。「はるな梅マラソン」を走ってきました。

2013-03-11 07:25:09 | マラソン

2013_03050026 うれしかった事、

悲しかった事、

苦しかった事。

そういうものって

時間を追うに従って

記憶の中からだんだん

薄れていってしまうものですが

時には強く心に刻み込まれ、消えてしまうどころか、よりいっそう深く鮮明に心に残る

出来事もあるものです。

2013_03050004 もう何年前の事でしょう。

春の訪れがこの山間の町に

届くにはまだ早く、

冠となっている

梅の花が咲くには

まだまだ肌寒く

蕾もまだ白くなりかけたまま。

小高い岡の上にあるのっぽの建物をめがけて歩く人々の背中はいかにも丸く

寒さに耐えているのが傍目にもわかります。

3月初旬、背に見える榛名の山々は雪こそありませんが、里のその陽気とは桁違いに

冷え込こんでいるようで、見た目にも分かるくらい寒さに震えていました。

くだものの産地で桃やプラム、そして梨の生産で有名なこの榛名という町を走るこの大会は

その山側には広大な梅林が存在し、その合間を縫って走るので

「梅マラソン」と名づけられたようです。

2013_03050009 都市で開催される大会よりも

私はこんなのどかな

田舎町を走る大会が好き。

そう思うようになったのは

この大会を始めて走ってからでしょうか。

参加者の中には

いかにも普通の

地元の主婦の方がジャージに着替えて、あまり練習もせずに参加するものだから

坂道を走るコースに苦戦していたり、障害のある子たちが一生懸命にゴールを

目指していたりして、その地の気温とは正反対にとても心が暖かくなっているのを

感じていました。

それから毎年この大会を走っていたのですが、ここ数年色々なことが重なり

走ることができないでいました。

しかしあののっぽの建物は目を閉じればいつでも思い出すことはできますし、

キツイ坂のことは絶対に忘れる事はありません。

2013_03050031 「はるな梅マラソン」

今年、やっとこの大会に

参加することができました。

相変わらずコースは苦しく、

それなのに心を暖めてくれる。

心の底から好きといえるこの大会です。

今年はここ数日の気温の上昇で

梅の花も咲き始め、かすかに梅の香りが漂う会場には数年前よりも幾分参加者も

増えたでしょうか。

笑ってしまうしかないのですが、アップも周辺は坂ばかりでそれさえも坂の上り下り。

少しのアップでもかなり足にきてしまいます。

キツイ坂ばかりのコースはまるでジェットコースターのよう。

転げ落ちるような坂や走っているのに歩くのと変わらぬような激上り。

相当な脚力が無ければ完走すら危ぶまれます。

2013_03050048 なのに毎年参加者が

増えるというのは、

やはり何かがたくさんの

ランナーの心を

くすぐるのでしょうね。

走り終え一息ついて

ご馳走になる甘酒やなめこ汁は、

いつもならあまり口にしない各大会のとん汁類よりも数段美味しく感じ、

行列に並ぶのも決して苦にはなりません。

走り終えたカラダを芯から癒してくれるのです。

一度も当たったことはありませんが、ふんだんに取り揃えられている豪華賞品の

抽選もその魅力のひとつ。

それより何より帰りの駐車場へ向かうそのころには朝の寒さはもうなく

その目の前の山々がなんとなく自分を包み込んでくれるかのような

その心地良さに感激するのです。

2013_03050010 何時までもこの雰囲気に

包まれていたい、

そう思えるのです。

多くの大会に参加していますが、

帰りたくないと思うのは

この大会ぐらいでしょうか。

生憎、この日は風も強く、

この時期としては信じられないほどの高温。

記録的には決して満足できる内容の走りじゃなかったけど、

でも、帰宅に向かう時の清々しさはなんともいえぬ気持。

こんな気持になれることを追い求め、これからも楽しめたら良いなと思う一日でした。

記録 11kmの部  51分41秒

部門別順位      14位

コース順位       58位

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

燃える心は抑えられない 「鴻巣パンジーマラソン」を走ってきました。

2013-03-03 08:21:55 | マラソン

2013_02250055ゴォ~ と言うものすごい風の音で

目が覚めた深夜。

いくらなんでもこの風じゃ無理。

走らない言い訳ならいくらでもできる。

夢なのかうつつなのか

再び深い闇に意識が沈んだ。

午前6時。

深夜のその風はなく、ただ普段どうりの季節風が木々を揺らしていた。

3時間ほどの仮眠でまだからだも脳もはっきりした活動ができず、

慌ててはいるが出発までの用意もおぼつかない。

昨今の事情でかなり早めの会場到着でなければ駐車場を確保する事が難しく、

渋滞にでもはまってしまえばその焦りから戦わずして敗れたと同然の心理状態に

陥る事だけはどうしても避けたい。

運よく一番近い駐車場の隅っこの一角を確保できホッと一安心。

この時、やや弱い腹痛を感じてはいたが、これによって走る障害になることはない。

車外に出ると自宅付近のその風とは種類が違う風が吹いていた。

オマケに見えるはずの山の姿は雲に隠れまったく見ることができない。

前週もそうだったが、あの山が雲にすっぽり隠れた朝は確実に強風。

しかも雪風の冷え切った風が吹く。

2013_02250003 そんな嫌な予感は

ものの見事に的中し、

時間を追うごとに

その強さを増していった。

アップでカラダを暖めようと

いくら走っても温まらない。

厚めの手袋の中の指先は

痺れるように冷え切っていた。

こんな状態で今日の出場種目である5kmを走れるのだろうか。

この短い距離はスタートと同時に心拍をMAXにもってゆき、その状態をゴールまで持続。

心肺的には一番きつく、呼吸系に不安のある自分には一番向かない競技だ。

だが、決して嫌いではない。

選手同士の激励の輪が広がる“長距離系”の競技とは違って、ライバル意識むき出しの

“短距離系”のこの距離の競技は一番心が燃える。

勝つか負けるか、それだけしか頭に浮かばない。

この日もご他聞に漏れずそうだった。

2013_02250024 スタート召集のアナウンス前から

位置取りの為に競技場内に入る。

が、考えている事は皆同じようで、

既にその位置にはかなりの

人数の人垣が。

最前列から数えて

5列目ぐらいだったろうか。

何とかスタートラインを数秒で超えられるぐらいの位置を確保できた。

直ぐ横には高校の陸上部であろう同じユニフォームを身にまとったの女子が

集団を成していた。

きっとこの子達の何人かは私と同じレベル、良い競争相手ができそうだとほくそ笑んでいた。

いつもそうだが、この5kmの競技に出場すると情けない事だが女子陸上部の子達と

熾烈なバトルを繰り広げていた。

その予想は今回も例外ではなかった。

スタート後の混乱から抜け出て自分の位置を確保すると目の前にあのユニフォーム。

10mぐらいだろうか、前を走るその姿を追いかける。

そして追いつきたいと思うが、彼女は後方にそのそんな思いの人間がいる事など

知る由もない。

しかしペースは幾分彼女のほうが早いか。

徐々にその差が広がるかに見えたが、そこにあの朝からの強風が。

2013_02250044 一瞬よろめくように蛇行。

その光景は前を行くランナーだけに

起こるのではなく

一瞬遅れてこの私にも襲い掛かってきた。

かなりの前傾姿勢をとっても前に進まない。

足が止まりよろめく。

それでもそんな私を

あざ笑うかのように、更に風は吹き荒れる。

集団で走ろうともその風はランナーをすり抜けまったく功をなさない。

彼女が数分前にスタートした中学生を追い越すたびにその姿が見え隠れしてきた。

反対車線には折り返してきたランナーがものすごい勢いで走り抜けていく。

このままでは完全においていかれる。

そう思いながら2.5kmの折り返し。

一瞬、真空になった。

空気が暖かい。

反対車線を折り返してきたランナーの勢いはこのためか。

追い風とは感じず、空気が無いと思えるような抵抗の無さ。

2013_02250034 見えた。

彼女の姿が次第に大きくなる。

すると長身の若者が私の横に着く。

2人で前を追う。

私が出たり、彼が出たり。

そうするとペースも自然に上がり

あっという間に彼女を抜き去り、

そして置き去りにした。

呼吸の荒さに伴い、声を発する中年ランナーも、中学生も追い抜く。

自分の呼吸も限界と思われ、肩に緊張がはびこる。

す~っと腕を下ろし力を抜く動作の回数が増えるときには相当苦しくなった証拠。

その瞬間、あのユニフォームがかなりの勢いで私と彼を抜き去っていった。

復活した?

2013_02250040 いや、あの彼女ではない。

チームメイトの他の子だ。

あっという間に消えた彼女を追い、

横の彼がスパート。

私はまったく反応できなかった。

3m、5m、10m、離されて行く。

ゴールの陸上競技場入り口の

カーブを曲がり場内に。

音はまったく耳に入らない。

聞こえるのは自分の荒い呼吸とウエアがすれる音だけ。

静かなこの瞬間がいとおしく、何時までも続いてほしいともうと同時に

この勝負の行方に決着を見た今は満足意外何も無い。

敗れて本望。

それでも苦しさを乗り越えゴールラインを超えた勝負には確かに打ち勝った。

そう思えるこの5kmと言う距離に何時も感謝をする。

短い距離、短い時間の中にはフルマラソンを走る時間にも匹敵するほどの

たくさんの思いが詰め込まれている。

変なたとえだがフルマラソンが生わかめなら5kmのレースは乾燥わかめ。

ぎゅ~っと収縮されてはいるが中身は濃い。

2013_02250046 結果    20分32秒

年代別順位  11位

総合順位    93位

ランナーにとってマラソンとは

応援するものでもなく

観るものでもなく、

ましてや棄権して

ふてくされるものではないと改めて感じる一日だった。

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする